ヘイニー戦でガルシアが見せた“蛮行”が波紋を広げている。(C)Getty Images 前代未聞の騒動が波紋を広げている。 現地時間5月1日、去る4月20日に行われた王者デビン・ヘイニー(米国)とのWBC世界スーパーライト級タイトル…

ヘイニー戦でガルシアが見せた“蛮行”が波紋を広げている。(C)Getty Images

 前代未聞の騒動が波紋を広げている。

 現地時間5月1日、去る4月20日に行われた王者デビン・ヘイニー(米国)とのWBC世界スーパーライト級タイトルマッチで勝利した挑戦者ライアン・ガルシア(米国)が、前日計量で判明していた体重超過に加えて、ドーピング検査でも陽性反応が出ていたと報じられたのだ。

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 かつて若手のホープとされた名手の度重なる“愚行”が物議を醸している。

 前日計量でリミット140ポンド(63.50キロ)を3.2ポンド(約1.45キロ)も上回る体重超過を犯していたガルシアは、試合でヘイニーを圧倒。3度のダウンを奪うなど、判定(112-112、114-110、115-109)の末に勝利を収めていた。

 試合後に「何でもやったよ。毎晩飲んだ。月曜も、火曜も、出かけて、飲みに飲んだ。それでどうなった? 勝ったんだ」と悪びれず、ただでさえ反感を買っていたガルシア。そうしたなかで、新たな問題が明るみになった。

 詳報を伝えた米スポーツ専門局『ESPN』のマイク・コッピンジャー記者は、厳格な薬物検査を実施することで知られるVADA(ボランティア・アンチ・ドーピング協会)の文書として、ガルシアからヘイニー戦の当日と試合前日に「PEDオスタリン陽性と判定されていた」と報道した。

 報道直後にガルシアは自身のXで「俺がトランプ(元米大統領)と一緒にいたからだ。クソみたいなフェイクニュースだ」と断言。さらに「俺がズルをしていないことはみんな知っているだろ。これ以上になんて言えばいいんだ? だったらなんで試合前に言わなかったんだ?」と強調。一貫して自らの潔白を訴え続けた。

 ただ、VADAの声明も出されたことで、ガルシアに対するハレーションは広まっている。

 ボクシング界で「皇帝」の異名を持つ元世界ライト級3団体統一王者のジョージ・カンボソスJr.(豪州)は、米ボクシング専門メディア『Fight Hype』のショーン・ジッテル記者のYouTubeチャンネルで「3ポンドも重い体重でやってきた時点であらゆるアドバンテージがある。さらに陽性反応が真実であるなら、より悪い印象を与える。最悪の行為だ」と断言。そして、こう怒りを露わにしている。

「俺は戦士だ。だから常にやるか、やられるかの覚悟はしている。だが、そこに不正な強化が加わると、ボクシングに対する印象も悪くなる。命を賭けるファイターからすると、それは犯罪行為だ。悪質で、最低なんだ」

 今後、ガルシアに対していかなる処分が下されるかは定かになっていない。一部では永久追放の可能性も囁かれている25歳の動静は不透明なままだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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