森山佳郎監督体制のベガルタ仙台は20日の清水エスパルス戦を2-3で落とし、今季2敗目を喫してしまった。前節時点では5位…
森山佳郎監督体制のベガルタ仙台は20日の清水エスパルス戦を2-3で落とし、今季2敗目を喫してしまった。前節時点では5位だった順位も暫定6位まで後退。ジェフユナイテッド千葉、レノファ山口、鹿児島ユナイテッドと対峙する大型連休の連戦に向け、さらなる立て直しが必要だろう。
ただ、朗報と言えるのは、散々だった清水戦の前半の反省を踏まえて、後半に若い集団が積極的に改善を図ったこと。沈黙していた中島元彦と相良竜之介がいい距離感で絡み合って反撃ののろしとなる1点目を叩き出したのがきっかけになったと言える。
そして森山監督が送り出した松井蓮之、真瀬拓海、鎌田大夢、エロン、オナイウ情滋といった交代カードがそれぞれチームを活性化。最終的には小出悠太のロングパスに反応したオナイウが蓮川壮大の背後を巧みに突き、鋭い切り返しから左足でゴールをゲット。あと一歩まで迫ったのだ。
「ずっと外で試合を見ている中で、ビハインドを返すために自分がピッチに立つチャンスがなかなか訪れないことにフラストレーションを感じていました。2試合続けてほとんど時間がないところで出されて、悔しい気持ちもありましたし、監督を後悔させてやりたいとも思った。短時間で結果を残せたのはよかったけど、『長い時間、使ってもいい』と思ってもらえるくらいの信頼を得ないといけない。そこは連取からまたやっていくしかないですね」とプロ2年目にしてようやく初ゴールを挙げた23歳の点取屋はギラギラ感を強く押し出していた。
■オナイウが語る森山効果
とはいえ、伊藤彰・堀孝史両監督からなかなかチャンスをもらえなかったオナイウにしてみれば、森山監督の背中を押してくれるアプローチは心強いようだ。
「ゴリさん1人1人にそうなんですけど、課題だと思うところは本当に口酸っぱく言ってくれる。今回、裏に抜けてゴールを決めましたけど、以前の自分はああやって抜けるシーンは少なかった。ひたすら『狙え』っていうのは本当に練習中、『ちょっとうるさいな』と思うくらい言ってくれるんで、かなり意識を植え付けられるし、ストロングな部分が身に着くようになりますね。
兄(オナイウ阿道=オセール)も、レノファ山口の時に一番FWとしてのポテンシャルを爆発させたと感じますけど、やっぱり霜田(正浩)監督から名指しで呼んでもらって、信頼できる監督の下でプレーしたことが大きかった。僕もゴリさんの下でそうなりたい。『ミスを恐れていたらダメだ』と言ってくれる監督のところでやれば、迷いなく思い切ってプレーできると思います」
■森山監督が求めるうまくて戦える選手
ポジティブなマインドを持っているのは彼だけではない。セレッソ大阪から2度目のレンタルに出ている中島も森山効果を実感する1人である。
「森山さんは『うまい選手は沢山いる』と。その中で戦える選手じゃないと評価されないし、そういう人間が上に行くってよく言っています。自分自身はある程度、サッカーできると思ってるけど、そのうえで、戦うこと、守備をすることの大事さを痛感しています。それを突き詰めることでもう1つ、上の選手になれるのかなとも感じる。今季はそこを意識して取り組めてますね」
彼らを筆頭に相良、松井、鎌田ら若手がグングン伸びていけば、悲願のJ1復帰も夢ではない。育成のスペシャリストの下でブレイクする人間が何人出てくるのか。今後の仙台の飛躍はそこに懸かっている。
(取材・文/元川悦子)