重賞レースを含めば、JRAだけで年間900以上ある「レース名」。何気なく目にしている名前でも、その裏側には秘められた謎がある。そこでレース名の疑問をJRAに直撃してみた。  3日に中山競馬場で行われるクラッシック初戦・皐月賞に向けたトラ…

 重賞レースを含めば、JRAだけで年間900以上ある「レース名」。何気なく目にしている名前でも、その裏側には秘められた謎がある。そこでレース名の疑問をJRAに直撃してみた。

 3日に中山競馬場で行われるクラッシック初戦・皐月賞に向けたトライアルレースの弥生賞(3歳・GII・芝2000m)。この一戦は20年から弥生賞ディープインパクト記念という冠競走になった。ディープインパクトと言えば、言わずとしれた無敗の三冠馬でGI7勝を挙げ、現役時代には社会現象まで巻き起こした名馬である。ただ”名馬”と言える存在は、長きにわたる日本競馬史において多数おり、果たして冠競走となるには何らかの基準があるのだろうか。

 疑問についてJRAに尋ねたところ、「条件として示せるものはない」という回答。ディープインパクトに関しては、先に挙げたクラシック三冠を含むGI・7勝の成績や、種牡馬として7年連続リーディングサイアー獲得などの輝かしい成績をたたえての改称だった。

 ではこれまでレース名となった競走馬はどのくらいいるのか。古くは33年の第2回日本ダービー優勝馬のカブトヤマや、ダービー馬で種牡馬としても頭角を表したクモハタ、さらには64年に史上2頭目の三冠馬に輝いたシンザンと、現在は実施されていないものもあるが枚挙にいとまがない。

 さらに今年2月18日、フェブラリーS当日に過去の勝ち馬であるコパノリッキーの名前を冠した「JRAウルトラプレミアム コパノリッキーカップ」が実施されるなど単年限りのものも。それらも含めると、多くの馬名が競走名となっていると思われる。

 決まりはなくとも、レース名の冠となった馬たちの実績を見れば、眩いものばかり。まもなくクラシックシーズンが訪れ、春のGI戦線も本格化してくる。将来、レース名になるような名馬が生まれることを期待しながら、その戦いぶりを見守りたい。

【現在JRAで実施されている馬名の入った重賞レース】
・シンザン記念(京都)
・弥生賞ディープインパクト記念(中山)
・セントライト記念(中山)
※共同通信杯(トキノミノル記念)など副題は除く