WRC第5戦ポルトガルの競技3日目、チームメイトのカッレ・ロバンペラ、セバスチャン・オジエに次ぐ3番手を走っていた勝田貴元。SS12でのクラッシュがもとでこの日はデイリタイアを余儀なくされた。 ──今朝の最初の感触から聞かせていただけます…

WRC第5戦ポルトガルの競技3日目、チームメイトのカッレ・ロバンペラ、セバスチャン・オジエに次ぐ3番手を走っていた勝田貴元。SS12でのクラッシュがもとでこの日はデイリタイアを余儀なくされた。

──今朝の最初の感触から聞かせていただけますか?
「最初は思ったよりグリップが高くて、そのグリップをうまく活用し切れていなかったというか、あまり攻め切れていなかったので、その辺が少しもったいなかったという思いはあります。でもクルマのフィーリングは良かったですし、長い一日になると思っていたので、無理せずにいこうという感じではありました」

──SS12で起こったことを教えてください。
「右ロングコーナーからすぐに左コーナーと連続しているハイスピードセクションで、ラインを外してしまい、左側がアウト側ギリギリでバンクにかすり、次の左コーナーを曲がりきれずに外側にあった岩肌というか、岩にリヤをぶつけて、それでダメージを受けたという感じでした。その後も1kmくらい走ったのですが、ブレーキディスクも完全に割れて、ブレーキが効かない状態でした。その後は27kmもダウンヒルセクションが続くことが分かっていましたし、ブレーキが効かなくなってしまったら元も子もないので、一回止めて様子を見ようと。実際に見てみたらドライブシャフトや駆動系にも結構ダメージがありました。見た目はそんなにひどくはなかったのですが、アームも壊れてブレーキもなくなっていたので、残りの距離ともう一個のステージがあると考えたら得策ではないと判断しました」

──スウェーデンと今回では表情が違うような感じがします。
「確かに状況は少し違うと思います。スウェーデンでは自分に対して『もっとタイムを稼がなくては』とプレッシャーをかけ続けていたので、限界までプッシュし続けていました。ここではもちろんプッシュしていましたが、コーナー1カ所が自分の予想と違っただけで、限界領域ではありませんでした。スウェーデンではチームのために結果を絶対に出したいと思っていました。優勝争いに絡んで、ライバルチームより良い結果を出して。でも、自分のミスでそれがかなわなかった。だからものすごく残念でした。今回もスピードは出せていましたし、プッシュもしていましたが、タイム差は僅かでバトルを楽しむこともできました。このペースをどのようにして維持するかを心がけて走っていました」

──明日はまた出走できそうですか?
「できると思います。ただ出走順が結構難しくなると思うので、あまりポイントは望めないかもしれませんが、今後のためにしっかりと経験を積んで良いペースを出せるようにしたいと思います」
(Keiko Ito)