クロフォード(右)やカネロ(左)といった猛者たちよりも井上は「特別」と評された。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext  井上尚弥(大橋)は世界的な声価を改め…

 

クロフォード(右)やカネロ(左)といった猛者たちよりも井上は「特別」と評された。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 

 井上尚弥(大橋)は世界的な声価を改めて高めている。

 現地時間4月28日、英紙『The Independent』は、ボクシングのパウンド・フォー・パウンド(PFP)を独自に選出。世界各国の名だたる名手たちの中で、井上を堂々の1位に厳選した。

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 全17階級あるファイターたちの実力を比較し、体重差がなかった場合の最強選手を格付けするPFP。格闘技界において各選手たちを評価するうえでの一つの指標となる同ランクを選んだ『The Independent』は、20戦無敗(20KO)のライトヘビー級王者アルトゥール・ベテルビエフ(カナダ/7位)やスーパーミドル級4団体統一王者サウル・“カネロ”・アルバレス(メキシコ/4位)、40戦無敗のウェルター級統一王者テレンス・クロフォード(米国/2位)など世界的な名手たちを次々とリストアップした。

 昨年7月にエロール・スペンスJr.(米国)とのタイトルマッチで9回TKOで圧勝し、史上初の2階級での4団体統一王者となったクロフォードを紹介する文末に、「このリストの最後に記した名前との間には、ほとんど何も差はない」と記した同紙が熟考の末に1位としたのが井上だった。

 豪華絢爛なランクのトップに井上を据えた同紙は、「カジュアルなファンにはあまり知られていないが、その知名度の低さとは裏腹に実力は申し分ない」と絶賛。「このリスト中でもイノウエは最高水準のKO率を誇っており、楽々とリングを駆け回る回避能力、残忍なボディアタック、恐ろしいレベルの出力を持つ。観る者をエキサイティングにさせる唯一無二のアスリートである」と強調した。

 また、昨年1月のスーパーバンタム転級後にスティーブン・フルトン(米国)、マーロン・タパレス(フィリピン)という王者をなぎ倒し、史上最速で2階級での4団体統一を果たした実力を、次のように評している。

「フルトンにプロ初黒星をつけ、自身の4階級制覇の世界王者となり、No.1の座をさらに不動のものとしたイノウエは、その後に東京でタパレスを圧倒的なパフォーマンスで下して2階級での4団体統一を達成。『史上最高』と呼んでも過言ではない歴史的な名手であり、試合を重ねるごとに遺産を増やしている特別なファイターである」

 いまや当たり前のように「世界一」と評される井上。そうした世界中から日夜集まる称賛を噛みしめながら、5月6日に東京ドームで行われるルイス・ネリ(メキシコ)との“特別な防衛戦”を見守りたい。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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