<ダイヤモンドバックス0-8ドジャース>◇1日(日本時間2日)◇チェースフィールド【フェニックス(米アリゾナ州)1日(日本時間2日)=四竈衛】ドジャース山本由伸投手(25)が、ダイヤモンドバックス戦に先発し、6回無失点の好投で今季3勝目(1…

<ダイヤモンドバックス0-8ドジャース>◇1日(日本時間2日)◇チェースフィールド

【フェニックス(米アリゾナ州)1日(日本時間2日)=四竈衛】ドジャース山本由伸投手(25)が、ダイヤモンドバックス戦に先発し、6回無失点の好投で今季3勝目(1敗)を挙げた。15イニング連続無失点と本調子を取り戻し、防御率も2・91と良化。この日は、タイガース前田健太投手(36)が6回1失点で今季初勝利。カブス今永昇太投手(30)は7回無失点で無傷の5連勝と、日本人の先発投手3人が史上初めて「同日勝利」の快挙となった。

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全米各地で好投した先輩の前田、今永に続き、アリゾナで白星を手にした山本は、まるで人ごとのように言った。日本人メジャーで先発3投手の「同日白星」は史上初。「そうなんですか。すごいっスね。日本のファンの方にとっては、すごくハッピーなことかなと思います」。昨季のリーグ覇者、ダ軍相手に6回無失点の快投を演じた張本人とは思えないほど、軽い口調で笑った。

1年目ながら、投手史上最高額となる12年総額3億2500万ドル(約463億円=当時レート)の契約を結んだ重圧を、周囲には感じさせない。韓国でのデビュー戦で1回KOされ周囲から雑音が聞こえても、やるべきことがブレることはなかった。独自のやり投げトレ、約100メートルの遠投、ブルペンでのシャドー投球…。3年連続沢村賞に裏付けされた自信は米国でも揺らぐことなく、頑固とも言えるほど、マイペースで次の試合へ備えてきた。

開幕以来、「感覚の不一致」を修正することに腐心してきた。硬いマウンド、滑る球への対応は、頭では理解していても、無意識のうちに日本時代との間にズレが生じていた。「上半身に力を入れても、いい球が行くとは限らない。バランスというか、下半身から徐々に力を入れて…」。極力脱力した状態から始動し、リリースポイントで最大限のパワーを生み出すフォーム。身長178センチとメジャーの投手としては小柄な山本にとって、投球のメカニズムを安定させることこそ、長期契約を全うするうえでの生命線だった。そのズレが「明確に、いい感覚」として修正されてきた。

過去数試合の好結果の要因を問われ「慣れてきた」「変わったことはない」「いつも通り」と、とシンプルな言葉で表現した。首都ワシントン、隣国トロントと続いた初遠征でも、観光名所のホワイトハウス、有名博物館などに目をくれることなく、睡眠最優先で体調管理に努めた。先輩の大谷に負けず劣らず、超マイペースの野球少年。今後、大谷の援護が加われば、山本の勝ち星が伸び続けることは間違いない。