今週は京都競馬場で天皇賞・春(芝3200m)が行われる。今年は菊花賞上位馬2頭+阪神大賞典勝ち馬テーオーロイヤルの3強ムード。前年の本レース好走馬も虎視眈々と巻き返しを狙う一戦だ。 ここでは、過去10年から京都開催の2012~20、23年を…

今週は京都競馬場で天皇賞・春(芝3200m)が行われる。今年は菊花賞上位馬2頭+阪神大賞典勝ち馬テーオーロイヤルの3強ムード。前年の本レース好走馬も虎視眈々と巻き返しを狙う一戦だ。

ここでは、過去10年から京都開催の2012~20、23年をピックアップ。タスティエーラとブローザホーンにフォーカスしたデータを取り上げる。

◆【天皇賞春2024予想/データ攻略】前走重賞2着馬2頭に“ヤバすぎる明暗” 「枠関係なく消し」が浮上してしまう人気一角は

■タスティエーラに「2.2.0.1」の好材料

3歳時は皐月賞、日本ダービー、菊花賞と三冠すべてで連対を確保。世代トップグループの1頭として存在感をアピールしているのがタスティエーラだ。古馬として臨んだ前走大阪杯は1番人気11着とまさかの凡走。菊花賞で0秒6差をつけられたドゥレッツァとの力関係も含め不安は尽きないが、最大にして最強の買い材料となるのがこちらのデータだ。

・J.モレイラ騎手の関西圏GI成績【2.2.0.1】

この条件での馬券内率は80%。特筆すべきはその内訳で、エリザベス女王杯のリスグラシュー、桜花賞のステレンボッシュ、菊花賞のタスティエーラ、マイルCSのソウルラッシュと馬券内該当馬はすべて2~3番人気。1番人気馬の騎乗機会ゼロでこの数字は“異常”と言えるものだ。

J.モレイラについて補足すると、今年騎乗したJRA重賞では【3.1.0.0】。こちらもバグッているレベルの成績だ。タスティエーラの父サトノクラウン、母父マンハッタンカフェはいずれも現役時代に京都芝外回りで2戦2勝と負け知らず。その血を受け継いだ本馬の一変は警戒すべきだろう。

■ブローザホーンにのしかかる【0.0.0.27】

その一方で、日経新春杯で初重賞制覇を成し遂げたブローザホーンにはマイナスデータがのしかかってしまう。自身初の3000m超となった前走阪神大賞典も3着と大崩れなし。今年のメンバーなら穴人気が予想される1頭だが、当時の着順にまつわるデータがこちら。

・前走阪神大賞典3着以下かつGI馬券内歴なし【0.0.0.27】

ビートブラックにカレンミロティック、ディープボンドなど前哨戦3着以下からの巻き返しが珍しくない本レース。ただ、好走馬を紐解くと過去にGIでの馬券内歴ありとの条件を満たしていた馬に限定されていた。GI好走の裏付けがない本馬にとって目を背けたくなるようなデータと言えよう。

3歳6月に未勝利を脱出したのち、トントン拍子でオープンクラスまで駆け上がったブローザホーン。だがその実は稍重~不良馬場での4勝にタフな冬の京都芝と、時計のかかる馬場をアドバンテージとしつつパフォーマンスを上げたとの見方もできそうだ。好天で高速馬場が予想される週末京都芝。前述のデータも含め、ベスト条件とは言い難い。

◆【天皇賞春2024予想】お役立ち馬券攻略ガイド/出走予定、追い切り、予想オッズetc.「ドゥレッツァら4歳世代は復権なるか」

◆【天皇賞春2024予想/追い切り診断】最高評価「S」はテーオーロイヤルかドゥレッツァか 体調面を考慮した「パターン変更」が吉と出る

◆【天皇賞春2024予想/追い切り診断】ドゥレッツァに迫る高評価は想定“10人気”以下の穴馬 「目下最高潮のデキ」で激走警報

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。