実際の試合で見られそうなオプションとしては、右に浅野拓磨(ボーフム)、左に前田大然(セルティック)を配置する形があるだ…

 実際の試合で見られそうなオプションとしては、右に浅野拓磨(ボーフム)、左に前田大然セルティック)を配置する形があるだろう。

 浅野は所属クラブで右サイドでプレーする機会も多く、これまで代表でもサイドで起用されるケースが少なくない。ドリブラーではないが、爆発的なスピードと一目散にゴールに突き進む姿勢は折り紙つきだ。

 一方の前田大然も直近の3月10日のスコティッシュカップ・リヴィングストン戦でハットトリックを達成。ゴールシーンはDF背後への裏抜け、味方のシュートのこぼれ球への反応、そして長年の盟友・岩田智輝の右クロスへのヘディングと、得点感覚を研ぎ澄ませているのは間違いない。

 ただ、彼も浅野同様、自ら局面打開してゴールを奪うタイプではない。昨季、ハリー・キューウェル・コーチ(現横浜監督)の下でドリブル突破をブラッシュアップし、オン・ザ・ボールでも勝負できるようにはなったが、森保監督の評価は少し辛い様子。アジアカップのイラン戦のように、強力な相手右SBに対してハードプレスをするような状況では使われるが、チャンスメークという部分では少しレベルアップが必要かもしれない。

毎熊晟矢の前線起用

 浅野と前田の両方を頭から使ってしまうと、流れを変えるジョーカーの枚数も足りなくなるという課題もある。そこで1つ考えられるのが、右SBの毎熊晟矢(C大阪)を一列前に上げて使うこと。もともとFWで長くやってきた彼の攻撃力は今季Jリーグでも傑出したものがある。頭脳的な位置取りや駆け引き、時には打開もできるだろう。彼自身も守備負担を軽減してもらった方がよりストロングが生きるのではないか。

 後ろに菅原由勢(AZ)が入るのか、イングランド・プレミアリーグにステップアップした橋岡大樹(ルートンタウン)のような最近呼ばれていなかった選手が陣取るのかは未知数だが、毎熊を上げるというのは、1つの解決策だと言っていい。

 右に久保建英(レアル・ソシエダ)を配置するのも、森保監督がよく試みているパターンの1つ。実際、スペインでは右を主戦場にしている彼だけに、そこはやりやすいだろう。その場合、トップ下かインサイドハーフをどうするかという問題がある。鎌田大地ラツィオ)や田中碧(デュッセルドルフ)の再招集に踏み切るのであれば、有効な策になり得るのではないか。

 アジアカップのように彼ら2人が不在だと、久保をトップ下以外のポジションで使いづらくなる。もちろん南野拓実モナコ)か堂安律(フライブルク)を中央に配置する手もあるが、相手がハードプレスを仕掛けてきた時には失ってカウンターを食らうリスクが高まってしまう。卓越したキープ力のある久保はやはり中央に置いておきたい。右に入れるにしても短時間に限られるだろう。

相馬勇紀森下龍矢現状

 左に関しては、相馬勇紀(カーザ・ピア)や森下龍矢(レギア・ワルシャワ)などを再招集することも一案。最近の彼らのパフォーマンスを指揮官がどのように評価しているのかが気になるところだ。相馬は直近の3月8日のエストレラ戦でゴールを奪ったものの、出場時間自体はそれほど多くない。森下も新天地適応の真っ最中で「絶対に呼びたい」という状況になっているとは言い難い。なかなか最適解が見つからないが、まずはここまで常連だった中村敬斗(スタッド・ランス)と前田大然に期待するしかないのかもしれない。

 いずれにしても、三笘と伊東の穴埋めというのは非常に難しいテーマ。彼ら2人で「勝ち筋」を見出した森保監督はここで今一度、指揮官としての能力が試されるところ。アジアカップの失望感を払拭することが指揮官に課されるノルマだ。

(取材・文/元川悦子)

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