第31回東京六大学冬季対抗戦が立大セントポールズ・アクアティックセンターにて開幕。東京六大学のスイマーたちが一堂に会した。今大会では、早大選手が大会新記録や自己ベストを続々と更新し、2008年以来となる男女ともに総合優勝を達成。「本気で勝…

 第31回東京六大学冬季対抗戦が立大セントポールズ・アクアティックセンターにて開幕。東京六大学のスイマーたちが一堂に会した。今大会では、早大選手が大会新記録や自己ベストを続々と更新し、2008年以来となる男女ともに総合優勝を達成。「本気で勝ちを目指した結果だった」(長牛太佑男子主将、スポ3=京都外大西)という言葉通り、それぞれの選手がチームのために数多くのレースに出場し、仲間を応援する、そんな早大のチーム力が光った1日となった。

★松田が好調で男子優秀選手に選出

 総合優勝を成し遂げた男子は、特に男子優秀選手を受賞した松田藍青(スポ2=愛知)の活躍が目立った。「まさかベスト、大会新を出せるとは思っていなかった」と振り返った松田。この日は、50メートル、100メートル、200メートルの平泳ぎに出場した。200メートル平泳ぎで自己ベストを更新すると、100メートル平泳ぎも1分1秒14で1着。さらに、50メートル平泳ぎでは大会新記録を0.25秒更新しての優勝となった。さらに今大会は1年生の活躍も目立った。山口遼大(スポ1=東京・暁星)が50メートルバタフライで、新開誠也(スポ1=鹿児島情報)が200メートルバタフライでそれぞれ大会新記録を更新し総合優勝に貢献。ともにパリ五輪代表選考会出場派遣記録を突破し、出場を決めた。


大会新記録を樹立した松田

★松本が出場全種目で大会新記録を更新

 さらに女子は、松本信歩(スポ3=東京学芸大付)が驚異の活躍を見せた。「次々にレースに出場して忙しい1日」だったと振り返った通り、松本はこの日6レースに出場。100メートルバタフライでは、序盤から積極的なレースを展開し目標としていた自己ベストを達成した。また、出場した全種目で大会新記録を樹立。女子優秀選手に選ばれた。さらに、今季女子主将を務める小原天寧女子主将(スポ3=東京・目黒日大)、2年生の亀井涼子(スポ2=東京・淑徳巣鴨)も大会新記録を更新するなど、早大の底力を見せつけた。


6レースに出場した松本

★1年生も大活躍の1日!松﨑が新人賞

 そして、今回新人賞に選ばれたのは今大会2つの大会新記録で優勝した松﨑りん(人1=東京・日大二)だ。400メートル自由形では、仲間からの声援を受け序盤からコンスタントにタイムを刻む。残り100メートルでトップに立つと、ラスト25メートルでさらにギアを上げ、最終的に2位との差を大きく広げ1位でフィニッシュした。


追い上げを見せる松﨑

 10人が自己ベストを更新し、3月中旬の代表選考会やインカレの派遣標準記録突破者が続出した今大会。チームの中心となる松本や松田がさらなる飛躍を見せる一方で、松﨑や山口など1年生も大活躍した。男女ともに総合優勝を成し遂げたチーム早大がまずは3月の代表選考会でどんな姿を見せてくれるのか期待したい。


チームメイトを応援する選手たち

(記事 大村谷芳、写真 小川ゆりえ)

結果

◇タイム決勝

女子400m自由形

松﨑りん 4分14秒19【1位】自己ベスト 大会新記録 代表選考会派遣記録突破小原天寧 4分15秒25【2位】大会新記録 代表選考会派遣記録突破

男子400m自由形

林大輝 4分00秒26【5位】

金星洋将 4分01秒83【7位】山本拓武 4分04秒92【8位】田中大寛 3分54秒52(OP) 自己ベスト 代表選考会派遣記録突破

女子400m個人メドレー

船越彩椰 4分55秒89【2位】

木崎京香 5分01秒18【4位】

男子400m個人メドレー

長牛太佑 4分26秒45【5位】

飯田光達 4分27秒74【7位】

女子200m背泳ぎ

亀井涼子 2分18秒87【3位】

柴田菜摘 2分24秒70【6位】

男子200m背泳ぎ

村上汰晟 2分00秒99【2位】代表選考会派遣記録突破村上賢之慎 2分03秒27【3位】

女子50m自由形

二宮歌梨 26秒58【1位】

内田さくら 27秒08【2位】

男子50m自由形

山口遼大 22秒89【2位】代表選考会派遣記録突破

原空輝 22秒98【3位】自己ベスト

女子200m平泳ぎ

松本信歩 2分31秒82【2位】自己ベスト 大会新記録 代表選考会派遣記録突破木崎京香 2分42秒49【5位】

男子200m平泳ぎ

松田藍青 2分13秒14【1位】自己ベスト 代表選考会派遣記録突破

長牛太佑 2分22秒91【10位】

女子200mバタフライ

松﨑りん 2分14秒88【2位】高橋実花 2分22秒33【4位】

男子200mバタフライ

新開誠也 1分58秒84【2位】大会新記録 代表選考会派遣記録突破入江崇也 2分03秒65【5位】金直輝 2分06秒23【11位】

女子200m自由形

二宮歌梨 2分03秒76【1位】

内田さくら 2分06秒59【7位】

男子200m自由形

原空輝 1分51秒90【4位】

林大輝 1分53秒52【10位】

女子50m背泳ぎ

松本信歩 28秒86【1位】自己ベスト 大会新記録 代表選考会派遣記録突破亀井涼子 29秒40【2位】大会新記録 代表選考会派遣記録突破柴田菜摘 29秒94【4位】

男子50m背泳ぎ

村上汰晟 26秒26【1位】

長牛太佑 26秒81【3位】自己ベスト村上賢之慎 27秒15【7位】

女子50mバタフライ

松本信歩 27秒12【1位】大会新記録 代表選考会派遣記録突破高橋実花 29秒16 【4位】

男子50mバタフライ

山口遼大 23秒67【1位】自己ベスト 大会新記録 代表選考会派遣記録突破山本拓武 25秒02 【6位】金直輝 23秒73【12位】自己ベスト田中大寛 23秒73(OP) 代表選考会派遣記録突破須田悠介 24秒64(OP)

女子100m背泳ぎ

亀井涼子 1分03秒79【1位】

柴田菜摘 1分04秒53 【3位】

男子100m背泳ぎ

村上汰晟 56秒65【2位】

村上賢之慎 57秒41【3位】田中大寛 56秒63(OP) 自己ベスト

女子100m平泳ぎ

松本信歩 1分10秒31【1位】大会新記録小原天寧 1分17秒40【6位】

男子100m平泳ぎ

松田藍青 1分01秒14【1位】代表選考会派遣記録突破新開誠也 1分04秒81【10位】

女子100m自由形

船越彩椰 57秒13【2位】

内田さくら 57秒29【3位】自己ベスト二宮歌梨 58秒23【8位】

男子100m自由形

原空輝 49秒92【2位】代表選考会派遣記録突破林大輝 52秒32【6位】金直輝 52秒94【12位】

女子100mバタフライ

松本信歩 58秒65【1位】自己ベスト 大会新記録 代表選考会派遣記録突破高橋実花 1分04秒12【4位】

男子100mバタフライ

山本拓武 53秒37【1位】

山口遼大 53秒75【3位】自己ベスト入江崇也 55秒84【9位】村上賢之慎 56秒19【10位】須田悠介 54秒33(OP)

女子200m個人メドレー

船越彩椰 2分20秒28【2位】

木崎京香 2分21秒38【4位】

男子200m個人メドレー

村上汰晟 2分03秒58【3位】自己ベスト長牛太佑 2分03秒86【4位】

女子50m 平泳ぎ

松本信歩 32秒68【1位】自己ベスト 大会新記録船越彩椰 34秒62 【5位】

男子50m平泳ぎ

松田藍青 27秒96【1位】自己ベスト 大会新記録 代表選考会派遣記録突破原空輝 28秒77【5位】自己ベスト田中大寛 30秒17(OP)自己ベスト

女子800m自由形

松﨑りん 8分44秒05【1位】大会新記録 代表選考会派遣記録突破小原天寧 8分46秒46【2位】大会新記録 代表選考会派遣記録突破

男子1500m自由形

金星洋将 15分41秒13【3位】

飯田光達 15分44秒70【5位】自己ベスト

コメント

長牛太佑男子主将(スポ3=京都外大西)

――ご自身のレースを振り返って

 タイムは悔しいの一言ですが1日4本というタフなレースで良い刺激が入ったトレーニングだと思っています。これからパリ五輪選考会に向けてレース勘を上げていきます。

――男女ともに総合優勝を達成しましたが、チーム全体を振り返っていかがですか

 男女ともに総合優勝は大変嬉しく思います。それも現状のチーム力があってこそだったと思います。1人1人が各レースで全力を尽くしてくれましたし中には4レース以上泳ぐ選手もいたので本気で勝ちを目指した結果だったと思います。

――選手として、主将としてそれぞれ目標をお願いします

 選手としてはまずパリ五輪選考会で自己ベストを更新し良い結果を残すこと。主将としてはチームとして掲げた目標を確実に達成するためチームを良い方向へ導きたいですし、自分にしかできない事や導き方でチーム全員が笑顔でシーズンを終えられるよう精進していきたいと思っています。

松本信歩(スポ3=東京学芸大付)

――今日のレースを振り返って今の気持ちを教えてください

 次々にレースに出場して忙しい1日でしたが、充実した日になりました。気持ちを切らせることなく6種目泳ぎ切ることができて良かったと思います。レースに出ることを楽しめました。200m平泳ぎで優勝できなかったことが心残りですが、多種目に出場した中でも4つのベストタイムを更新できたことも嬉しかったです。

――出場した全種目で大会新記録を更新しましたが、どのような気持ちでレースに臨みましたか

 どの種目であってもしっかり勝ちにこだわることと、良いタイムで泳ぎ切ることを目標にしていました。対抗戦なので、早稲田大学に点数を持ち帰ることも意識していました。特に、100mバタフライで自己ベストを更新することを重視してレースに臨みました。レースとレースの間の時間が短くてタフなレースになりましたが、その中でも自己ベスト更新ができたことは自信になりました。

――今後の目標をお願いします

3月に行われる代表選考会で、オリンピックの代表権を獲得することを目標に頑張ります。200m個人メドレーで大幅に自己ベストを更新したいと思います。

松田藍青(スポ2=愛知)

――自己ベスト、大会新を更新されましたが、今日のレースを振り返っていかがでしたか

 先週の試合から調子がいいのは分かっていたが、まさかベスト、大会新を出せるとは思っていませんでした。2年ぶりのベストでとても嬉しいです。

――仲間からの応援は力になりましたか

 応援する、される立場で試合を終えてみて、応援は気持ちの後押しになるなと感じました。

――今後に向けて一言お願いします

 選考会に向けて再びベストを更新できるよう精進したいです。