木曜日の夜、カナダ・モントリオールで開催されている「ロジャーズ・カップ」(ATP1000/8月7~13日/賞金総額466万2300ドル/ハードコート)の男子シングルス3回戦で、地元のティーンエイジャー、デニス・シャポバロフ(カナダ)が、第…

 木曜日の夜、カナダ・モントリオールで開催されている「ロジャーズ・カップ」(ATP1000/8月7~13日/賞金総額466万2300ドル/ハードコート)の男子シングルス3回戦で、地元のティーンエイジャー、デニス・シャポバロフ(カナダ)が、第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)を3-6 6-4 7-6(4)で下す番狂わせに成功した。

 オンタリオ州リッチモンド出身の18歳、シャポバロフは、金曜日の夜にアドリアン・マナリノ(フランス)に対する準々決勝に挑むことになる。マナリノは、21歳のチョン・ヒョン(韓国)を6-3 6-3で下した。

「これは、僕が子供の頃から、ここまでの人生を通しずっと夢見ていたことだ。ラファ(ナダル)やロジャー(フェデラー)、アンディ(マレー)のような選手たちとプレーするということは」とシャポバロフは言った。

「今日、僕の夢は実現した」

 シャポバロフは今週、ロジェリオ・ドゥトラ シルバ(ブラジル)と、2009年全米優勝者のフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)に勝つことにより、世界100位以内に食い込むという目標を達成し、大きな前進の歩を踏んだ。彼はまた、ふたたび世界1位に返り咲こうとしているナダルの試みを座礁させた。ナダルは今大会で準決勝に進出すれば、この目標を果たしていたはずだった。

 ナダルが簡単に第1セットを取ったあと、シャポバロフは反撃に出て、第3セットのタイブレークでは0-3とされた劣勢を巻き返してキャリア最大の勝利をもぎとった。

 シャポバロフは1974年のビヨン・ボルグ(スウェーデン)以来、最年少の今大会準々決勝進出者となった。ホッケーの偉人ウイエン・グレツキーと五輪スイマーのペニー・オレクシアクが観客席から彼に声援を送る中、シャポバロフは1990年に始まったマスターズ・シリーズで最年少の準々決勝進出者となった。彼はまた、ナダルがフェデラーを倒した2004年マイアミ以降に、世界トップ2を倒したもっとも若い選手でもある。

「彼はいいプレーをしたよ。素晴らしい潜在能力を持っている」とナダルは試合後、シャポバロフを称えた。「彼の幸運を祈りたい。彼は偉大な選手となるためのすべての資質を持っている。重要な瞬間に正しい決意、意思の強さを持ってプレーしていた」。

 ロジャー・フェデラー(スイス)は、より早い時間帯に行われた3回戦で、振るわなかった第1セットを克服し、ダビド・フェレール(スペイン)を4-6 6-4 6-2で退けた。

 水曜日の2回戦でピーター・ポランスキー(カナダ)を簡単に退けたフェデラーは、第1セットで、ボールをベースラインやサイドラインの外、ネットに打ち込む自らのショットの乱れにより四苦八苦していたが、時間とともに今季2つのグランドスラム大会優勝をもたらした調子を、少なくとも部分的には取り戻した。

 フェデラーは、35歳のフェレールに対し17勝0敗の戦績を誇る。フェレールは、2013年には世界3位だったが、特に昨年の不振のために、今は33位にまでランキングを落としていた。

 金曜日の準々決勝で、第2シードのフェデラーは第12シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)と対戦する。バウティスタ アグートは、ユニプレックス・スタジアムのセンターコートで、ガエル・モンフィス(フランス)を4-6 7-6(5) 7-6(2)の大接戦の末に下して勝ち上がった。

 バウティスタ アグートは、マッチポイントをしのいで勝負をタイブレークにもち込み、やや疲労の見えたモンフィスは、そのタイブレークをダブルフォールトで始めると、決してふたたび反撃することはできなかった。ノーシードのモンフィスにとって2回戦での、第5シードの錦織圭(日清食品)に対する激戦を含め、これは連続3度目の3セットマッチだった。

 ノーシードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)はジャレッド・ドナルドソン(アメリカ)に対し、0-6 7-5 7-5というやや奇妙な勝利をおさめ、ロビン・ハッサ(オランダ)との準々決勝へと駒を進めた。世界52位のハッサは、第7シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を7-6(3) 4-6 6-1で下す番狂わせに成功した。

 シュワルツマンは、2回戦で4つのマッチポイントをセーブした上で、第3シードのドミニク・ティーム(オーストリア)を倒していた。この日のドナルドソンに対する勝利で、彼は今年6度目の準々決勝進出を果たした。シュワルツマンの唯一のATP大会タイトルは、昨年のクレーコート大会、イスタンブールでの優勝のみだった。

 20歳のドナルドソンは、マスターズ・シリーズでの初の準々決勝進出を目指していた。彼のATPツアーでの8強入りがかかった試合での成績は、0勝13敗となっている。

 ケビン・アンダーソン(南アフリカ)はサム・クエリー(アメリカ)を6-4 6-1で下し、準々決勝で第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と対戦する。このところ波に乗るズベレフは、注目の若手対決で、第16シードのニック・キリオス(オーストラリア)を6-4 6-3で下した。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「ロジャーズ・カップ」3回戦で、第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)を倒した地元カナダの18歳、デニス・シャポバロフ(写真◎Getty Images)

Photo: MONTREAL, QC - AUGUST 10: Denis Shapovalov of Canada falls to the ground after defeating Rafael Nadal of Spain during day seven of the Rogers Cup presented by National Bank at Uniprix Stadium on August 10, 2017 in Montreal, Quebec, Canada. Denis Shapovalov of Canada defeated Rafael Nadal of Spain 6-3, 4-6, 6-7. (Photo by Minas Panagiotakis/Getty Images)