大相撲夏場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けた横綱審議委員会(横審)による稽古総見が2日、両国国技館で行われた。関取としては初参加となった新三役の小結大の里(23=二所ノ関)は、三役以上の申し合いで3人の大関を相手に3勝3敗。三役以下…

大相撲夏場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けた横綱審議委員会(横審)による稽古総見が2日、両国国技館で行われた。関取としては初参加となった新三役の小結大の里(23=二所ノ関)は、三役以上の申し合いで3人の大関を相手に3勝3敗。三役以下の関取衆の申し合いも五分で、計10番で5勝5敗だった。

三役以上の申し合いは、開始から大関同士が入れ替わりで土俵に上がる流れだったが、霧島に指名されて土俵に上がると、右上手を引きつけて寄り切った。次に自身が豊昇龍を指名。土俵際の際どい勝負を制すると、豊昇龍から「もう一丁」との声を懸けられ、さらに2番取ったが、これは連敗した。その後、再び霧島に指名されると、押し出しでまたも霧島を破った。だが自身が指名した、琴桜には押し出されて3勝3敗となった。

大の里は「充実した稽古ができた。上の人と相撲を取りたかったので、指名されて、たくさん取ることができたのはよかった。自信にもなった。勝てたし、力が通用した」と、堂々と話した。三役以上の申し合いは、三役未満の力士は土俵周りに立つこともできない状態。それだけに「感じるものがあった。あらためて、三役に上がったんだなという実感があった」と、4月30日の新三役会見で初めて、まげを結ったばかりだけに、初々しく話した。

その新三役会見では、小結は序盤戦で横綱、大関戦を迎えることが多いだけに、序盤戦5日間で、いかに白星を積み重ねられるかをカギとして挙げていた。3月31日から約1カ月間に及んだ春巡業期間中は、一緒に相撲を取る稽古を行う機会に恵まれなかっただけに「(雰囲気に)のみ込まれることなく、自分の稽古ができた。まだまだですが、時間はたくさんある。しっかり準備して、今日(稽古総見)の映像も見て、修正したい」と、残り10日間で、さらなる仕上がりを目指す決意を語った。【高田文太】