水原容疑者に信頼を置いていた大谷も大きなショックを示した(C)Getty Images ドジャース・大谷翔平の元通訳、水原一平容疑者が、銀行詐欺罪で訴追された事件では未だに様々な余波が起きている。 今回の事件では大谷の口座から1600万ドル…

水原容疑者に信頼を置いていた大谷も大きなショックを示した(C)Getty Images

 ドジャース・大谷翔平の元通訳、水原一平容疑者が、銀行詐欺罪で訴追された事件では未だに様々な余波が起きている。

 今回の事件では大谷の口座から1600万ドル(約24億5000万円)もの多額資金を不正送金したとされている。また当初は水原容疑者が米『ESPN』の取材に「大谷が借金肩代わりを承諾した」「彼自身がパソコンを操作して送金した」という発言もあり、米メディアの間では、一時は大谷自身が賭博に関わっていたのではないかという意見も噴出するなど、大騒動となった。

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 実際は米ロサンゼルスの連邦地検の発表により、大谷の銀行口座に水原容疑者が”なりすまし”を行い、アクセスしていたこと、銀行員とのやりとりにも大谷のふりをして受け答えしていたことなどが明らかになってきた。

 水原容疑者は現地時間4月12日にカリフォルニア州の連邦地裁に出廷。保釈金2万5000ドル(約382万5000)での保釈が認められたが、パスポート返納、大谷との接触禁止、ギャンブル依存症などの治療義務が命じられた。 
 
 そしてこのたび公開された全37ページの訴状の中には違法賭博の胴元との詳細なやり取りも明らかになった。胴元に向けて同容疑者が信用枠を上げてもらうことを意味する「バンプ」を多用していることも判明。深刻なギャンブル依存症であったことも赤裸々になった。捜査当局も大谷を「完全な被害者」と”身の潔白”を主張している。

 一方、未だに一部メディアやSNS上では、訴状で明らかになった2人のやり取りでブックメーカーから水原容疑者に対し「cover job」という表現があることから代行する、隠ぺいするという意味で、まだ大谷側が何かを隠しているのではないかと疑惑の目を向ける向きもある。

 ただここにきて風向きは明らかに変わりつつある。

 米国を代表する有名スポーツライター、スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン氏は15日、米ポッドキャスト番組『The Rich Eisen SHow』に出演。「実際にギャンブルしたのは大谷で、水原は『いけにえ』にされた」との陰謀説を完全否定した。

 パッサン氏は今回の出来事では「壮大な陰謀説もささやかれている」と現在も水原容疑者を隠れみのとして、大谷主犯説が一部には残っていると指摘。

 訴状の内容に触れた上で「大谷と水原のメールのやりとりの中で、大谷がギャンブルに関して何かを知っていたとの痕跡は全くなかった」とコメント。

 その上で仮に大谷自身がギャンブルを行っていたという”陰謀”があるならばと仮定、「ドジャース、エンゼルス、連邦捜査当局、代理人、会計士、フィナンシャルアドバイザー、銀行。それらの全てが作り話の中で特定の役割を果たし、そろって世間をだまさなければならないことになる」と関わるすべての人が隠ぺいを行う必要があり、それは”無理筋”と断じた。

 さらにパッサン氏は今回の出来事において、厳しい目が向けられている代理人のネズ・バレロ氏、及び同氏が所属する大手代理人事務所『CAA』の体制にも言及。コミュニケーション不足が事態を悪化させたとして、大谷が親しい水原容疑者を専属通訳として雇いたいと申し入れてきても「7億ドルで契約する選手がいるのであれば、そこに追加のレイヤーが必要なことは分かるだろう」として、水原容疑者以外にも大谷と直接つながれる人物、パイプ役が必要だったという見解も示した。

 大谷に関しても「あれだけのお金が入ってくるような金融リテラシーを彼が持っていないと非難することはできる」としながらも、「証拠から彼をギャンブルで非難することはできない」と違法賭博への関わりに関してはあくまで潔白であると主張したパッサン氏。
 
 今後も大谷をめぐっては様々な意見が飛び交うことが予想されるが、すでに大谷自身は水原容疑者が出廷したことも受け「これで一区切り」と声明も発表、節目のメジャー通算175号を放つなど前を向き始めている。周囲の人々の支えを元に引き続き、躍動した姿を期待したいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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