<大相撲三月場所>◇九日目◇18日◇大阪・エディオンアリーナ  ここが時代の変わり目かも知れない——。“規格外の大器”として話題の前頭五枚目・大の里(二所ノ関)が、関脇・若元春(荒汐)を寄り切って勝ち越しを決めた。格上相手に盤石の相撲で完勝…

<大相撲三月場所>◇九日目◇18日◇大阪・エディオンアリーナ

 ここが時代の変わり目かも知れない——。“規格外の大器”として話題の前頭五枚目・大の里(二所ノ関)が、関脇・若元春(荒汐)を寄り切って勝ち越しを決めた。格上相手に盤石の相撲で完勝した大の里に、元関脇が「鳥肌立った」と本音を明かせば、ファンも「ザンバラ優勝ある」「新時代到来」と熱気に包まれた。

【映像】大の里が魅せた衝撃の取組

 ざんばら髪の23歳が、三月場所で新時代の到来を告げている。入幕2場所目の今場所、初日から6連勝の快進撃を続けてきた大の里。七日目に前頭八枚目・阿武咲(阿武松)に敗れたものの、中日では“鉄人”の異名を持つ前頭七枚目・玉鷲(片男波)に勝って持ち直し、身長192センチ・体重183キロの体格を活かした特大スケールの相撲で衆目を集めてきた。

 ABEMAで解説を務めた元関脇・豊ノ島は、大の里について「圧力がすごいんでしょうね。上体が意外と上がっているようにも見えるんですけど、お構いなしに圧力をかけていく」と魅力を説明。さらに「もっと伸び代を感じる」と指摘し、「普通は中卒・高卒のほうが伸び代を感じるんですよ。大卒はモノができすぎていて、あまり伸び代を感じないことが多い。ましてや(大の里は)学生時代からずっと結果を残してきた。(しかし)形が全てできているようで、伸び代を感じるので、それがまた魅力的ですね。もう一皮むけて化けるんじゃないか」と期待を込めた。

 九日目の相手となったのは実力者・若元春。次期大関の呼び声も高い相撲巧者だ。大の里にとっては今場所初の割を崩した上位戦であり、初顔合わせでもある。解説の豊ノ島は取組前、若元春について「(大の里にとっては)厳しいですよ。三役常連で。大関ぐらいの安定した成績をずっと残していますから」と、一筋縄ではいかないことを強調していた。

 だがそんな相手を前にしても“化け物”は快進撃を止めなかった。立ち合いもろ手で当たった大の里は、圧力をかけて相手をはじき飛ばすように前に出ていくと、若元春が得意な左四つになって胸が合ったがものともせず前進。土俵際で若元春がなんとか粘ろうとするも耐え切れず、最後は大の里が寄り切って勝ち星を挙げた。大の里は今場所勝ち越しとなる8勝目。若元春は4敗目を喫した。

 関脇を相手に完勝した大の里。衝撃的な結果に、解説の豊ノ島も「うわっはっは! すごいなー!」と思わず絶叫。さらに「鳥肌立った。今。俺、めちゃくちゃ相撲ファン(笑)。すご」と驚きの声を上げた。取組内容については「立ち合いからの圧力が予想以上なんでしょうね。若元春も圧力がすごいとわかっているとは思いますけど、それでもこうやって押し込まれるわけですから」と解説した。

 大の里の圧倒的なパワーに、ABEMAの視聴者も「凄い!」「強すぎない?」「鳥肌もんだよこれ」「事件です事件」と大興奮。上位を相手に圧勝したことから「ザンバラ優勝ある」「新時代到来」「世代交代やん」「将来明るいな」と今後に期待する声も相次いだ。

 九日目は大の里と並んで新鋭力士として注目を集める新入幕の前頭十七枚目・尊富士(伊勢ヶ濱)も、小結・阿炎(錣山)を押し出しで圧倒して無敗をキープ。幕内成績上位はトップが尊富士、1敗で追うのが大の里と、平幕の若手がハイレベルな争いをする展開となった。十日目はついに両者の直接対決が実現する。“新世代対決”の行方はいかに——。(ABEMA/大相撲チャンネル)