米名手リャン・ジスハンに向けられたジャッジが物議を醸している。(C)Getty Images  目下、韓国・釜山で開催中の世界卓球選手権での珍しいジャッジが波紋を呼んだ。 事の発端となったのは、現地時間2月21日に行わ…

 

米名手リャン・ジスハンに向けられたジャッジが物議を醸している。(C)Getty Images

 

 目下、韓国・釜山で開催中の世界卓球選手権での珍しいジャッジが波紋を呼んだ。

 事の発端となったのは、現地時間2月21日に行われた男子団体戦のカザフスタンとアメリカの一戦でのジャッジだ。

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 互いに1セットずつと分け合うなかで迎えた第3セットだ。アメリカの3番手として登場したリャン・ジスハンがカザフスタンのキリル・ゲラシメンコに3-1で“勝利”したのだが、試合直後に審判がラケットをチェック。すると、すかさず「失格」を宣言。ゲラシメンコの勝利を告げたのである。

 困惑した表情を浮かべたリャン・ジスハンをはじめとするアメリカ陣営は猛抗議を展開。しかし、判定は覆らず。これで流れを掴んだカザフスタンが試合にも勝利し、ベスト16に駒を進めた。

 アメリカの名手を受けた判定は海外でも小さくない物議を醸した。「卓球大国」中国のポータルサイト『捜狐』は、リャン・ジスハンの使用していたラケットは、ラバー部分のゴムが規定よりも厚かったために罰せられたと指摘。そのうえで、「試合前に確認がされなかったのか。そもそも本当にルールに違反しているかどうかも議論の余地があり、このような状況は実際には非常に稀だ」と訴えている。

 無論、敗退を余儀なくされたアメリカ側の怒りは収まらない。『捜狐』によれば、全米卓球協会の関係者は「元に戻すことは不可能かもしれないが、我々は結果を変更することを望む」と強調。リャン・ジスハンへの判定に「鍵となるのはラケットに本当に何か問題があったのかということだ。もし、本当に違反していたのであれば、必ず結果は取り消されるべきだ。しかし、主審は当初は認識していなかった。誤審であれば、これは大変なことになる」と嘆いている。

 世界大会で勝敗が覆るという判定は、まさに前代未聞。その余波はしばらく続きそうだ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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