FC東京の日本代表DF長友佑都が19日、東京・小平市内で練習後に取材に応じ、今季限りでの現役引退を表明した元日本代表MF長谷部誠(フランクフルト)への思いを語った。 3学年上の先輩の決断に対し「ヨーロッパで、しかもドイツという難しいレベル…

 FC東京の日本代表DF長友佑都が19日、東京・小平市内で練習後に取材に応じ、今季限りでの現役引退を表明した元日本代表MF長谷部誠(フランクフルト)への思いを語った。

 3学年上の先輩の決断に対し「ヨーロッパで、しかもドイツという難しいレベルの高いリーグであの歳までやれたっていうのは尊敬でしかないです。自分がちょっとコンディションが落ちたり、うまくいかない時に年齢のせいにするんじゃなくて、長谷部さんは自分より上で、レベルの高いとこでやっているという自分の指標になり、自分のモチベーションとなってくれる存在だった。感謝したい」とかみしめた。

 日本代表でW杯は10年南アフリカ、14年ブラジル、18年ロシアと3大会で共闘した。「個人的にもうまくいかない時もハセさんの隣にいると心が整った。ネガティブな部分、心がザワついてる時にもハセさんが整えてくれた。存在だけでみんなの心を整えてくれるような存在だった」。長谷部の著書「心を整える。」に絡めて振り返った。

 日本代表で主将を務め、抜群のリーダーシップでチームをまとめた。長友は「ハセさんは言葉よりも背中で見せるタイプだった。外には出てないけど、いろんな怪我(けが)とかもありながらも、命をかけるというのは言い過ぎかもしれないけど、そのぐらい本当に日本代表にかけてた。その覚悟や信念は、僕はハセさん以上の選手は見たことない。サムライという感じはしないけど、ハセさんこそ真のサムライだなと思ってます。そういった部分でも僕のお手本です」と語った。

 年齢を重ねてもギラギラしたプレーを続ける姿に対し、長谷部から「ギラ友」の愛称で呼ばれるようになったという。「初めに言葉をかけるのが『ギラちゃん、元気か?』って。だから、そこだけはブレずに自分もどんな時もギラギラしておきたい。ハセさんに『お前、ギラギラ感なくなったな』と言われた時はもう終わりだなと思っていた。今でも会えば『ギラちゃん』って言ってくれるから、そういう自分も存在であり続けたい」と決意を口にした。

 長谷部は引退後もフランクフルトに残り、欧州で指導者を目指す。長友は「ヨーロッパで指導者、監督になれる日本人って今までいないですよね。ハセさんはそれだけの人望と経験、実績もあると思う。第2ステージも楽しみです」と大きな期待を寄せた。