アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)の絶好調はいまだ続いている。一方、ロジャー・フェデラー(スイス)の連勝は終わりを遂げた。 カナダ・モントリオールで開催された「ロジャーズ・カップ」(ATP1000/8月7~13日/賞金総額466万2300…

 アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)の絶好調はいまだ続いている。一方、ロジャー・フェデラー(スイス)の連勝は終わりを遂げた。

 カナダ・モントリオールで開催された「ロジャーズ・カップ」(ATP1000/8月7~13日/賞金総額466万2300ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝で、ズベレフはフェデラーを6-3 6-4で下し、今大会初優勝を決めるとともに、10連勝目を記録した。

 先週のワシントンDCでも優勝していた20歳のズベレフは、今年5番目のタイトルを手にし、今季の優勝回数でフェデラーと並んだ。彼はまた、フェデラーの連勝を16でストップさせた。

 ズベレフは次週のシンシナティでも、この勝利の進撃を続けようと努めている。

「2週連続で優勝するなんて驚くべきことだよ」

 フェデラーに、今年わずか3度目の黒星を手渡したズベレフは、勝利のあとにこう言った。

「素晴らしい気分だ」

「自分が今、人生最高のテニスの一角と言えるものをプレーしている、と感じている。でもシンシナティはドローがすごく厳しいんだ。少し疲れているから、そこで最後のほうまで勝ち進めるかはわからない。でも、プレー面、そして自信という面で、今のすべての状況をこの上なくうれしく思う」

 6月25日にドイツ・ハレでフェデラーに敗れていたズベレフは、その雪辱を果たし、フェデラーとの対戦戦績を2勝2敗のイーブンにもち込んだ。

 第4シードのズベレフは、優勝賞金89万4585ドルを、準優勝のフェデラーは43万8635ドルを受け取った。

 ズベレフは、第1セットを取るのに必要だった、このセット唯一のサービスブレークを果たすために、鋭いグラウンドストロークを活用した。

 長身でひょろりとしたズベレフは、第2セット1-0からフェデラーにブレークポイントを与えてしまったが、連続のサービスエースでピンチをしのぎ、あまり調子のよくない様子だったフェデラーは、その後は決して本当の意味でズベレフを脅かすことができなかった。

 36歳のフェデラーは、ハードコート・シーズン最初の大会でプレーしたことで、あちこちが痛んでいただけだと言ったが、傍目からはそれ以上の何かがあるように見えた。

 ズベレフは、フェデラーのサービスがいつもほど強くないことには気づいた、と言った。彼はミスがかなり多かったフェデラーのサービスをブレークして4-3とリードを奪い、自分のサービスはきっちりキープして、勝利をつかんだ。

 春のローマに続く、2度目のマスターズ(ATP1000)優勝を決めたこの勝利により、ズベレフは世界7位に浮上する。そして彼はこれまで以上に、未来のグランドスラム大会優勝者となりそうな様子を見せ始めている。

「僕は今やトップ10内にいる。そしてそこにいるのに十分なだけ、いいテニス、ふさわしいテニスをプレーしていると感じている」とズベレフは言った。「すべては、ごく自然にいっているよ」。

 彼はまた、「いうまでもなく、マスターズ1000の大会2つに優勝したことは、誰だって誇りに思うだろう」とも言い添えた。

 2007年のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に次いで若い、ロジャーズ・カップ決勝進出者となったズベレフは、地元の18歳、デニス・シャポバロフ(カナダ)に対する感動的な準決勝の勝利を経て、そこに至っていた。この準決勝は、フェデラーを含む何人かの専門家たちに、テニス界のふたりの若き大器の間の、長きライバル関係の皮切りであると見られていた。

「デニス(シャプバロフ)のプレーを見るのは大好きなんだ。彼は、特にラファ(ナダル)に対する勝利をはじめとする素晴らしいフルセットマッチで、大会のベストマッチとも言えるものを見せたと思う」とフェデラーは言った。

「デニスは(今回)、テニス界の注目をとらえたし、そうであって当然だと思う。アレクサンダーは、もうかなりの間、ツアーの強豪の一角としてプレーしている。彼がすべてを次の段階に押し上げただけでなく、2つのマスターズ大会に勝って、2段階上のレベルに至ったのを目にし、彼のためにうれしく思うよ。マスターズに優勝するのは非常に難しいが、彼は今年、2度もそれをやってのけたのだからね」。

 フェデラーは、キャリアを通しての優勝数で、「94」とし、イワン・レンドル(アメリカ)と並ぶ2位となるチャンスを逃した。1位は「109」のタイトル数を誇るジミー・コナーズ(アメリカ)である。

 フェデラーは、自分の体の状態について騒ぎ立てるようなことはしなかったが、シンシナティでプレーするか、8月28日から始まる全米オープンのために体力を温存するかについて、まだどうするか決めかねていた。彼は全豪オープン、ウィンブルドンで優勝したあと、今年3つ目のグランドスラム・タイトル獲得に挑むことになる。

「5日間のプレーのあと、どう感じるか、来週のシンシナティをしっかりプレーすることができる状態か、見てみるよ」とフェデラーは言った。

「今週を通しては、問題ないと感じていた」という彼は、またこう続けた。「ちょっぴり筋肉痛を感じ、そこここに痛みはあるが、それは試合に----ハードコートの上に戻ってきたからだ。休暇と練習の期間のあとは、常に体にとって、ちょっとしたショックなんだよ」。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「ロジャーズ・カップ」の決勝で、ロジャー・フェデラー(スイス)をストレートで破り優勝したアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)(写真◎Getty Images)

Photo: MONTREAL, QC - AUGUST 13: Confetti is blown as Alexander Zverev of Germany makes his way onto the stage with the trophy after defeating Roger Federer of Switzerland 6-3, 6-4 in the final during day ten of the Rogers Cup presented by National Bank at Uniprix Stadium on August 13, 2017 in Montreal, Quebec, Canada. (Photo by Minas Panagiotakis/Getty Images)