敵なしの快進撃で瞬く間に世界的なボクサーとなった井上。その凄みをライバルも強調する。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext 周囲から「怪物」と評される圧倒的な強さと図抜けたカリスマ。老若男女問わず絶大なる…

敵なしの快進撃で瞬く間に世界的なボクサーとなった井上。その凄みをライバルも強調する。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 周囲から「怪物」と評される圧倒的な強さと図抜けたカリスマ。老若男女問わず絶大なる人気を博する井上尚弥(大橋)は、いまや“時代の寵児”となっている。

 無論、何よりも彼の声価を押し上げているのは、リング上での圧倒的な戦績に他ならない。プロキャリア26戦無敗23KOと敵なしの強さを誇る30歳は、バンタム級から転級してわずか1年の昨年12月にスーパーバンタム級を完全制覇。史上2人目となる2階級での4団体統一を達成した。

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 すでに4階級を制覇し、いまだ天井知らずで突き進んでいる。そんな井上の強さは、何よりも実際に対峙したライバルの言葉が物語る。

「もうスーパーバンタム級でも何かを証明する必要はない」

 そう語るのは、元WBOバンタム級王者のポール・バトラー(英国)だ。米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』の取材で惜しみにない賛辞を送っている。

 多くの選手たちがそうであるように、バトラーも井上と対戦する前は「イノウエには隙がある」と自信を口にしていた一人だった。22年12月にバンタム級の4団体統一を懸けて対戦した35歳の英国戦士だったが、結果は11回TKO負け。文字通りの惨敗だった。

 試合後に井上が「勝つ気があるのか」と苛立ちを隠さなかったほどの防戦一方を余儀なくされた。怪物を前に反撃をする術を失っていたバトラーは、当時を振り返りながら、進化を続ける日本人チャンプを褒めちぎる。

「ボディへのジャブで隙を突いてから頭までのギャップを生み、右腕の強烈な一打をドカンと叩き込むんだ。イノウエはその戦いなかで、彼のパワーがレベルアップしていることを証明している。それも小柄な選手たちだけを倒しているわけじゃない。彼は『上の階級でもできるのか?』という問いにも2度も答えているんだ」

 とことん打ちのめされた。だからこそ、バトラーの口にした井上に対する「評価」は説得力がある。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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