郡には様々な起用法を模索しているとされる阿部監督(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext 巨人、日本ハム両球団は3月11日、若林晃弘と郡拓也との交換トレードを発表した。プロ7年目の若林は内外野守れるユーティリティプレー…

郡には様々な起用法を模索しているとされる阿部監督(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人日本ハム両球団は3月11日、若林晃弘と郡拓也との交換トレードを発表した。プロ7年目の若林は内外野守れるユーティリティプレーヤー、一方巨人に加入することになったプロ8年目の郡はこちらも本職の捕手に加えて、内野では一塁、二塁、三塁、外野も守れるという”超ユーティリティ”選手として知られる。人柄も明るく誰からも好かれる好漢ということも伝わってきている。

【関連記事】「肩やばすぎ」と驚愕の声も 巨人正捕手争いに新風 爆肩を炸裂させた「第3の捕手」の存在

 一方、開幕まで3週間を切った今、阿部巨人が第3弾トレードに踏み切った理由は何か。背景には長くチーム課題とされる正捕手問題も影響を与えていそうだ。昨季16本塁打とキャリアハイの成績を残した大城卓三が今季も主戦捕手と予想される中、2番手にムードメーカ―としても知られる岸田行倫が控える。昨年は第3捕手としてベテランの小林誠司が登録されていたが、捕手3人制を敷くとなると、「第3の捕手」を安定感あるベテランとするか、将来性を見越して有望株を選択するかで意見も分かれてきた。また大事な1枠を、シーズン中はなかなか出場機会がめぐってこない「第3の捕手」に使うのかという点もあった。

 しかし、ここに「何でもできる万能捕手」という新たな選択肢が生まれると、起用にも拡がりが生まれそうだ。有事の際にはキャッチャーマスクをかぶってもらうが、通常運転時には野手としての起用ができる。捕手2人制を敷き、ブルペンを厚くすることも可能となるなど、大事な1枠を無駄にせず、有効な選手活用にもつながる。

 また郡は右打者とあって、昨オフに中田翔、中島宏之など実績のある右打者がそろって退団となったことで控えの右打者不足が懸念されていたチームにおいて、この点も理に叶った補強となりそうだ。

 近年のトレードといえば、以前にあった放出の意味合いから、チーム構想から出場機会を与えられない選手たちを再生する意味合いが強まっている。その点では、今回のトレードも両選手にとって新たなスタートとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】巨人V奪回の使者となれるか し烈な外野手争いに挑む「帰ってきた天才打者」とは

【関連記事】巨人危機管理策 陰の守護神争いで注目集める「桑田チルドレン」とは

【関連記事】【巨人】存在感増す巨人の黄金ルーキー ポスト門脇にも浮上する「内野のユーティリティ」とは