兵庫県立播磨中央公園で4月28日、、Jプロツアーの第8戦となる「西日本ロードクラシック」2日目のDAY2が開催された。前日同会場で開催されたDAY1はショートレースだったが、一気におよそ3倍に距離が伸び、この日は20周144kmのレースとな…

兵庫県立播磨中央公園で4月28日、、Jプロツアーの第8戦となる「西日本ロードクラシック」2日目のDAY2が開催された。前日同会場で開催されたDAY1はショートレースだったが、一気におよそ3倍に距離が伸び、この日は20周144kmのレースとなった。
DAY2はJプロツアーの中で正式な「クラシック」レースとして設定され、ポイントランキングでレースレイティングが「ゴールド」に指定され、優勝者には500ポイントが授与される重要なレースである。





使用コースは丘陵地帯に立つ公園の地形を生かし、細かいアップダウンが続く難コース(注:1周7.2kmで開催)

この日は気温の上昇が予想されており、レース中の補給(水分等)は2周目から残り2周まで許可されることになった。スタートも、ローリングなしのマスドスタートに変更された。



マスドスタート方式でレースがスタート

個人総合首位は岡本隼(愛三工業レーシングチーム、この日は欠場)が守り、U23の首位は寺田吉騎(シマノレーシング)が守っている。ホワイトジャージを着た寺田を先頭にレースがスタートした。



気温の上昇が予想され、2周目から補給をスタートさせる措置が取られた



ペースが上がり、長く伸びるメイン集団

長距離の設定にも関わらず、レースは序盤から動きを見せた。2周目に6名が先行したのをきっかけに、3周目までに11名の先頭集団が形成された。



早々に、実力者を多く含む先頭集団が形成された

この中には昨年度のJプロツアーチャンピオンである中井唯晶と寺田吉騎(以上、シマノレーシング)、トラックレースではアジアチャンピオンであり、世界を舞台に戦う橋本英也、同じくスピードを誇る今村駿介と松田祥位(以上、チームブリヂストンサイクリング)、シクロクロスの全日本チャンピオン織田聖と今季日本に移籍したアレクサンドロス・アグロティス(以上、マトリックスパワータグ)らが含まれている。人数も多く、実力のある選手が揃った危険な動きだ。4周目にここから1名が遅れ、先頭集団は10名となった。



コントロールするヴィクトワール広島

メイン集団は、先頭にメンバーを送り込めなかったヴィクトワール広島、チームサイクラーズスネル、宇都宮ブリッツェンなどが先頭に立ち、コントロールを行うが、好ペースを刻み先行する10名との差は拡大して行き、8周目には2分まで広がってしまった。



宇都宮ブリッツェンが中心となり、引き上げを図るが、先頭集団との差は思うように縮まらない

レース中盤、金子宗平ら群馬グリフィンレーシングチームのメンバーが集団をペースアップさせ、差が少し縮まった。だが、メイン集団に残ったチームブリヂストンサイクリングのメンバーが先頭集団に乗るメンバーを守るため、差を広げるべく、集団のペースを抑えに入り、レース終盤に向けて両グループの差は再び広がってしまう。



チームブリヂストンサイクリングのメンバーがメイン集団のペースを抑えるコントロールを始める

16周目には両集団の差は3分以上まで拡大してしまった。
16周目、先頭集団から4名が遅れ、チームブリヂストンサイクリングの3名と、寺田、織田とアグロティスの6名となった。先頭に3名を残し、さらに全員がゴール勝負に自信があるスピードマンであるチームブリヂストンサイクリングにとって、圧倒的に有利な状況だ。

残り3周となる18周目、ここから松田がアタック、単独先行を開始し、20秒の差を開いた。



ラスト3周で松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)がアタック、差を広げた

最終周回に入ると、アグロティスがペースアップ、松田を追い始めた。松田と第2集団との差は10秒未満まで縮まるが、松田は諦めず、独走状態のまま残り1kmへ突入した。
ここで、松田のチームメイトである橋本と今村がペースアップし、寺田とアグロティスを置き去りにして先頭を独走する松田に合流。手に手をとって、松田、橋本の順にフィニッシュラインを越えたのだった。



合流した橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)が松田の手を取りワンツーフィニッシュ

3位には今村が入り、チームブリヂストンサイクリングが1位から3位を独占することになった。前日のDAY1に続く優勝であり、第6戦以降、チームブリヂストンサイクリングが3連勝する結果となった。



1−2−3フィニッシュを決めたチームブリヂストンサイクリングが、表彰台を占拠する結果に

松田はゴール後の感想を問われ「信じられない感じですね」とまだ興奮覚めやらぬ表情で語った。同グループに乗る2名の先輩たちに有利な形を作ろうと飛び出したことが、そのままチームの1―2―3フィニッシュにつながった。自信みなぎる走りに見えたが、松田自身は「毎周、ゴール前の上りが来るごとに捕まるんじゃないかと思っていた」と謙遜する。「最終周回の上りを終えたところで監督が『よかったな』と言ってくれて、そこでホッとしました」と笑顔を見せた。
個人総合首位、U23首位ともに、岡本、寺田が守っている。



U23の首位を守り、改めてその証であるホワイトジャージを着用した寺田吉騎(シマノレーシングチーム)

5月は、ここからJプロツアーとしてはタイムトライアル、ヒルクライムの開催がされ、同時にUCI(世界自転車競技連合)認定の国際レース、ツール・ド・熊野、ツアー・オブ・ジャパンとビッグレースが続けて開催される。海外チームも招聘し、春の海外遠征に出ていたチームも帰国し、ハイレベルなレースを展開することが予想された。

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【結果】
Jプロツアー2024第8戦
西日本ロードクラシックDAY2 144km

1位/松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)3時間32分11秒
2位/橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)+0秒
3位/今村駿介(チームブリヂストンサイクリング )+4秒
4位/寺田吉騎(シマノレーシングチーム)+9秒
5位/アレクサンドロス・アグロティス(マトリックスパワータグ)+11秒

【Jプロツアーリーダー】
岡本隼(愛三工業レーシングチーム)

【U23リーダー】
寺田吉騎(シマノレーシングチーム)

写真:JBCF 一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟

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【Jプロツアー2024・開催レポート】
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