<大相撲三月場所>◇九日目◇18日◇大阪・エディオンアリーナ  末恐ろしい新入幕力士が現れた。初日から破竹の8連勝でストレート給金を決めていた前頭十七枚目・尊富士(伊勢ヶ濱)が、好調の小結・阿炎(錣山)を圧倒。押し出しで危なげなく勝利。立ち…

<大相撲三月場所>◇九日目◇18日◇大阪・エディオンアリーナ

 末恐ろしい新入幕力士が現れた。初日から破竹の8連勝でストレート給金を決めていた前頭十七枚目・尊富士(伊勢ヶ濱)が、好調の小結・阿炎(錣山)を圧倒。押し出しで危なげなく勝利。立ち合いで圧倒すると館内がどよめき「強すぎて草」「本当に新入幕かよ」と驚きの声が相次いだ。

【映像】尊富士の立ち合いにどよめく館内

 十両をわずか1場所で通過し、初土俵からは歴代1位タイ(幕下付け出しを除く)の所要9場所というスピードで新入幕を果たした尊富士。24歳の新顔は初日から頭ひとつ抜けた強さを発揮して連戦連勝、無傷のまま中日も白星を挙げて早くも今場所勝ち越しを決めていた。

 九日目は割を崩して初の上位戦が組まれた。対戦相手となったのは三役を務める小結の阿炎。最高位は関脇で、幕内最高優勝の経験もある実力者だ。今場所では初日から5連勝を遂げ、ここまで2敗と好調ぶりを発揮していた。

 ABEMAの中継では取組前、解説の元関脇・豊ノ島が尊富士について「新入幕らしく、圧力をかけて前にどんどん出ていく。上半身の力も相当あるんじゃないでしょうか」とコメント。阿炎との一番については「もちろん勝つことが1番ですけど、阿炎を経験できることは、今後の尊富士にとってもいい経験になると思います」と期待を込めていた。

 初の幕内後半戦、初の三役との取組。だが尊富士に迷いはなかった。立ち合い阿炎が得意のもろ手突きで攻めるも問題にせず、下から圧力をかけて出ていった尊富士は、そのまま前に出続け危なげなく押し出して圧勝。初日から破竹の9連勝となる白星を挙げた。一方、敗れた阿炎は3敗に後退した。

 尊富士が阿炎を圧倒すると、ABEMAで実況を務めた髙橋大輔アナウンサーも「押し切った! 完勝! 何もさせない9連勝!」と大興奮。解説の豊ノ島は「(尊富士は)相手が阿炎だから変えたりせず、一日一番の相撲をしっかり取り切りました。今までやっていた通り、圧力をかけて前に出ていきました」と勝因を分析した。

 圧倒的な実力を見せた尊富士に、ABEMAの視聴者も「強すぎて草」「阿炎が吹っ飛んだ」「新入幕が小結に一方的」「オーラが新入幕じゃない」と大盛り上がり。「本当に新入幕かよ」「全勝優勝あるかも」「もう横綱でいい」と期待を寄せる声のほか、「千代の富士みたい」「貴花田を彷彿させる」と大横綱を引き合いに出すファンも相次いだ。

 これで無傷の9連勝とした尊富士。新入幕の連勝記録としては元横綱・大鵬の11に次ぐ歴代2位タイ(1949年五月場所以降)に上り詰めた。新進気鋭の力士による快進撃はどこまで続くのか——。(ABEMA/大相撲チャンネル)