日本競輪選手養成所第125、126回生の卒業記念レースが5、6日の2日間、行われた。場所は、お馴染みの伊東温泉競輪場。とはいえ、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、しばらくは無観客で行われていた。今回は5年ぶりの有観客で、候補生たちも…

日本競輪選手養成所第125、126回生の卒業記念レースが5、6日の2日間、行われた。場所は、お馴染みの伊東温泉競輪場。とはいえ、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、しばらくは無観客で行われていた。今回は5年ぶりの有観客で、候補生たちも力が入ったことであろう。
約1年の厳しい訓練(それでも、以前とは比べものにならないほど、緩くはなっているが)を耐えた候補生たちの集大成でもある大会。有観客ということもあり、家族や恋人、一般のファンと様々な人たちが伊東温泉競輪場に足を運んでいた。中には、子どもの卒業記念レースに合わせ、温泉旅行も兼ねた家族もいたとか。もちろん、子ども優先なのだが、場所柄、家族の絆を深めるのには、いい場所であったことには間違いないだろう。

さて、栄えある卒業記念チャンピオンに輝いたのは、125回生が埼玉の森田一郎。126回生が福井の仲澤春香。森田は在所2位、仲澤にいたっては在所1位。貫禄を見せつけた感じだ。残念ながら、筆者が推していた中石湊は、セミファイナルで敗退してしまった。しかし、この中石は2028年ロス五輪での活躍が期待できる大物であることは変わりない。スケールの大きな競走スタイルは、デビューしてからが楽しみで仕方ない。中石は全国レベル、陸上に詳しい人間なら名前は知っている大阪の名門中学出身。アスリートとしてのポテンシャルの高さは、疑う余地はないだろう。今後はルーキーシリーズを経て、本デビューは7月になる。いずれにしても彼らが、どんな競走を見せてくれるか楽しみだ。最近は選手になることを目的にしている選手が多いと感じているだけに、選手になって億単位の賞金を稼ぐような選手の出現を期待したいところである。



中石湊候補生

卒業して行く者もいれば、入ってくる者もいる。5月には127、128回生が入所してくる。127回生は逸材揃いだと前評判が高い。特に、2010年の寛仁親王牌で優勝した市田佳寿浩の息子・龍生都が注目の的。中央大学で全日本学生選手権、通称インカレでケイリン3連覇など実績は文句なしだ。前述の中石と共に、2028年ロス五輪の期待の星でもある。すでに完成されていると言っても過言ではないだろう。他にも、高校総体や国体スプリントで名を売った大塚城や杉浦颯太も期待できる。この2人の父親は、現役の競輪選手でもある。女子も北岡マリアなど、将来有望な選手が揃っている。ただ、入所前は将来有望であっても、ここからは自分の努力次第だろう。この1年をどう過ごすかで、差がつくはずだ。養成所側に言いたいのは、最近はストレートで代謝制度にひっかるガールズ選手もいるということ。学校ではなく養成所となったのだから、もう少し実戦形式の訓練を増やしてみてはいかがだろうか?

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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