米老舗誌のPFPで「世界最強」の評価を得た井上。その結果には反論も飛び交っている。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext  井上尚弥(大橋)が「世界最強」の称…

 

米老舗誌のPFPで「世界最強」の評価を得た井上。その結果には反論も飛び交っている。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 

 井上尚弥(大橋)が「世界最強」の称号を得た。

 5月9日(現地時間)、世界で最も権威あるボクシングの米老舗専門誌『The Ring』は、階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」の最新版を公表。世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上を1位に選出した。

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 今月6日に東京ドームで行われた元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦に6回1分22秒TKO勝ち。日本のみならず、世界に小さくない話題を提供したセンセーショナルな勝利は、鵜の目鷹の目の記者陣の評価を高めさせた。

 もっとも、WBAスーパー・WBC・WBOスーパー世界ウェルター級統一王者のテレンス・クロフォード(米国)と入れ替わる形での首位返り咲きには異論も上がっている。というのも、先のネリ戦で井上は初回に近接戦の流れから左フックを瞬間的に空いてしまった顎に被弾。プロ初ダウンを喫したことで、少なからずの危うさを見せた。

 下馬評で「格下」と言われていた相手に出鼻をくじかれた井上のパフォーマンスに、厳しい意見を飛ばす記者は少なくない。

 英紙『Mirror』のバリー・マクギガン記者は、「イノウエは東京でのネリ戦で証明したように、史上最強クラスに凄まじいハードパンチャーの一人だ」と称賛。しかしながら、「世界で最も価値がある」とされる『The RING』が公表した今回のPFPには、「彼は確かにエリートだが、私の中ではテレンス・クロフォードの上にはいない」と異論をぶつけている。

「クロフォードはオールドスクールなタイプだ。彼のタイミング、スピード、空間認識能力は目を見張るものがある。ハードパンチャーには見えないが、彼の一撃はカミソリのように鋭く、足の位置も常に完璧な位置だ。イノウエの方がパンチには爆発力はあるが、クロフォードには、先週のイノウエのように打ち込まれる危険性もない」

 PFPはあくまで階級制のスポーツであるボクシングを見るうえでの指標の一つに過ぎない。そんなランキングにおいて、トップに立ち、世界であらゆる賛否両論の対象になるのも、井上の凄みを物語っていると言えよう。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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