クロフォードとのPFP争いを巡る議論が白熱している井上。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext  井上尚弥は、当代最強なのかどうか――。 この議論が白熱してい…

 

クロフォードとのPFP争いを巡る議論が白熱している井上。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 

 井上尚弥は、当代最強なのかどうか――。

 この議論が白熱している。昨年12月に井上がスーパーバンタム級の4団体統一王者となり、史上2人目となる2階級での4団体統一を果たして以来、「怪物」の異名を持つ日本人が現在のボクシング界でどこに格付けされるかは、さまざまに論じられてきた。

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 そうしたなかで、全17階級あるボクサーの実力を比較し、体重差がなかった場合の最強選手を格付けするパウンド・フォー・パウンド(PFP)において、井上が「2番手」と断言する者もいる。元世界ヘビー級王者のロイ・ジョーンズJr.氏(米国)もその一人だ。

 かつて世界4階級を制し、長く大手メディアのPFPにおいてトップに君臨していた名手は、英スポーツ専門ラジオ局『talk SPORT』のポッドキャスト番組内で「俺はバドこそ今のパウンド・フォー・パウンドの王者だと思っている」と断言する。彼の言う“バド”とは、ウェルター級世界王者のテレンス・クロフォード(米国)である。

 昨年7月に、エロール・スペンスJr.(米国)との頂上決戦を制し、井上よりも先に2階級での4団体統一をやってのける金字塔を打ち立てたクロフォード。40戦無敗(31KO)というキャリア戦績は、まさしく規格外。ゆえにジョーンズJr.氏の指摘もうなずける。

 同番組において「俺がクロフォードを推す理由を教えてあげよう。それは彼が過去10年間で圧倒的な存在であり、誰も匹敵しないからだ」と強調したジョーンズJr.氏だが、比較対象となる井上の存在も忘れたわけではない。百戦錬磨の名手は、こうも続けている。

「クロフォードは、“あの子”、そうイノウエを背負った状態にある王者だと思っている。間違いなくイノウエはトップの座を猛追しているよ。だってそうだろ? イノウエは与えられた者を誰であろうと破壊している」

 来る5月6日に井上は、元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦を迎える。世界中が熱視線を向けている東京ドームでの大一番で鮮烈なKO劇を見せれば、クロフォードを抜く可能性もあるのかもしれない。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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