センバツ高校野球準決勝(30日・甲子園)●星稜(石川)4―5健大高崎(群馬)○ 試合後のインタビュールームにチーム…
センバツ高校野球準決勝(30日・甲子園)
●星稜(石川)4―5健大高崎(群馬)○
試合後のインタビュールームにチームメートのすすり泣きが響く中、星稜の左腕・佐宗翼の目に涙はなかった。「自分の実力不足」。最後までマウンドに立ち続けたエースは悔しさを抑え、しっかりとした口調で繰り返した。
三回、味方の失策と捕ゴロ野選などで1死二、三塁のピンチを背負った。だが、動じずに健大高崎の2番打者から外角低めのスライダーで空振り三振を奪うと、次打者もスライダーで一ゴロに打ち取った。「失策や失点で気持ちの浮き沈みが激しくなってしまう」と自己分析していただけに、ベンチに戻りながら力強く拳を握った。
登板した1、2回戦よりも投球の良さに手応えを感じていた。それでも相手打者が一枚上手だった。「打たれた球は甘い球だったり、制球中心になって球の力が弱くなったりした」。1点リードの七回には4短長打を浴び、3失点。リードを守ることができなかった。
試合中、野手からは「打ってやるから楽にいけよ」と何度も声を掛けられた。「『こいつらならやってくれる』と試合中もずっと思ってやっている。自分が失点してしまい、申し訳ない」と唇をかんだ。
元日に能登半島地震が起き、地元・石川からの応援を強く感じた大会でもあった。「石川に元気を持って来られるような試合ができたらいいと思っていたが、こういう形で終わってしまった。夏にやるしかない」。左腕は静かに闘志を燃やした。【下河辺果歩】