3月15日(金)都内にて格闘ドキュメンタリー「格闘代理戦争-THE MAX-」の一回戦が行われ、『格闘DREAMERS』出身で岡見勇信&中村倫也推薦選手の中村京一郎が秋山成勲推薦選手のミスターホンデを左ストレートで粉砕。出場8選手の中で打…

 3月15日(金)都内にて格闘ドキュメンタリー「格闘代理戦争-THE MAX-」の一回戦が行われ、『格闘DREAMERS』出身で岡見勇信&中村倫也推薦選手の中村京一郎が秋山成勲推薦選手のミスターホンデを左ストレートで粉砕。出場8選手の中で打撃スキルNo.1と目されていたホンデをKOするビッグインパクトを残した。

【映像】史上最大のインパクトを放った衝撃KO

 前日の組み合わせ抽選会で一回戦屈指の好カードとして注目されていたのがホンデVS中村だ。ホンデはキックボクシングで24戦20勝を誇り、WKBF世界スーパーライト級王座に就いた実力者。BreakingDownでも2戦2勝、RISEでも活躍するプロ無敗のYURAから判定勝利を収めている。対する中村もプロMMA戦績が4勝1敗という本格派。4勝すべてが打撃によるKO・TKO勝利という超攻撃的なファイターだ。

 バチバチの打ち合いが予想された一戦、純粋な打撃スキルだけで言えばホンデに分があると思われたが、いざ試合が始まると中村が左ストレートのカウンターを当て、左ハイキックもヒットさせる。そして狙いすました左ストレートを突き刺すとホンデがダウン。最後はパウンドでのレフェリーストップとなったが、中村の左ストレートが勝負を決めた一戦だった。

 周囲の予想と下馬評を覆す中村の一撃KO勝利。しかもレスリングや組み技を使わず、打撃だけの攻防でキックボクシングの猛者であるホンデをKOするというビッグインパクトを残した。

 中村の監督を務める岡見は「相手が打撃の強い選手だったので、最初は焦らず、殴り合いはしないように。1Rは様子を見ようという展開のなかで、落ち着いていい動きが出来ていたので、京一郎の良いところだけが出た試合だったかなと思います」と試合を振り返る。視聴者にとってはサプライズだった打撃でのKO勝利も、岡見は「こういう終わり方も想定していた」という。

「打撃だけにはならずにMMAとして打撃を使いながら組みもやっていこう、打撃だけに固執しないようにという話はしていました。そのなかで京一郎が相手の動きを把握していたので、京一郎にとっていいペースで、京一郎らしい相手のガードの間を突き通すような左が入って、ですね」

 さらに岡見に中村は非凡なものを持っているかと質問すると「彼は非凡です」と断言した。

「あの打撃も教えて出来ることじゃないし、試合に対するメンタルや向き合い方も含めて非凡です。色んな選手を見てきましたけど、ここまで試合に向けたメンタルが強い選手はいないですね。ただ興奮して気持ちが高ぶらせるわけではなく、メンタルが強いからこそ冷静になって、パンチで相手の空いたところを射抜くことができる。そこが他の選手とは違います」

 中村はトーナメント準決勝でクレベル・コイケ推薦選手のギレルメ・ナカガワと対戦する。ナカガワは柔術で数々の実績を残すボンサイ柔術のファイターで、一回戦では鶴屋怜推薦の諸石一砂を流れるような寝技=腕ひしぎ三角固めで下している。

 打撃系のホンデとは全くタイプの異なる選手だが、中村は「僕は強いやつとやりたくて格闘技をやっている。今回はたまたまスタンド=打撃で終わったけど、打撃以外にも引き出しはたくさんある」と問題視せず。岡見も「ストライキング以外にも色んな練習を積んでいて、今日はそれを見せる間もなく終わってしまった。次は寝技の選手で、今日とは違う京一郎の強さを見せられるいい相手だなと思います」と語っている。

 わずか96秒、左ストレート一発で己の強さを印象づけた中村。準決勝ではそれを上回る圧倒的な強さを見せつけるか?