優勝馬には、高松宮記念への優先出走権が付与されるレースだが、過去10年でこのレースをステップに本番へと挑んだ馬は[1-2-4-54]。勝ったのは一昨年のナランフレグのみで、2着は14年のスノードラゴンと15年のハクサンムーン。高松宮記念…

 優勝馬には、高松宮記念への優先出走権が付与されるレースだが、過去10年でこのレースをステップに本番へと挑んだ馬は[1-2-4-54]。勝ったのは一昨年のナランフレグのみで、2着は14年のスノードラゴンと15年のハクサンムーン。高松宮記念を見据えてというレースではなく、このレースを狙ってきた馬を主力に見たい。

 ◎ヨシノイースターは北九州短距離S優勝馬。デビューした頃はダート競馬を使われていたために初勝利まで9戦を要し、その後は1年近くの休養を余儀なくされたが、復帰後はほぼノンストップでオープンまでたどり着いた実力馬だ。オープンに昇級してからの3戦はゲートのタイミングが合わずに持ち味を生かせなかったが、前走はスタートを決めて行きたい馬を行かせての2番手から。前半3ハロンを34.0秒でいき、後半3ハロンも34.0秒。最後まで衰えぬ加速力と粘着力を証明してみせた。すんなりと先行できれば初のタイトルがぐっと近づいてくる。

 〇トウシンマカオは、阪神、京都と異なるコースで行われた京阪杯2連覇。なかなか枠順に恵まれない馬で、前走も外枠だったために厳しい競馬を余儀なくされたが、しっかりと脚を溜めて上がり32.7秒の末脚で突き抜け、一皮むけた印象を受けた。芝1200m戦では[3-0-2-3]という堅実派。高松宮記念は不良馬場でまったく動けず、また昨秋のスプリンターズSを熱発で回避するなど大きなタイトルには恵まれていないが、実力は現役屈指のスプリンターだ。中山競馬場は初めてだが、阪神競馬場で重賞を勝っており、急坂はこなしてくれるはず。

 ▲ビッグシーザーは淀短距離S優勝馬。デビュー3戦目の初勝利から4連勝したほどの実力馬で敗れた葵Sは今にして思えば相手も強かった。その後、ややスランプのような時期もあったが、昨年11月の京阪杯は逃げて5着。道中、競り合うような形になってしまったことを考えれば悪い内容ではなかった。ここできっかけをつかんで、前走は離れた2番手から楽に抜け出した。いまだ重賞タイトルには恵まれていないが、まだまだ強くなってくれそうで将来が楽しみな1頭だ

 △バルサムノートは浜松S優勝馬。小倉競馬場芝1800mの新馬戦でデビュー勝ち、白百合Sも勝利している。ラジオNIKKEI賞4着など中距離で実績を積み上げたが、モーリス産駒で母エピセアロームはセントウルS、小倉2歳Sなどスプリント重賞2勝の快速牝馬。前走の北九州短距離Sで短距離適性の高さを証明してみせた。ここは試金石の1戦となりそうだが、不安よりも楽しみの方が大きい。

 ラピスラズリSの勝ちっぷりが鮮やかだった△オタルエバー、同じくカーバンクルSでコース適性の高さを見せた△シュバルツカイザー、芝1200m[3-0-0-1]の△バースクライも展開ひとつで侮れない存在になりそうだ。