新潟アルビレックスランニングクラブ(RC、新潟市中央区)が、「サトウ食品新潟アルビレックスRC」に改名した。クラブのネーミングライツ(命名権)をサトウ食品(同市東区)が取得し、そう命名した。同社はスポンサーとして食事面でも支える。力強い後…

 新潟アルビレックスランニングクラブ(RC、新潟市中央区)が、「サトウ食品新潟アルビレックスRC」に改名した。クラブのネーミングライツ(命名権)をサトウ食品(同市東区)が取得し、そう命名した。同社はスポンサーとして食事面でも支える。力強い後ろ盾を得て、五輪イヤーでもある20年目のシーズンを迎えている。

 RCは、同名の株式会社が、同名の任意団体を運営する事業形態を取ってきた。大企業による実業団が主流の陸上競技界にあって、運営会社による国内初の陸上クラブ。サトウ食品との契約期間は3年で、契約金額は非公表。

 この間の経緯について、運営会社の大野公彦社長は「業界のパイオニアでありながら、常に独自製法を採り入れるなど挑戦し続けるサトウ食品と、日本スポーツ界で、誰もなしえなかった陸上クラブ経営を実践してきた当クラブの思いが一致した」と説明。サトウ食品の佐藤元社長も「食とスポーツ、健康は切っても切り離せない。ランニング、ウォーキング教室を通して健康をサポートする場を県内だけでなく、全国に提供できる」と期待を寄せる。

 国内上場企業で売上高上位50社のうち、18社(36%)が企業名で日本陸上競技連盟に登録。こうした実業団チームが中心の陸上界で、行政や複数の企業に支えられたRCが誕生したのは2005年。野球やサッカーなどプロスポーツ中心の競技とは異なり、陸上競技でこうしたビジネスモデルは成り立たないと言われた。しかし、小中学生向けの陸上競技スクールによるアスリートの育成・強化とともに、幼児から高齢者までを対象にした健康づくりの取り組みなどを進めたことで、RCは地域密着型のランニングクラブとして定着。今後は、トップ選手が子どもたちに「走り方」を教えるとともに、参加者が「食育」を学べる場を提供するなど、スポーツと食の力による子どもの心身の成長を応援する取り組みの全国展開をめざす。

 RCは五輪出場経験者のスタッフをそろえ、トップチームには、五輪をめざす10選手が所属する。パリ五輪の代表選考会となる日本選手権は、6月27~30日、新潟市中央区のデンカビッグスワンスタジアムで行われる。五輪に3大会連続で出場した久保倉里美ヘッドコーチは「心強いパートナーを得て、大切なシーズンをチームが力をあわせて頑張っていきたい」と話している。(久保田正)