【MLB】パドレス2-5ドジャース(3月20日/ソウル)  走者が次の塁に、打撃と関係なく進塁する「盗塁」。英語で「スチール」と呼ばれることから日本でもそのまま直訳されているが、単に足が速いだけでは成功しない。むしろスタートが命とも言われて…

【MLB】パドレス2-5ドジャース(3月20日/ソウル)

 走者が次の塁に、打撃と関係なく進塁する「盗塁」。英語で「スチール」と呼ばれることから日本でもそのまま直訳されているが、単に足が速いだけでは成功しない。むしろスタートが命とも言われている。ドジャース大谷翔平投手は今季、打者に専念することから打撃とともに走塁にも磨きをかけている。その成果をいきなり出したのが、3回の場面だった。

【映像】ダルビッシュが投げる前に走り始めた大谷

 大谷は3回2死に第2打席を迎えると、先発したパドレス・ダルビッシュ有投手と2度目の対戦。第1打席は変化球に泳がされてのショートゴロに倒れていたが、この打席では真ん中高めに入ってきた甘い球を強振。弾丸ライナーでライト前へと運び、今季の初安打をマークしていた。

 強烈な打球で球場を騒然とさせた大谷だが、すぐに次の球で今度は快足でまた騒然とさせた。3番フリーマンへの初球にスタートを切ると、捕手が投げるころには二塁ベースに向かってスライディングをしているぐらいの悠々セーフ。捕手がどれだけ強肩であったとしても、絶対にアウトにならないというタイミングだった。

 リプレー映像を見ると、大谷が余裕を持って二塁に到達したのがよくわかるが、それ以上に素晴らしかったのが抜群のスタートだ。通常、走者は投手が動作に入った後、足が上がったかどうかのタイミングで次の塁に向かって走り出すところを、大谷はダルビッシュのフォームを完全に盗んで、まだ動き始める前からスタート。0.1秒単位を走者とバッテリーが競う「盗塁」というプレーにおいて、投げるより先にスタートを切られてはバッテリーも白旗をあげるしかない。

 この完璧なまでの盗塁にファンからも「余裕でセーフ」「速すぎる」「恐ろしい男やわ」と驚きの声が止まらなかった。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)