シーホース三河は5月4日(土)、5日(日)、ホームのウィングアリーナ刈谷で中地区王者・三遠ネオフェニックスとの“三河ダービー”を行った。Game1、前節負傷したPG久保田を欠く中、長野が12得点10アシスト5リバウ…

 シーホース三河は5月4日(土)、5日(日)、ホームのウィングアリーナ刈谷で中地区王者・三遠ネオフェニックスとの“三河ダービー”を行った。

Game1、前節負傷したPG久保田を欠く中、長野が12得点10アシスト5リバウンドと攻守でチームを牽引。後半は石井を中心に強度の高いディフェンスで23失点に抑え、CSに向けて負けられない一戦を17点差で快勝した。

迎えたGame2、チャンピオンシップ出場をかけた大一番は序盤から拮抗した展開が続く。インサイドを起点にする三遠に対してファウルトラブルに陥るが、終盤まで強度の高いチームディフェンスで対抗し7点差で勝利、3年ぶり4回目のCS出場権を獲得した。

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―試合結果―
2024年5月4日(土)
三河 〇 91 – 74 ● 三遠
(三河通算成績 35勝24敗)

1Q 三河 24–28 三遠

立ち上がりから激しい点の取り合いに

スターティング5は、#0オーガスト、#7長野、#10レイマン、#19西田(優)、#43イ。

三遠#0ラベナのフリースローなどで0-6と先手を取られる。#7長野のタッチダウンパスから#19西田(優)がレイアップを決めるが、三遠#0ラベナに3Pシュートを決め返される。

#7長野が絶妙なパスで#32シェーファーのゴール下の合わせ、#19西田(優)のフリースロー、#0オーガストのゴール下をお膳立てして追走するが、三遠のアウトサイドシュートを止められず、8-16とリードを広げられる。

#10レイマンの3Pシュートで食らいつき、#7長野がオフェンスファウルを誘発して流れを引き寄せると、#54ガードナーがゴール下で加点。残り3分半に#32シェーファーのボーナススローで15-18のワンポゼッション差に詰め寄る。

三遠#23ダジンスキーに2本の3Pシュートを含む8点を稼がれるが、#7長野の3Pシュート、#54ガードナーと#0オーガストの豪快なアリウープ、#7長野のドライブから#32シェーファーがダンクを叩き込んで一歩も引かない。24-28の4点ビハインドで1Qを終える。

2Q 三河 53–51 三遠 (三河 29–23 三遠)

突き放されても粘り強く食らいつき、終盤に逆転に成功

スタートは、#0オーガスト、#18角野、#32シェーファー、#43イ、#54ガードナー。

三遠#23ダジンスキーに先制されると、その直後にもターンオーバーから失点。開始1分半に、#4クラークの3Pシュートで26-35とリードを9点に拡大される。

#54ガードナーがリバウンドで奮起するが、三遠#5大浦の連続得点でさらに点差を二桁に広げられる。

#19西田(優)の3Pシュートで踏みとどまり、ファストブレイクから#0オーガストがダンクを叩きこんで6点差に追い上げる。三遠はタイムアウトを取るが、#0オーガストと#7長野のアタックで追い上げ、4点ビハインドでオフィシャルタイムアウトを迎えた。

その後も三遠に突き放されては、三河が#19西田(優)の3Pシュートや#54ガードナーのバスケットカウントなどで粘り強く追随する展開が続く。

残り2分、#7長野のディフェンスリバウンドから立て続けにファストブレイクを繰り出して48-48の同点に追いつく。

三遠はタイムアウトで流れを切ろうとするが、大きなディフェンスコールの後押しを受け、オールコートディフェンスで相手のミスを誘い#54ガードナーがゴール下を決めて50-48と逆転する。すぐに三遠#23 ダジンスキーに3Pシュートで返されるが、#19西田(優)の3Pシュートを決め返して再逆転。2点リードで試合を折り返す。

3Q 三河 71–66 三遠 (三河 18–15 三遠)

ディフェンスから流れを呼び込み、5点リードで最終Qへ

スタートは、#0オーガスト、#7長野、#10レイマン、#19西田(優)、#43イ。

三遠#14金丸の連続3Pシュートで出鼻をくじかれるが、#0オーガスト、#10レイマンのドライブで応戦する。

#7長野がリバウンドに飛び込んで得たポゼッションから#43イが3Pシュート射抜いて60-59と逆転すると、#19西田(優)も3Pシュートで続く。さらに#7長野と#0オーガストのホットラインが開通。#19西田(優)のボールプッシュから#10レイマンがダンクでフィニッシュして、67-63とリードを4点に広げる。

三遠はタイムアウトを取るが、ディフェンスのギアを上げて24秒バイオレーションを誘発。その後も三遠のファストブレイクをハリーバックして阻止するなどディフェンスで我慢してリードを保ち、残り1分半に#10レイマンの連続得点でリードを5点リードに広げて最終Qへ突入した。

4Q 三河 91–74 三遠 (三河 20–8 三遠)

石井を中心に強度の高いディフェンスで8失点に抑え、17点差で快勝

スタートは、#0オーガスト、#18角野、#27石井、#43イ、#54ガードナー。

#27石井のキックアウトから#54ガードナーが3Pシュートを射抜いて8点のリードを作る。

#27石井がオフェンスファウルを誘発するなど、強度の高いチームディフェンスで約7分半に渡って三遠に得点を与えず、#43イの連続得点で78-68と二桁リードを作る。さらに#19西田(優)が果敢にアタックし、そのリバウンドを#0オーガストが押し込んで12点差でオフィシャルタイムアウトに入る。

#7長野の連続3Pシュートで86-68と18点のリードを築く。三遠は#1メイテンが意地を見せるが、時間を使いながら、残り35秒に#27石井が3Pシュートを決める。最終スコア91-74で、CSに向けて落とせない一戦を快勝した。

シーホース三河 ヘッドコーチ ライアン・リッチマン  試合後コメント

試合の入りのディフェンスは決して良いものではありませんでした。

しかし、オフェンスで我慢することができましたし、後半にかけて自分たちのディフェンスを取り戻す事ができたと思います。特に、後半のディフェンスはシーズンの中でもベストなものだったと思います。

ただ、改善点はあるので映像を観て調整したいと思います。三遠さんはタレントのある選手・素晴らしいコーチのいる素晴らしいチームだということは分かっています。今日より明日良くしなければ、明日の勝利はありませんので、しっかり備えたいと思います。

-4/28(日)佐賀戦の敗戦後、気持ちの切り替えが難しかったように思うのですが、この1週間でマインドをどのように調整しましたか。
自分たちが良い練習をして備えるだけだと思っていたので、それほど難しいことではないと思っていました。常々掲げている、「改善~1日1%を良くしていく。」というのは何ら変わらないと思っていました。1勝1敗で一喜一憂することはありません。

それは明日も同じで、今日の勝利では何もなし得ていません。例えば、明日軽い気持ちで準備なく会場に来たとしても、勝利することはできません。今日よりも良い、ハードなプレーをしなければ勝利することはできません。それと同じです。

―試合結果―
2024年5月5日(日)
三河 〇 79 – 72 ● 三遠
(三河通算成績 36勝24敗)

1Q 三河 22–17 三遠

ハードなディフェンスで流れを変え5点リードを奪う

スターティング5は、#0オーガスト、#7長野、#19西田(優)、#43イ、#54ガードナー。

両ファン・ブースターの熱気で溢れ返る中、三遠#1メイテンのインサイドで先制される。#54ガードナーが3Pシュートを返上するが、三遠#5大浦のアタック、#14金丸の3Pシュートで3-7とリードされる。

三遠のインサイドを中心としたオフェンスに苦しむが、#54ガードナーが個人技で対抗し踏み止まる。残り4分半、#10レイマンのブロックショットが炸裂すると、#43イのドライブで加点。さらには#19西田(優)とのコンビプレーから#32シェーファーが得点し、12-15とワンポゼッション差に迫る。

途中交代の#27石井が激しいディフェンスからスティールし、一気に流れを引き寄せると#7長野が3Pシュートを射抜き17-15と逆転に成功する。三遠は#0ラベナのカットインで対抗するが、#0オーガスト、#10 レイマンが得点を重ね22-17とリードを広げ1Qを終える。

 

2Q 三河 42–39 三遠 (三河 20–22 三遠)

イが9得点の活躍でチームを牽引

スタートは、#0オーガスト、#7長野、#10レイマン、#27石井、#32シェーファー。

アーリーオフェンスから#10レイマンが3Pシュートを沈め先制する。インサイドを徹底して攻める三遠に対して、#54ガードナー、#43イが個人技で打開する。

#0オーガストのスティールからファストブレイクを展開し、#10レイマンが豪快なダンクを炸裂させると、残り3分に#19西田(優)がドライブで加点、さらには#43イもファストブレイクで応戦し、35-28とリードを拡大する。

三遠は#1メイテンの個人技で対抗するも、#43イが鋭いドライブからバスケットカウントを獲得し主導権を譲らない。終盤、三遠の多彩なオフェンスを止められず40-39と1点差に迫られる中、ラストプレーで#43イがドライブで加点し、42-39とリードを守る。

3Q 三河 56–52 三遠 (三河 14–13 三遠)

ファウルトラブルが相次ぐ中、チームディフェンスで対抗

スタートは、#0オーガスト、#7長野、#19西田(優)、#43イ、#54ガードナー。

三遠#14金丸の3Pシュートで試合を振り出しに戻されるが、#43イが冷静にジャンプシュートを沈め逆転を許さない。ワンポゼッション差をめぐる激しい攻防が繰り広げられる中、#54ガードナー、#0オーガストのファウルがかさみ苦しい時間が続く。

残り4分、ファン・ブースターが大ブーイングを浴びせ三遠#1メイテンにフリースローを落とさせると、#43イが鋭いアタックから得点を重ねる。三遠も#29細川の3Pシュートで喰らいつくが、#54ガードナーがパワープレイで対抗し流れを譲らない。

インサイドを強調する三遠に対し、終盤まで徹底してチームディフェンスを遂行。簡単にはインサイドでの得点を与えず56-52で4Qを迎える。

 

4Q 三河 79–72 三遠 (三河 23–20 三遠)

“大青援”を後押しに流れを掴み切りCS出場権獲得

スタートは、#0オーガスト、#7長野、#10レイマン、#27石井、#32シェーファー。

#10レイマンの3Pシュートで先制すると、ファストブレイクから#0オーガストの豪快なダンクが炸裂し、会場が大熱狂に包まれる。ファン・ブースターの”大青援”に後押しされる中、#10レイマンが3Pシュートを射抜き64-54と一気に突き放す。

三遠#1メイテン、#24佐々木に一挙6得点を重ねられるが、#0オーガストのダンク、#10レイマンのブロックショットで立て直す。残り3分半、#7長野がフリースローで加点するとディフェンスでも躍動し、三遠のオフェンスファウルを誘発。さらには#10レイマンもドライブで得点を重ね73-64と再びリードを拡大する。

三遠のタイムアウト明け、三遠#5大浦、#0ラベナの連続得点で1点差に迫られるが#54ガードナーのパワーアタックで突き放す。残り47秒には#54ガードナーの気迫あるブロックショットが炸裂するなど、反撃の糸口を与えない。最後まで徹底してチームディフェンスを遂行し79-72で勝利、CS出場権を獲得した。

シーホース三河 ヘッドコーチ ライアン・リッチマン  試合後コメント

本当に長い「ずっと試合をしているような」ゲームでした。本当に本当に、ハードな試合でした。

今節は2試合とも勝利しなければならないという状況は、理解して臨んでいました。しっかり理解した中で、三遠さんという素晴らしいチームに2連勝するということは、決して容易ではありません。その中でファウルトラブルも含め厳しい状況の中でも逃げることなく、最後までハードに戦い続けた選手・スタッフたちを心から誇りに思います。

-チャンピオンシップ出場に向けて、改めて地域の方、ファン・ブースターへメッセージをお願いします。
まず最初にお伝えしたいのは、本日勝利してチャンピオンシップ出場を果たすことができたという結果は、間違いなくファン・ブースターの皆さまの存在がなくては、なし得なかったということです。勝っているときも負けているときも、ホーム・アウェーに関わらず多くの方が足を運んでいただき青援を送ってくれたことが自分たちの力になりました。

また、本日の試合会場を見てていただいても、小さいお子さんから大人まで喜んで、楽しんでいただけたと思います。我々が三河でバスケットボールをしている理由の1つは、こういった経験・体験をしてもらうことだと考えています。

これからのチャンピオンシップ、一緒に戦っていただきたいと思います。チャンピオンシップはこれまでの戦績は関係なくゼロからの戦いとなり、自分たちにとって新しいチャレンジになります。世界一のファンの皆さんにサポートしていただきながら戦い抜きたいと思います。

 

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