伊藤は世界卓球でチームメイトにアドバイスを送って支えた(C)Getty Images 韓国・釜山で行われた世界卓球選手権団体戦に出場した日本代表チームが2月26日に帰国し、記者会見を行なった。決勝まで勝ち上がり、53年ぶりの世界一まであと一…
伊藤は世界卓球でチームメイトにアドバイスを送って支えた(C)Getty Images
韓国・釜山で行われた世界卓球選手権団体戦に出場した日本代表チームが2月26日に帰国し、記者会見を行なった。決勝まで勝ち上がり、53年ぶりの世界一まであと一歩に迫った日本女子チームの選手も大会についてコメントしており、その中で、伊藤美誠がパリ五輪リザーブとしての参加について言及した。
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すでに今大会開幕前より、五輪参加について消極的な姿勢を示していた伊藤は、この会見でも「(自分ではなく)将来を背負っていく選手が経験すべきだと思っている」と語った。
釜山では準決勝以降はサポートに回っており、試合中はベンチから出場選手にアドバイスを送りチームを支えた。激闘を演じた決勝の中国代表戦でも、張本美和、早田ひな、平野美宇が伊藤の言葉に真剣に耳を傾けるシーンがみられている。
今大会の戦いを通じて、コートに立たずとも伊藤がチームにとって重要な存在であることが示された。もう一つの大舞台であるパリ五輪でも、リザーブとして可能な限りのサポートを求める声も伝えられる中、選手としての素直な心境を語った伊藤の姿には、決勝で相対した中国の国内メディアも反応している。
ポータルサイト『捜狐』は特集記事として、伊藤の会見の内容を紹介しながら、「より適切な若手選手にその座を譲ることは、明らかに崇高で名誉あるアプローチであると認めなければならない」と賛辞を送っている。
トピックでは世界選手権と五輪の違いにも触れており、「選手村に入場することはできるが、他の主力選手に不測の事態がない限り出場機会を得るのは難しく、スパーリングパートナーとしてスタンドで試合を観戦することしかできない」と世界選手権同様のサポートが望めないものと説明している。
また同メディアは今大会を振り返り、「閉幕したばかりの釜山世界選手権では、伊藤美誠が新たな自分を開花させ、コート外で何度も『コーチ』として他の主力選手にアドバイスを送り、決勝では中国チームに十分なプレッシャーを与えた」とその貢献度を称賛。
その上で、パリ五輪への伊藤の姿勢に対しては「尊敬に値する」「誠実な選手だ」と印象を綴っている。
中国メディアも評するように、五輪過去2大会でメダルを獲得した伊藤の存在は、どのような立場であれ、チームの力になることは今回改めて証明された。それでも、今後さらに日本が上のステージに進むためには、伊藤が望む「将来を背負う選手」が五輪の舞台に接することもやはり、必要なのかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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