「軍団」が金メダル獲得への強調ワードだ。パリオリンピック(五輪)に向けたバスケットボール女子日本代表の第1次強化合宿が7日、都内で公開され、恩塚亨監督(44)は「前回(五輪最終予選)は割と『走り勝つシューター』という部分がフォーカスされたと…

「軍団」が金メダル獲得への強調ワードだ。パリオリンピック(五輪)に向けたバスケットボール女子日本代表の第1次強化合宿が7日、都内で公開され、恩塚亨監督(44)は「前回(五輪最終予選)は割と『走り勝つシューター』という部分がフォーカスされたと思う。今回は『軍団』というところを選手たちにも話している」と説明。「高い能力を持つ選手たちが力を合わせることで勢いと流れがつくられる」とし「相乗効果が生まれる。勝つためのカギは総力戦」と語った。

前日6日から始まった同合宿は10日まで行われる。現在の日本代表候補は23人。パリ切符をつかんだ五輪最終戦に続き、本番に向けたメンバー選考でも「走り勝つシューター軍団」のコンセプトに変わりはない。大粒の汗を流す選手の姿を見つめながら、さらなる「軍団」化を求めた。

長年日本をけん引してきた渡嘉敷来夢(ENEOS)は五輪最終予選に続いてメンバーから外れた。この件について指揮官は「個人名を出すことは避けたい」と強調。そのうえで「自分たちの強みを最大化するっていうのが、私たちのコンセプト。それに沿って選考している」と説明した。

今合宿終了後も招集を重ね、6月20、21日には札幌でオーストラリア(世界ランク3位)と強化試合を実施。本番までに計10試合前後を消化するプランだ。目標の金メダル獲得へ突き進む。【奥岡幹浩】

○…神聖なるパワーも味方につける。趣味は神社仏閣巡りという恩塚監督は、ゴールデンウイーク中にも「気持ちを払うために」明治神宮を参拝した。自チームの分析だけでなく、パリ五輪1次リーグで対戦する米国などの対策にも日々時間を費やすなかで、「バスケのことばかりを考えていると、煮つまってしまう。生みの苦しみのようなことが出てきたときには、森を歩いて、頭や心を整えて、また考え直す」。体を清め、すっきりした表情で戦う。

○…格闘技好きの高田が、前日のボクシング井上尚弥の快勝劇に活力を受けた。自身は空手経験もあり、「感動した。ずっと応援してきた選手。大観衆の前で勝ち続け、日本人で誰も成し遂げてないことをやっている。刺激を受けたというよりは、本当に感動した」と笑顔で話した。6月の札幌で強化試合に向けても「貴重な国際試合。本番へ向けて自信を積み重ねていきたい」と見据えた。