2024年3月30日(土)・31日(日)、神奈川県川崎市・とどろきアリーナにて、ダブルダッチのアジア選手権大会の国内選考会となる「ALL JAPAN 2024 団体戦」が開催された。ALL JAPANとは「ダブルダッチ」というと、国内で主流…
2024年3月30日(土)・31日(日)、神奈川県川崎市・とどろきアリーナにて、ダブルダッチのアジア選手権大会の国内選考会となる「ALL JAPAN 2024 団体戦」が開催された。
ALL JAPANとは
「ダブルダッチ」というと、国内で主流なのはフュージョンスタイル(音楽と動きを合わせるスタイル)だが、ジャンプした回数を競ったり、技の難易度に応じて点数が加算される“スポーツ”スタイルもある。
今回のALL JAPANは、ダブルダッチだけでなく、シングルロープ(いわゆる 普通の縄跳び)も含めた「ジャンプロープ」全体のスポーツジャンルの全日本選手権。「個人戦」と「団体戦」があり、今回ダブルダッチは「団体戦」の中で開催される。
そのスポーツジャンルのアジア選手権が、今年7月に川崎市で開催されることが決定。また同期間、同会場にフュージョンジャンルのダブルダッチ世界大会「DOUBLE DUTCH CONTEST WORLD 2024」の開催も決定している。
アジアのみならず“世界規模のジャンプロープの祭典”とも言えるコンペティションが国内で開催されるというだけあり、ALL JAPANは一際盛り上がっていた。
ダブルダッチだけでなくシングルロープの種目も存在する
さて、この大会は数多くの種目・部門などに分かれている。
かなり複雑なルールとなっているため、おおよそ大会の仕組みが分かる〈5つのポイント〉をお伝えしよう。
なお、簡潔に説明することを優先しているため、説明中の図を含め、細かいルールについては省略している箇所も存在する。
詳細なルールはJJRUのオフィシャルサイトをご参照いただきたい。
5つのポイント その①
「個人戦・団体戦がある」
先述の通り、この大会は「個人戦」と「団体戦」に分かれている。
個人戦はシングルロープのみだが、今回の団体戦で取り扱うのはシングルロープの“チーム”種目とダブルダッチとなる。
(注) ルールをもとに編集部で作成
5つのポイント その②
「種目・年代・性別によって分かれている」
前提として、ALL JAPANでは男子のみ・女子のみ・混合と、性別による区切りが存在。そして性別だけでなく年齢による区分もある。
(注) ルールをもとに編集部で作成
フュージョンスタイルのダブルダッチでは男女混合が主流だが、本大会のルールでは年齢だけでなく、性別による区切りも存在するのだ。
5つのポイント その③
「アジア選手権へつながる“2つの道”」
このALL JAPANは、「全日本選手権」かつ「アジア選手権」に進出する日本代表を選ぶ大会。
進出のためには、以下のうちどちらかに該当しなければならない。
・各区分 総合の「1位」「2位」
・各種目の「1位」 ※総合1位・2位のチームを除いた各種目の上位1位
それぞれの内容について見ていこう。
5つのポイント その④
「全種目の成績に応じた『総合』の1位・2位がアジア選手権へ!」
まず、アジア選手権出場資格の1つ目にあたる「各区分 総合 1位・2位」について解説しよう。
「総合」カテゴリでは全種目に出場し、その成績の上位チームがアジア選手権に出場できる。今回は上位2チームが出場可能となる。
また、ひとことに「全種目」といっても、総合には
・シングルロープのみ
・ダブルダッチのみ
・シングルロープ + ダブルダッチの「オールアラウンド」
の3カテゴリが存在。
そして以下の図のように年齢区分・性別区分が敷かれ、それぞれの“総合”上位2チームがアジアへの挑戦権を掴むこととなる。
(注) ルールをもとに編集部で作成
記事の末尾には、Senior 男女混合部門のダブルダッチ総合でアジアへの切符を狙う「FOR」のKAIと、同じくSenior 男性部門のオールアラウンドで勝負を挑む「マイケル」のKUROのインタビューを掲載。
大会の仕組みを知ると共に、ここに懸ける選手たちの熱量と生の声をご一読いただきたい。
5つのポイント その⑤
「種目の1位チームもアジア選手権へ進出できる!」
そして「各種目の1位」についても解説していこう。
いくつも種目が存在するALL JAPANだが、簡潔に言えば、どれか1つの種目だけ1位になってもアジア選手権に出場することができる。
なお「総合」カテゴリと同様、年齢・性別区分に分かれている。
(注) ルールをもとに編集部で作成
例えば今大会だと、
種目「ダブルダッチ スピードリレー」の、年齢「Future部門」であれば、
・性別「女性部門」の1位
・〃「男性部門」の1位
・〃「男女混合部門」 の1位
がそれぞれ存在。
なお先述した通り、「総合」1位・2位のチームを除いた“種目 1位”がアジア選手権の対象となる。
(注) ルールをもとに編集部で作成
そしてこちらも、種目単体でアジアの切符を狙う「FLY DIGGERZ」のインタビューが記事末尾にあるので、ぜひご一読いただきたい。
年齢層もさまざま
つまり、1つの種目を極めてアジア選手権を狙うチームもあれば、総合で全種目出場を狙うチームまでそれぞれということなのだ。
なお、以上のようなシステムを採用しているため、今大会の表彰の数は膨大な数存在する。
心苦しくも、本記事内では全てを取り上げることができないため、結果の詳細については、JJRUのホームページを参照いただきたい。
ダブルダッチで活躍する選手たちにインタビュー!
さて、FINEPLAY編集部では、そんなスポーツジャンルのダブルダッチにチャレンジする選手たちをピックアップ。
フュージョンでも活躍する選手たちも多数出場したなか、どうして彼らが“あえて”チャレンジすることを選んだのか、その声を訊いた。
■“オールアラウンド”でアジアを目指す!
「マイケル」KURO
1人目は「マイケル」のKURO。
長らくスポーツジャンル内で“無敵”とも言われ、フュージョンスタイルでも活躍。業界を牽引する破竹の勢いを見せる「マイケル」。
そのメンバーの1人でありリーダー格のKUROは、今大会が実は3年ぶりの復帰となった。なぜブランクを経て、あえて復帰したのか。
──マイケルの皆さんは毎年のようにALL JAPANへ出場されていますが、KUROさんは今回およそ3年ぶりの競技復帰と伺いました。なぜでしょうか?
KURO
一番の理由は、2025年の世界選手権が日本開催になったことです。
この3年で運営やコーチ側にもまわっていましたが、日本で開催するのであれば、やっぱり自分が競技者として関わっていたい!という想いが強くなり、競技復帰を決めました。
──今回のALL JAPAN出場にあたっての目標は何だったのでしょうか?
KURO
マイケルとして出場するのも3年ぶりだったので、まずはメンバー全員が怪我なく大会を終えること。
そして2025年の世界選手権を見据え、今回は基礎技術を磨いた上で結果を残すことを目標に取り組んできました。
「マイケル」KURO
──取り組んでみて、今回の結果はいかがだったでしょうか。
KURO
「オールアラウンド総合」「ダブルダッチ総合」で優勝することができました。
下の世代もどんどんレベルが上がっているので、これから日本全体としてさらにレベルアップできるように周りを巻き込みながら練習していきます。
──最後に、ALL JAPANを終えて一言お願いします!
KURO
ここ数年で世界のジャンプロープのレベルは一気に上がりました。
「自分たちもまだまだできるんだ!」ということを証明するために、今回の大会で見えた課題を改善していき、まずは2024年7月のアジア大会に向けて頑張ります!
■“ダブルダッチ総合”でアジアを狙う!
「FOR」KAI (REG☆STYLE)
続いて、フュージョンでは世界3連覇という前人未到の偉業を成し遂げ、メディア出演も多数抱える「REG☆STYLE」より、メンバーのKAIが今回スポーツジャンルの競技に挑戦。
同じくフュージョンシーンで活躍する後輩たちを率い、「FOR」というチームでチャレンジした理由を訊いてみた。
──まずは今回、なぜALL JAPANへ出場することにしたのでしょうか。
KAI
2024年のアジア選手権、2025年の世界選手権が川崎で行われるにあたり、日本を代表しこのムーブメントをさらに盛り上げるために出場を決意しました。
──今回のALL JAPAN出場にあたっての目標は何だったのでしょうか?
KAI
アジア大会に「ダブルダッチ総合」で進出する事でした!
メンバーそれぞれがフュージョンジャンルのダブルダッチで活躍していましたが、スポーツジャンルのダブルダッチはそれと全く違った難しさがありました。
未知なる挑戦、未知なる目標の中苦戦する日々でしたが、チーム一丸となり全力で取り組みました!
「FOR」KAI
──取り組んでみて、今回の結果はいかがだったでしょうか。
KAI
無事に目標であった「ダブルダッチ総合」でアジア選手権に進出する事ができました。
しかし今回の結果に慢心せず、来る7月(のアジア選手権)へ全力で向かっていきたいと思っています!
──最後に、ALL JAPANを終えて一言お願いします!
KAI
僕たち「FOR」は今回の挑戦を通して、ジャンプロープの可能性を少しでも広げれたらと思い活動しています。
ジャンプロープに関わる人たちのため、応援してくれている皆さんのため、関わる全ての人達のために全力で頑張りますので、応援していただけたら嬉しいです!
アジア選手権優勝します!
■種目単体でアジア選手権のステージを狙う!
「FLY DIGGERZ」
最後は、こちらもフュージョンシーンで活躍し、世界2連覇のタイトルを持つ「FLY DIGGERZ」。
今回はメンバーのTO-MA・KASUYA・K-SKが、「スピードスプリント」種目単体でアジア選手権への切符を目指す。
※スピードスプリントはいわゆる60秒間のスピード種目。
──まずは今回、なぜALL JAPANへ出場することにしたのでしょうか。
KASUYA
TO-MAの「スポーツジャンルのダブルダッチへ挑戦し続けたい」という想いにチームメンバーが賛同してくれたことがきっかけで出場を決めました。
地味で辛いと思われがちなスピードという種目は、こんなに楽しくてかっこいいものだと、1人でも多くのダッチャーに伝えたいと思っています!
──今回のALL JAPAN出場にあたっての目標は何だったのでしょうか?
KASUYA
「スピードスプリント」種目において日本予選を1位通過し、アジア選手権への出場権を獲得することです。
「FLY DIGGERZ」KASUYA・TO-MA・K-SK
──取り組んでみて、今回の結果はいかがだったでしょうか。
KASUYA
目標としていた回数を超えることはできず、結果は2位でした。
しかし今回の挑戦で自分たちなりに「スピード」という種目と向き合うことができたので、この結果をしっかり受け止めたいと思います。
──最後に、ALL JAPANを終えて一言お願いします!
KASUYA
今回、FLY DIGGERZとしてALL JAPANに挑戦して得た経験を生かして、アジア選手権で優勝できるよう実力を付け、絶対にリベンジします!
大会概要
「ALL JAPAN 2024 TEAM」
日程: 2024年 3月30日(土)・3月31日(日)
会場: とどろきアリーナ サブアリーナ
主催: 一般財団法人日本ジャンプロープ連合(JJRU)
共催: 川崎市
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