早田の実力に疑いの余地はないが、平野もそれに匹敵するだけの力を持っている(C)Getty Images シンガポール・OCBCアリーナで開催されている卓球の国際大会、「シンガポールスマッシュ2024」の女子シングルス1回戦で早田ひな(世界ラ…

早田の実力に疑いの余地はないが、平野もそれに匹敵するだけの力を持っている(C)Getty Images

 シンガポール・OCBCアリーナで開催されている卓球の国際大会、「シンガポールスマッシュ2024」の女子シングルス1回戦で早田ひな(世界ランキング5位)と平野美宇(同18位)が対戦した。3月10日に行われたこの日本人対決では、平野がゲームカウント3-0で早田から勝利を収めている。

【動画】日本人対決は平野美宇に軍配!早田ひなを下した試合終了の瞬間の映像

 先月行われた世界選手権では、ともに団体戦メンバーとして世界トップクラスのパフォーマンスを披露し日本の準優勝の原動力となった。決勝戦では、両者が中国選手から白星をもぎ取るなど、激闘の主役を演じている。

 パリ五輪代表にも選出されている両雄が今大会では1回戦で激突するというシチュエーションを迎えた。さらに世界ランキング上位の早田がストレートで敗れるという結果には、現在も海外メディアで驚きと共に報じられている。

 中国のポータルサイト『捜狐』では3月12日、日本人同士のこのゲームの結果について、「日本女子トップ選手がチームメイトに振り切られ、中国が恩恵を受ける」と銘打ったトピックを配信。世界ランキング日本最上位の早田の敗戦を特集記事として伝えた。

 その中で先月の世界選手権の戦いを「中国女子卓球チームは1対2で劣勢に立たされた激戦の末、最終的に日本チームを破って優勝した」と振り返り、その上で「早田は、決勝戦で陳夢に勝利した実力者だ。現在、早田は日本チームのリーダーであり、次の試合での活躍が注目されていた」と綴っている。

 しかし、今回のシンガポールスマッシュ1回戦敗退を受け、「早田が簡単に勝つと思われたが、意外にも0対3で1回戦を終えた」「彼女が敗退したことで、中国チームがこの大会で優勝する期待は大きく高まることになる」と見通しており、「平野美宇も能力は高いが、やはり早田には劣る」と見解を示した。

 また同メディアは「今の中国卓球チームの第一目標はパリ五輪だが、パリ五輪に出場する前に、中国卓球チームもシンガポール・グランドスラムなど一連の大会を通じて状態を調整する必要がある」として、今大会において好成績を収めることの重要性を指摘している。

 自国代表選手にとって最大のライバルと目されていた早田が敗れたことにより、中国メディアは“安堵”ともとれる声を上げている。もちろん、その早田を退けた平野をはじめ、日本選手の勝ち上がりも期待されており、トーナメントはここからさらに激しさを増していくことになる。

 女子シングルスは大会最終日の3月17日に決勝が行われる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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