アメリカ・シンシナティで開催されている「ウェスタン&サザン・オープン」(WTAプレミア5/8月14~20日/賞金総額283万6904ドル/ハードコート)の女子シングルス2回戦で、第9シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)が予選を勝ち上…

 アメリカ・シンシナティで開催されている「ウェスタン&サザン・オープン」(WTAプレミア5/8月14~20日/賞金総額283万6904ドル/ハードコート)の女子シングルス2回戦で、第9シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)が予選を勝ち上がったアシュリー・バーティ(オーストラリア)にフルセットの末に敗れるという波乱が起きた。

 世界ランク48位のバーティは第2セットを落としながらも奮起し、世界9位でウィンブルドン準優勝者のビーナスを6-3 2-6 6-2で倒す番狂わせに成功した。

 バーティはビーナスに勝つ前にトップ10プレーヤーと6度対戦したが、一度も勝ったことはなかった。

 ビーナスは37歳にして全豪オープンとウィンブルドンで決勝に進出し、今年、カムバックのシーズンを謳歌している。しかし、この日の彼女はトップ20に対し3勝13敗という戦績のプレーヤーに対し、暑さと湿気の中で次第に力を弱めていった。

「少し休みをとるわ」とビーナスは言った。「ただ休息をとって、それから力強くいく。それが私のプランよ」。

 ビーナスを倒したあと、バーティはシングルスでのキャリア最大の勝利にまだ高揚した状態で、ダブルスの試合に向かわなければならなかった。

「本当に、ビーナスと同じコートに立てること自体が栄誉だわ」とバーティは言った。「彼女は驚くべきチャンピオンであり、彼女がいまだ非常にいいプレーをし、いまだグランドスラムの決勝に進出しているというのは、本当にすごいことよ。彼女と同じコートに立ち、今日いいプレーをすることができて、本当にわくわくする出来事だったわ」。

 この水曜日は、いくつかの番狂わせがスター選手をさらに減少させた。女子のドローには、もともとセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、マリア・シャラポワ(ロシア)が欠けていた。

 そんな中、世界3位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)がエカテリーナ・マカロワ(ロシア)に4-6 6-1 6-7(11)で惜敗。マカロワが2時間39分の戦いに終止符を打つため、8度目のマッチポイントをものにしたのである。マカロワは今季の全仏でもケルバーを下す番狂わせを演じていた。

 第3セットでのケルバーは2-5の劣勢に立たされていたが、挽回して勝負をタイブレークにもち込み、そこで一度は8-7とリードした。しかし彼女は、試合をつかむための唯一のチャンスを無駄にしてしまった。

「第3セットは、本当にアップダウンの多いセットだった」とケルバーは振り返った。

 それに先立ち、第16シードのマディソン・キーズ(アメリカ)は今大会での4度目のトライで初めて3回戦に進出した。キーズはダリア・カサキナ(ロシア)を6-2 6-1で退けるのに、わずか50分しか必要としなかった。左前腕の故障で先週のロジャーズ・カップを棄権していた右利きのキーズは、次に第4シードでウィンブルドン・チャンピオンになったばかりのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)と対戦する。

「はっきりと、本当にいいプレーをしていると思ったわ」とキーズは言った。「ゾーン(邪念がまったくなくボールのみに集中でき、どんなプレーをしてもうまくいく状態)に入っていたかはわからないけど、本当にすべてがうまくいった。すべてが然るべき場所に落ち着き、私は何も急ぐ必要はなかったの」。

 キーズは湿気が高く気温も高いコンディションの中、試合を迅速に終えられたことを非常に喜んでいた。

「間違いなく、長いことコート上にいたくはなかったわね」と彼女は言った。「私はそう長いことプレーしてはいなかったけど、それでも汗だくになった。冷房の効いた室内に戻れてうれしかったわ」。

 3回戦に進んだそのほかのシード選手は、第1シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)、第5シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)、第6シードのカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)、第8シードのスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)、第11シードのドミニカ・チブルコバ(スロバキア)、第15シードのアナスタシア・セバストワ(ラトビア)だ。

 プリスコバはラッキールーザーのナタリア・ビクトリアンセワ(ロシア)を6-2 6-3で、スビトリーナはレシヤ・ツレンコ(ウクライナ)を6-1 6-4で、ウォズニアッキはエレナ・ベスニナ(ロシア)を6-2 6-4で下した。また、クズネツォワはユリア・プティンセバ(カザフスタン)を6-3 6-4で、セバストワはロベルタ・ビンチ(イタリア)を6-2 7-5で、いずれもストレートで破って勝ち上がった。

 予選勝者のカミラ・ジョルジ(イタリア)はダリア・ガブリロワ(ロシア)に7-6 (1) 5-7 6-3で競り勝ち、カルラ・スアレス ナバロ(スペイン)は予選を勝ち上がったアレクサンドラ・クルニッチ(セルビア)を6-2 6-2で退けて3回戦に駒を進めた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「ウェスタン&サザン・オープン」の2回戦で、エカテリーナ・マカロワ(ロシア)にフルセットの接戦で敗れた世界3位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)(写真◎Getty Images)

Photo: MASON, OH - AUGUST 16: Angelique Kerber of Germany walks to her chair between games while playing Ekaterina Makarova of Russia during day 5 of the Western & Southern Open at the Lindner Family Tennis Center on August 16, 2017 in Mason, Ohio. (Photo by Matthew Stockman/Getty Images)