3月30日、川崎フロンターレはFC東京と対戦する。J1リーグ第5節で実現する今季初の“多摩川クラシコ”を前に、鬼木達監…

 3月30日、川崎フロンターレFC東京と対戦する。J1リーグ第5節で実現する今季初の“多摩川クラシコ”を前に、鬼木達監督が取材に応じた。

 今季リーグ戦4試合を終えて1勝3敗。湘南ベルマーレとの開幕戦こそ逆転勝利を手にしたものの、その後は3連敗。まさかのスタートを切ることとなったが、鬼木監督はFC東京戦を前にした2週間の使い方について、「改めて自分たちの目指すものを攻守において構築した」と話す。そして、「自分たちから主導権を持って」「改めて相手を見てサッカーをする」とも続ける。

 FC東京は1勝2分1敗。開幕3戦で勝利を手にできなかったものの、第4節ではアビスパ福岡を3-1とアウェイで破っている。その相手に対し、「出る人によって戦い方は大きく変わるとは思ってまいす」と相手のイメージを説明したうえで、「ただ、攻守に置いてアグレッシブに戦うチーム」とその根本は変わらないと話す。だからこそ、「そこに対応しながらよりアグレッシブに戦えるかどうか」と自分たちに矢印を向ける。

 最初のいくつかの質問で、鬼木監督の口から出た言葉にが“見えたもの”があった。それは、覚悟や立ち向かう姿勢とも言うべきものだ。具体的な言葉としては、「フロンターレとはどういう戦い方を」「自分たちらしさ」「改めて自分たちの目指すもの」といったもので、そういうものに対し、「もう1回ゼロからスタートしてしっかりといろいろ攻守に置いていろんなものを構築していこう」とも話す。

■「フロンターレらしさ」とは

 鬼木監督は自身に矢印を向ける監督である。だからこそ、ここ数年でいくつものタイトルを獲得してきたし、川崎フロンターレというクラブが多くの人に同じような印象を与える要因となっている。昨年から所属している大南拓磨は横浜F・マリノスの松原健との対談した際に、「フロンターレらしさという言葉を皆さんご存じだと思いますが」と話しているのもその一つの例だろう。

 一方で、その指揮官自身が今、「フロンターレらしさ」をどう捉えているのか。それについて(筆者の質問はやや長いが、要約すれば“フロンターレらしさや改めて目指すものとは何か”)について聞くと、指揮官から熱い言葉が出てきた。

「もちろん失点が非常に多いので、そこはもう全員でやるべきことをしっかりとやらなきゃいけないという話はしています。ただそれと同時に、攻撃のところでよりアグレッシブさだとか、相手の嫌がるプレーを常にし続けるところを、とにかく強調しながらやってきています。

 現代サッカーでは形や体の強さ、アスリート能力とか、そういうものが求められていますけれども、そこだけではないサッカーのもう一つの魅力だったりとか、選手個人、個人のプレー・顔が見えるサッカーをしなきゃいけないし、もう一つは、フロンターレというチームのベースのところ、立ち返る場所をもう1回しっかりとみんなで意識しながらやっていきたい」

 さらに、「もしかしたらトレンドとは少し、逆行とは言いませんけども、違うかもしれないけれども、それを打ち勝っていく、それぐらいの気持ちでやっていこうとそういう話はしています」とも続ける。選手の特徴がよりピッチで生きるように、そしてそれが観る人の楽しさにつながるように、もちろん、プレーする選手が楽しさを感じられるように――その思いは強い。

 目指すものがある、とは鬼木監督がたびたび口にする言葉だが、それをチーム内で改めて言語化したという――。

(取材・文/中地拓也)

(中編に続く)

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