大谷をあらゆるところから支えてきた水原氏。その存在は偉才にとって必要不可欠だった。(C)Getty Images 偉才を支えてきた“名通訳”の動静に注目が集まり続けている。現地時間3月20日に違法賭博に関与した疑いでドジャースから解…

大谷をあらゆるところから支えてきた水原氏。その存在は偉才にとって必要不可欠だった。(C)Getty Images

 偉才を支えてきた“名通訳”の動静に注目が集まり続けている。現地時間3月20日に違法賭博に関与した疑いでドジャースから解雇された大谷翔平の専属通訳であった水原一平氏だ。

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 この問題は、水原氏が連邦政府の調査を受けている南カリフォルニアのブックメーカー(賭け事の取扱業者)にギャンブルで負債をつくり、大谷の銀行口座から少なくとも450万ドル(約6億8000万円)を送金していたのが発端。当初、静観していたメジャーリーグ機構(MLB)も、現地時間3月22日に水原氏を調査するための正式な手続きを開始したと発表。調査部門が立ち上がったことで、大谷側も何らかのアクションが求められる可能性も出てきている。

 今回の一件に対して、米スポーツ専門局『ESPN』の取材を複数回に渡って受けている水原氏は、「自分の生計を立てるのが大変で、ギリギリの生活だった。彼(大谷)のライフスタイルに付いていく必要があったので、このことは伝えたくなかった」と吐露。「ギャンブル依存症だった」(本人談)というなかでの自身の窮状を正直に打ち明けている。

 ふたりは、球界で知らない人がいないほどの蜜月の関係にあった。水原氏は日本ハム球団の通訳時代から縁を結び、大谷がポスティングでエンゼルスに移籍した際にともに渡米し、公私にわたって手厚くサポート。いわば、一介の通訳と選手の関係をこえた、“盟友”といえる存在だった。

 水原氏の仕事ぶりは、彼らを間近で見てきた関係者からも高く評価されてきた。元エンゼルスの指揮官で、MLB通算1382勝を誇るジョー・マッドン氏は、今年1月にMLBの公式メディア『MLB Network』の番組に出演した際に「ショウヘイに限って言えば、英語は流暢ではなく、あなたの経歴もほとんど知らなかったと言われます。エンゼルス就任当初はどうコミュニケーションを図っていたのでしょうか?」と問われ、「Ippei is “Outstanding”(イッペイがずば抜けていたんだ)」と強調。そして、こう評していた。

「イッペイと私とショウヘイはほぼ毎日一緒にいて、試合後に直接話し合うか、メッセンジャーで、次の試合でどうしたいかを確認しあっていたよ。通訳としての彼の功績があまり認められることはないが、イッペイは本当に素晴らしい仕事をしてくれていた」

 あくまでプレーヤーファーストとする通訳としての丁寧な対応で、二刀流の軌跡を“陰”で支えてきた水原氏。名将も手放しで称えた通訳者としての才覚はあっただけに、今回の騒動に対して「翔平を見るのは辛かった。彼は素晴らしい人間で、全く何事もなかったかのように人生を歩み続けていた」と漏らす姿は、なんとも言えない虚しさがある。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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