5月19日(日)、東京競馬場で3歳牝馬によるGⅠオークス(芝2400m)が行なわれる。 今年はGⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)勝ち馬のステレンボッシュと同3着のライトバックのほか、GⅡフローラS(東京・芝2000m)を勝ったアドマイヤベル…
5月19日(日)、東京競馬場で3歳牝馬によるGⅠオークス(芝2400m)が行なわれる。
今年はGⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)勝ち馬のステレンボッシュと同3着のライトバックのほか、GⅡフローラS(東京・芝2000m)を勝ったアドマイヤベル、GⅢクイーンC(東京・芝1600m)を勝ったクイーンズウォークなど、実績馬が順調に調整を進めている。
そんなレースを血統的視点から占っていこう。まずは、1番人気が予想される桜花賞馬ステレンボッシュ(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)から。
桜花賞を制したステレンボッシュ
photo by Sankei Visual
同馬の父エピファネイアの産駒には、2020年のオークス勝ち馬で、桜花賞や秋華賞も制して「牝馬三冠」を達成したデアリングタクトがいる。今年は、GⅠヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)で大波乱を演じたテンハッピーローズのほか、GⅠ天皇賞・春(京都・芝3200m)2着のブローザホーンなど、早くも産駒の年間JRA重賞勝利数は自己最多タイの7勝となっている。
オークスはデアリングタクトによる1勝のみだが、牝馬ながらGⅠ菊花賞(阪神・芝3000m)3着のディヴァインラヴ、GⅠ有馬記念(中山・芝2500m)馬のエフフォーリア、GⅡ日経新春杯(京都・芝2400m)を勝ったブローザホーンなど、芝2400m以上のレースでの実績は十分。母の父ルーラーシップも長距離実績に富んでおり、代表産駒キセキは菊花賞馬。オークスではリリーノーブルが、アーモンドアイに次ぐ2着に入っている。
ステレンボッシュのオークス適性の高さは、5代血統表を見ても明らかだ。
父エピファネイアの母シーザリオ、母の父ルーラーシップの母エアグルーヴ、その母ダイナカールがオークス馬で、祖母の父ダンスインザダークの全姉にもオークス馬ダンスパートナーがいる。さらに、曽祖母ウインドインハーヘアから広がる一族は、ディープインパクト、レイデオロと2頭の日本ダービー馬が出ている日本を代表する名門だ。同い年でGⅠホープフルS(中山・芝2000m)のレガレイラ、GⅠ皐月賞(中山・芝2000m)4着のアーバンシックは「いとこ」にあたる。
ステレンボッシュは桜花賞を勝ったが、追えば追うほど伸びる末脚や血統背景から、オークスでより強さを発揮する可能性は高い。桜花賞ではGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)勝ち馬の強敵・アスコリピチェーノを破り、年明け2戦目でさらなる上積みも期待できるとなると、牝馬2冠の達成は大いに期待できる。
もう1頭はコガネノソラ(牝3歳、美浦・菊沢隆徳厩舎)を推す。同馬の「父ゴールドシップ×母の父ロージズインメイ」という配合は、2021年の勝ち馬ユーバーレーベンと同じ。叔母ウインマリリンも2020年の2着馬という"オークス血統"だ。
ウインマリリンはフローラS(東京・芝2000m)で重賞初勝利を飾り、牡馬相手にGⅡ日経賞(中山・芝2500m)、GⅡオールカマー(中山・芝2200m)、GⅠ香港ヴァーズ(シャティン・芝2400m)を勝った名牝だ。さらに、同い年の「めい」のコラソンビートはGⅡ京王杯2歳S(東京・芝1400m)勝ち馬で、叔父ウインマーレライもGⅢラジオNIKKEI賞(福島・芝1800m)勝ち馬と、近年の活躍が目立つ牝系でもある。
コガネノソラは昨年10月、4戦目の2歳未勝利(東京・芝1800m)で初勝利。その後、半年後の3歳1勝クラス(中山・芝1800m)、前走のスイートピーS(東京・芝1800m)も勝って3連勝を飾り、一気にオークスに駒を進めてきた。その上昇度と血統背景は魅力で、大舞台で力を発揮できそうな雰囲気があるため注目したい。
以上、今年のオークスはエピファネイア産駒ステレンボッシュ、ゴールドシップ産駒コガネノソラの2頭に期待する。