神村学園は9回2死から同点、延長12回に3点勝ち越すも涙 第99回全国高等学校野球選手権大会は18日、大会第10日が行われ、第3試合は明豊(大分)が神村学園(鹿児島)を延長12回の死闘の末に9-8で破り、8年ぶり3度目の準々決勝進出を決めた…

神村学園は9回2死から同点、延長12回に3点勝ち越すも涙

 第99回全国高等学校野球選手権大会は18日、大会第10日が行われ、第3試合は明豊(大分)が神村学園(鹿児島)を延長12回の死闘の末に9-8で破り、8年ぶり3度目の準々決勝進出を決めた。3点リードの9回2死から同点に追いつかれ、延長12回に3点を勝ち越されたが、直後に打線がつながり一気に同点。最後は押し出し四球でサヨナラ勝ちという幕切れを迎えた。

 九州対決となった第3試合。序盤、試合の主導権は、終始明豊が握り続けた。0-0で迎えた3回裏、投安と四球、送りバントで1死二、三塁の好機を作ると、3番・浜田が右翼へ二塁打を運び、2点先制に成功する。さらに5回裏の1死で打席に立った浜田は、2回戦の坂井戦に続く2試合連続ホームランを左翼席へ。3-1で迎えた7回には、1死一、二塁から4番・杉園が右翼へタイムリーを運ぶと、さらに2点を追加した。

 先発マウンドに上がった佐藤楓は、5回まで毎回安打を許したが無失点。6回に味方失策から1点を失い、8回には1死からこの日初めての連打を許し、2点目を追加されたが、落ち着いたマウンド捌きで9回2死まで持ち込んだ。だが、ここからドラマが始まった。

 春の県大会から公式戦は無敗を誇っていた神村学園は、3点を追う9回2死二塁から反撃に出る。まずは代打・南川の二塁内野安打で1点を返すと、続く後藤が中前打で一、二塁。ここで2番・羽月が右翼へ三塁打を放ち、2者が生還して一気に同点に追いついた。

 9回裏、神村学園の3番手・金城は走者を二塁に進めながらも無失点に抑え、勝負は延長戦に突入した。

 延長10回、11回と神村学園の3番手・金城、明豊の2番手・溝上が好投し、スコアボードに0を並べたが、12回表に再び試合が動いた。

 神村学園は1死から内野安打と2四死球などで2死満塁とすると、後藤が打った投手内野安打を溝上が悪送球。この間に走者3人が生還して、一気に3点勝ち越しに成功する。

 だが、明豊も12回2死から食らいつく。松谷と吉村の2連打で一、二塁。代打の三好が四球を選んで満塁とすると、暴投で1点を返す。なおも2死二、三塁から管が左翼へ2点タイムリーを放ち、土壇場で同点に追いついた。2死一塁から投手強襲の安打と四球で再び満塁とすると、3番・浜田がフルカウントから四球を選び、押し出しでサヨナラ勝利をもぎ取った。

 双方一歩も譲らぬ戦いを繰り広げた両校には、スタンドから惜しみない拍手が送られた。(Full-Count編集部)