2イニングを完璧に投げ抜いた上沢。「結果」が求められるデビュー戦で上々のスタートを切った。(C)Getty Images  堂々たるデビューだ。現地時間5月2日に本拠地フェンウェイ・パークで行われたジャイアンツ戦に、レ…

 

2イニングを完璧に投げ抜いた上沢。「結果」が求められるデビュー戦で上々のスタートを切った。(C)Getty Images

 

 堂々たるデビューだ。現地時間5月2日に本拠地フェンウェイ・パークで行われたジャイアンツ戦に、レッドソックスの上沢直之が5番手として登板。2回(19球)を投げ、“完璧救援”とアピールに成功した。

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 チームが1-3とビハインドを背負った8回からのマウンドに立った上沢は、先頭打者のホルヘ・ソレアを三邪飛に切って取ると、続くウィルマー・フローレスを三飛に仕留める。これで勢いに乗った背番号39は巧打者マイケル・コンフォートからメジャー初奪三振をマークした。

 9回も続投した上沢は小気味いい投球を続け、相手主砲マット・チャップマンを含む打者3人を内野ゴロに切って取った。この日は投じた19球のうち14球がストライクという安定感抜群の内容。試合後にレッドソックスも「メジャーデビュー戦で2回以上投げた日本人投手で、1人の走者を出さなかったのは史上初」と公表。まさに歴史的なマウンドとなった。

 思えば、メジャーへの道のりは険しいものだった。昨オフに日本ハムからポスティングシステムによるメジャー移籍を公言した上沢は1月にレイズとマイナー契約を結び、招待選手としてメジャーキャンプに参加する。がしかし、オープン戦では4試合で0勝1敗、防御率13.03と結果を残せず……。チームから3A降格を言い渡された。

 直後に上沢は譲渡条項というオプションを行使。ここで手を上げたのが、先発投手に故障者が相次いでいたレッドソックスだった。

 移籍後は3Aで調整登板を続け、現地時間4月27日にメジャー昇格。あれよあれよと鮮烈なデビュー登板まで果たした。

 安定感を感じさせる内容を見せた30歳の日本人には、地元メディアの評価も上々だ。スポーツ専門局『NESN』は「ジャイアンツに敗れたレッドソックスにおいて目立った活躍をする選手は少なかった。だが、ウワサワが頭角を現したのは確かだ」と強調。

 さらに「彼はストライクを投げられるピッチャーで、メジャーリーガーだ。今日は試合を抑える良い仕事をしてくれた」というアレックス・コーラ監督のコメントを紹介したうえで、「30歳の新人は指揮官の期待通りの結果を出した」と評した。

 今後は先発ローテーションの一角に食い込んでいくことも考えられるが、限られたチャンスをいかにものにできるか。30歳の“ルーキー”から目が離せない。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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