韓国選手を相手に苦戦を余儀なくされた中国の馬龍。(C)Getty Images 会場が熱狂の坩堝とかした大熱戦。ゆえに両陣営もヒートアップした。 2月24日に、韓国・釜山で開催されている世界卓球の男子団体戦は準決勝が行われ、大会10…

韓国選手を相手に苦戦を余儀なくされた中国の馬龍。(C)Getty Images

 会場が熱狂の坩堝とかした大熱戦。ゆえに両陣営もヒートアップした。

 2月24日に、韓国・釜山で開催されている世界卓球の男子団体戦は準決勝が行われ、大会10連覇中の中国が開催国の韓国に2勝を先行される大苦戦を余儀なくされた。

【動画】本当に挑発? 中国側がクレームを入れた韓国戦士の行動をチェック

 地元の後押しを受けた勢いが絶対王者を飲み込みかけた。韓国は、世界ランク14位チャン・ウジンが同2位の王楚欽を3-1で破って先勝すると、続く第2試合こそ同18位イム・ジョンフンが同1位の樊振東にストレートで敗れたが、第3試合では同27位イ・サンスが、五輪で計5つの金メダルを獲得している同3位の馬龍をフルゲームの末に撃破する大金星を挙げた。最終的に中国が3-2と逆転して決勝進出を果たしたが、絶対王者は土俵際にまで追い込まれた。

 間違いなく今大会で一番の激闘だった。そんな熱戦のなかで起きた“ある行動”が一部で問題視された。きっかけは、韓国が王手をかけた第3試合にイ・サンスが見せた振る舞いだ。

 手に汗握る攻防を制した瞬間だった。緊張から解放されたイ・サンスは、両手を広げると、己を鼓舞するかのように咆哮。ニンマリと笑顔を浮かべた。勝者としては当然の振る舞いのように見えた。しかし、このベテラン戦士に中国側は異を唱えられた。

 大国のスポーツメディア『捜狐』は「イ・サンスは中国代表コーチの前で挑発的に叫び、選手たちを怒らせていた」と指摘。そのうえで先述の行動が「残る選手たちのインスピレーションになった」と強調した。

 さらに同メディアは、観客席から中国の選手たちの目に光が当てられたほか、集中を散らすかのように不自然なタイミングで叫び出すファンもいたと指摘。「我々の代表は幾度か妨害行為を受けていた」と強調したうえで「馬龍が警告を受けたことを考えてもジャッジと会場は韓国の味方で、アドバンテージが向こうにあった。しかし、こうした愚行が選手たちを怒らせた。忍耐力と団結の勝利だった」と論じた。

 苦境を乗り越えた中国。この激闘に対する反響はしばらく続きそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】「我々は無敵」日本の快進撃も恐れず 5連覇中の絶対王者・中国の強さを母国メディアも強調「微塵の隙もない」【世界卓球】

【関連記事】勝利後に“ラケット違反”で敗戦 米代表に下された珍判定が波紋 中国メディアも嘆き「選手の努力は無駄になる」【卓球】

【関連記事】平野美宇らで話題の“暗黙ルール”に変化? 中国選手が語った敬意の在り方「生死を懸けた戦いをしている」【卓球】