<大相撲三月場所>◇六日目◇15日◇大阪・エディオンアリーナ  熱戦を繰り広げた前頭八枚目・高安(田子ノ浦)と前頭十枚目・御嶽海(出羽海)の一番。敗れた高安が精根尽き果て土俵下に転がると一時館内騒然となったが、御嶽海が手を差し伸べる気づかい…

<大相撲三月場所>◇六日目◇15日◇大阪・エディオンアリーナ

 熱戦を繰り広げた前頭八枚目・高安(田子ノ浦)と前頭十枚目・御嶽海(出羽海)の一番。敗れた高安が精根尽き果て土俵下に転がると一時館内騒然となったが、御嶽海が手を差し伸べる気づかいを見せたことで一転、拍手と歓声に包まれる一幕があった。

【映像】拍手と歓声が起こった“美しき労い”

 34歳の高安と31歳の御嶽海、ベテランの元大関同士の対決となった一番は、死力を尽くした長い相撲となった。立ち合い後、まず優勢だったのは高安。突っ張ってから引いた御嶽海が押され気味だったが、突き押しの激しい展開となると、その後、頭四つに組んでこう着状態に陥り、客席からは拍手が沸き起こった。

 その後も互いに警戒し、攻めあぐねている様子が続いた両者。1分が経過した頃、高安が先に仕掛けるが攻め切れず、再び頭四つの状態に。高安がもう一度動くと、今度は御嶽海が頭をつけて組み、客席からはまたもや拍手が発生した。

 両者疲れが見える動きになってきたなか、最後は引いた高安が土俵を割ってしまい、御嶽海が約1分40秒の相撲を制して勝利した。敗れた際、高安は土俵下に落下すると疲れ果てたようにゴロリと転がった。一時館内騒然となったが、その後、やはり疲れた様子の御嶽海が手を差し伸べる気づかいを見せると、会場は一転、温かい拍手と歓声に包まれた。御嶽海は押し出しで勝って4勝目。敗れた高安は2敗目を喫した。

 熱戦を受けて、ABEMAで解説を務めた元小結・旭道山は「いい相撲でした」と両者の健闘を称えるようにポツリ。続けて「派手な攻防ではないですけど、両者の我慢、相手がどうやって出てくるかという心理戦」と見どころに触れつつ、「(最後に高安が)はたいてしまったことで(御嶽海を)呼び込んだ」と勝敗の分かれ目を指摘した。

 白熱した長い相撲に、視聴者からも「良い相撲」「執念を感じた」「見てるだけで疲れたよ」「素晴らしい勝負ありがとう!」と興奮気味のコメントが殺到。御嶽海が高安に手を差し伸べた場面に「みーたんやさしい」「平和な世界」「お互いにリスペクトやな」「なんか感動した」と反応するファンも相次いでいた。
(ABEMA/大相撲チャンネル)