全日本スキー連盟の年間表彰式「スノーアワード」が8日、都内で開かれ、ジャンプ男子で今季W杯個人総合2位の小林陵侑(チームROY)は優秀選手賞を受賞した。昨年4月にプロ転向し、1年目のシーズンでW杯15度の表彰台に立った日本のエースは「すご…

 全日本スキー連盟の年間表彰式「スノーアワード」が8日、都内で開かれ、ジャンプ男子で今季W杯個人総合2位の小林陵侑(チームROY)は優秀選手賞を受賞した。昨年4月にプロ転向し、1年目のシーズンでW杯15度の表彰台に立った日本のエースは「すごくいい戦いができたと思う」と振り返った。

 W杯シーズンを終えた4月には長年の夢が1つかなった。レッドブルがアイスランド北部のアークレイリにつくった特設ジャンプ台で“世界新記録”の291メートルのビッグジャンプを飛んだ。シーズンを終えて1か月のブランクもあった中、テイクオフする瞬間の最高速度は時速約107キロ、空中を通常のラージヒルの2倍ほどの約8秒間飛行。非公認ながら大記録に挑戦し「めちゃめちゃ難しかった。アプローチが怖かったですね。雪でうねりもあり、雪も溶けているし。すごくやりきったなという気持ち。競技人生のハイライトになる」。

 22年北京五輪金メダリストは、競技の普及や競技力の向上にも目を向けてきた。「3~4年前から挑戦してみたいなと言ってきて。ジャンプって道具は進化しているけど、意外と競技自体はここ10年ぐらいあまり変わっていない(感覚で)。そういう意味でまた一歩…20年ぐらい先まで押し上げたいなと。トライできたことに大きな価値があると思っている」。国際スキー連盟にも競技力を推進する動きが見えたといい「みんなが勇気をもらえたり、何か進められるきっかけになればいい」と第一人者としての思いも込めた。

 来季は連覇がかかる26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪のプレイヤーとなる。ノルウェー・トロンハイムでの世界選手権も控える。短いオフを過ごし、夏場のサマージャンプへ体を作り直す。「すごく楽しみです。来季もまずは、1勝を目指して。五輪という空気感が特別なので楽しみです」。プロ2年目を迎える27歳のビッグチャレンジは続いていく。