32位 Sカム・チャンセラー(シーホークス)スター揃いのシアトル・シーホークス守備陣の中でも一際目立つ存在だ。Sの中で最も身長が高く最も重い191センチ105キロの巨体から繰り出されるタックルは、RBやWRを簡単に地面に叩きつける。タックル…

32位 Sカム・チャンセラー

(シーホークス)

スター揃いのシアトル・シーホークス守備陣の中でも一際目立つ存在だ。Sの中で最も身長が高く最も重い191センチ105キロの巨体から繰り出されるタックルは、RBやWRを簡単に地面に叩きつける。タックルの正確さも秀逸でシーズンを通して4回しかミスタックルをしなかった。チャンセラーのタックルは相手のオフェンスの身に恐怖を染みこませ、味方を鼓舞する。チームメイトのWRダグ・ボルドウィンにさえ、「彼を相手にはしたくない」といわせるほどだ。

咋2016年シーズンは4試合を欠場しながら、Sの中で3番目に多い35回も相手の攻撃権を終わらせた勝負強さも持っている。また、タックル力に目が行きがちだが、8回のパス防御とINTはカバー能力の高さを物語っている。あるときはもう一人のLBとして、またある時はSらしく深い位置で守備をすることもできる、万能という言葉が似合う選手だ。相棒のSアール・トーマスとともに、シーホークスが誇る最強のDB軍団、「リージョン・オブ・ブーム」の最後の砦を務める男は伊達ではない。

33位 CBパトリック・ピーターソン

(カージナルス)

パトリック・ピーターソンはNFLでも最も負担の多いCBの一人だ。毎週相手のベストレシーバーにぴったり貼り付き、どこにラインアップしてもマンカバーで勝負を挑む。シーズン中7割近いキャッチ成功率を誇る、NFLのトップ選手たちは、ピーターソンにカバーされた途端、6割に成功率が落ちる。2015年シーズンは5割に抑えこんでいたことを考えれば、成績が落ち込んでいるが、ファルコンズWRフリオ・ジョーンズ、ドルフィンズWRジャービス・ランドリーなどカバーしていた面々を考えると十分に一流だと言える数字だ。

バッカニアーズのWRマイク・エヴァンスは本人もNFLを代表するレシーバーの一人でありながら、ピーターソンがNFLで一番の選手であると考えている。昨季第2週の試合でのインターセプトを「あれは俺がやられた中で最高のプレーだよ。ロングパスで1対1のカバー、ジェイミスが俺の方を見て、これはTDになると思ったんだ。そうしたらピーターソンは本当に足が速くて、力も強かった、キャッチもね」と振り返っている。ピーターソンと相手レシーバーの勝負が直接勝敗に結びついているだけに、チームの命綱のような選手だ。

34位 CBアキブ・タリーブ

(ブロンコス)

ブロンコスにはアキブ・タリーブを含め多くのタレントが揃っている。優秀なDBを数多く揃え、相手パスオフェンスをシャットアウトする「ノーフライゾーン」のベストCBは、2016年シーズン、NFLで最もカバーがうまかった。26ヤード以上のパスとTDパスを一本も許さず、タリーブのところに投げられたパスは53%しか成功しなかった。2016年度の優秀な成績は上げるとキリがないが、これほどの成績を残したのはこれが初めてだ。以前から優秀なDBではあったが、相手のベストレシーバーを完全に抑え込む週があったと思えば、次の週は簡単に100ヤード以上を通されるというムラがあった。しかし、昨2016年シーズンは最悪の試合でも43ヤードと全く隙を見せなかった。ポテンシャルを生かし切り、平均喪失ヤード185.8ヤードとNFLで最強のブロンコスパスディフェンスに貢献した。

性格は攻撃的で口が悪く、オフシーズンには自分の足を自分で撃ちホワイトハウス訪問をキャンセルするといったハプニングもあった、トラブルメイカーな面もある。しかしその性格は裏を返せば彼のタックルの激しさ、球際での勝負強さに繋がっている。スーパーボウル連覇こそ逃したものの、タリーブ要するブロンコスディフェンスはチャンピオンとしての資質を十分に持っている。王座奪還に期待だ。

 

NFL the TOP 50 playersの1位〜10位はハドルマガジン8月号Vol.31に掲載しています。ご購読はこちら