角田は見事10位入賞!母国でファンを大いに沸かせた(C)Getty Images

 地元・鈴鹿でもこの若武者が人々を魅了した。

 4月7日に行われたF1第4戦日本GPで角田裕毅(RB)が10位入賞を果たし、オーストラリアGPに続いてのポイント獲得となった。開幕から予選、決勝を通じて好調なパフォーマンスを披露していた23歳が、鈴鹿サーキットを埋め尽くした大観衆の期待に応える結果を残した。

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 予選では10番グリッドを獲得した角田は、赤旗による再スタートが行われた波乱のレースも巧みなチーム戦略、さらにアグレッシブな走りでポイントをもぎ取った。23周目には、14番手でタイヤ交換に向かうと、ケビン・マグヌッセン(ハース)、バルテリ・ボッタス(ステーク)ら順位を争っていた中団グループ4人も同時にピットイン。ここでRBチームの的確なピット作業により、いち早く角田はレースに復帰、11番手にポジションアップを果たしている。

 さらに34週目には、目の前の10位を走っていたニコ・ヒュルケンベルク(ハース)を、逆バンクで捕らえアウトからオーバーテイクに成功、コース上でも好バトルを展開した。

 その後は自己ベストを刻むなど、最後まで集中した走りを続け10位でチェッカーを受けた。上位はマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスのレッドブル勢が今季3度目の1-2フィニッシュを達成し、3位には後半から果敢に順位を上げたカルロス・サインツ(フェラーリ)と、常連ドライバーが並んだ。しかし、母国で初入賞を果たした角田も、主役の1人と言える存在感を放ち続けていた。

 欧州メディアでも、日本人ドライバーに対しさまざまな称賛の言葉が送られている。

 イギリスモータースポーツサイト『Autosport』では複数のジャーナリストによるレースの総括を伝えており、その中で、オレッグ・カプロフ氏は「ユウキ・ツノダに改めて脱帽した。『グループB』チームのドライバーが今年ポイントを獲得するには『完璧な週末』を過ごす必要があるとよく言われるが、ユウキは週末ごとにその成果をあげている」と評価。

 また、フィリップ・クリーレン氏からは、「サインツ、ツノダは大胆なオーバーテイクを披露し、このレースを退屈なものから救ってくれた。鈴鹿のような本格的なレーシング・サーキットに挑むドライバーたちを見ていると、いつまでたっても飽きることはない」として、両ドライバーがみせた攻めの姿勢を称えている。

 同じくイギリスニュースメディア『Mirror』では角田に対し、勝負の大きな分かれ目となったピットストップにフォーカス。「ツノダは、2人のライバルをオーバーテイクした重要なピットストップでのRBの仕事を高く評価した」と綴っており、ピットクルーへの角田本人のコメントを掲載。レース後に「大きなハイライトのひとつはピットストップだった」と語っていたことを紹介している。

 また同メディアでは他にも、チームメイトのダニエル・リカルドとの関係にも言及。「このレースでもツノダはリカルドを上回った」と記すなど、クラッシュで早々に姿を消した同僚と対照的な結果となったことも強調している。

 鈴鹿では2012年の小林可夢偉以来となる、日本人ドライバーのポイントゲットというリザルトを残した角田。シーズン序盤から結果を残していることで、その走りにはますます、世界中からの視線が注がれることになるだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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