晴天の1月7日、選手の声が響き渡る上井草グラウンド。明日控える全国大学選手権決勝に向け、早大は最終調整を行った。練習序盤から積極的にコミュニケーションを取り、明日への気持ちを昂らせた選手たち。上井草での練習も今日で最後となる。「すべては上…
晴天の1月7日、選手の声が響き渡る上井草グラウンド。明日控える全国大学選手権決勝に向け、早大は最終調整を行った。練習序盤から積極的にコミュニケーションを取り、明日への気持ちを昂らせた選手たち。上井草での練習も今日で最後となる。「すべては上井草にあり」。仲間と共に鍛錬を重ねてきたこの地から、日本一を誓う。
いつも通りにパスやアタック練習を進め、練習終了後には部員全員が大きな円を囲む。メンバー入りを果たした23人が明日への決意を述べた。「4年生のために」と熱く思いを語る選手、「後輩に良い景色を遺し続けられるように」「出られない同期の分まで尽くしたい」などと最後の舞台でベストなパフォーマンスを誓った4年生。23人目には「絶対に日本一を取ります」と相良主将の力強い言葉が投げかけられ、決意表明を終えた。その後は、ノンメンバーや学生スタッフが囲む中で、伝統の押し込みタックルが披露された。チーム全体の結束をさらに固め、前日練習は終了した。
パスを放つロック前田
迎え撃つ最後の相手は、強敵・帝京大だ。帝京大との大学選手権決勝は、実に9年ぶり。早大は今季3度も敗戦を喫しており、未だ勝利を挙げることができていない。だが、対抗戦・明大戦での敗戦からの1カ月で、より団結力を高めてきた。最終調整を終えた選手の表情には一点の曇りもない。部員全員が1年間目指してきた『日本一』という揺るぎない目標、ゴールはすぐそこに迫っている。早稲田の誇りを胸に戦う23人の赤黒戦士、ベンチに入れずとも準備に最善を尽くしてきた選手、スタッフ全員で戦う決勝の舞台へ。チーム一丸となって戦い抜く相良組の健闘を祈り、明日を迎えたい。
(記事 谷口花、写真 山田彩愛)
◇4年生スタッフのコメントはこちらから◇
コメント
フランカー相良昌彦主将(社4=東京・早実 )
――今日は最後の練習を振り返っていかがでしたか
1週間の中で6日間しかなかったので、いっぱい走るとか体を当てるというのはしませんでした。頭の整理の方が大事かなと思ったのでミーティングを繰り返したりとか、ゆっくりなスピードで合わせたりというところで頭の整理をしていました。
――改めて今日の最後の練習を振り返っていかがですか
やり切ったという感じがあります。今週1週間練習してきて悔いはないですし、最高の準備ができたかなと思います。
――明日の試合のカギとなることはどんな所ですか
明日準備してきたことを出すためには、やっぱり接点のところで引いたら崩れてしまうし、自分たちにチャンスが回ってこないと思うので、接点のところで互角に戦い続けるというところです。セットプレーのところでどれだけ対抗できるかがカギになると思います。
――明日のゲームテーマは
『荒ぶる』というテーマがありますが、僕からは、接点のところのバトルをテーマにしたいなと思います。
――最後にご自身といういうプレーをしていきたいですか
4年間で最高のパフォーマンスをだして優勝に貢献できるように頑張っていきたいです。
――どんなプレーを皆さんに見せたいですか
タックルとか、接点のところをテーマにしてるので接点のところで体を張って自分がテーマを体現できるようにしたいです。
――明日への意気込みをお願いします
明日は赤黒ジャージを来て試合をする最後の試合なので、本当に早稲田でやってきた4年間を全て出し切って、これまでで最高のパフォーマンスで勝ちたいなと思います。
――ファンの方々へメッセージをお願いします
明日は絶対勝つので、皆で荒ぶるを歌いましょう!
CTB吉村紘副将(スポ4=東福岡)
――これまでの大学選手権を振り返って
圧勝できていないですね。その中でも結果論になってしまいますが、本当にチーム力が鍛えられるような試合を重ねてこれてるんじゃないかなと思います。
――改めて接戦となった京産大戦を振り返ってみていかがでしたか
前半はBKのミスが多くて、もっと早い段階で突き放してできるだけ少ないプレッシャーの中でゲーム運びがしたかったのですが、最後までもつれた感じになってしまいました。そこはまだまだ自分たちが良い風に備えたら伸びしろがあるというか、まだまだ改善する余地があるのかなと思いました。
――明日はラスト試合となりますがどんな早稲田みせていきたいですか
チームとしては、自分たちより大きくて強い相手にこっちから向かっていくという姿勢を見せたいです。やっぱりそれで早稲田いいなって思ってもらえたらうれしいです。ファンの皆さんやラグビーをしている小さい子からそう思ってもらえて、早稲田を志すというサイクルが出来たら本当に幸せなことなので、本当にチャレンジして、どんな状況になっても勝利をつかみにいく姿というのを見てほしいなと思います。
――改めて帝京大はどんな相手ですか
強いことは皆知っていることなので、準決勝の点数も驚きません。決勝は本当に15人が100パーセント以上のものを出さないと勝てないので、そのことだけに集中していきたいです。
――意気込みをお願いします!
勝っても負けてもあとはないですし、早稲田で赤黒を着て試合するのも最後なので、一番は勝つこと、そして『荒ぶる』を歌うこと。早稲田でのラグビー人生、自分自身も悔いを残さないように振る舞いからプレーから、全部一秒一秒にこだわってやり切りたいと思います!
――ファンの方へメッセージをお願いします
4年間応援ありがとうございました。きつい時もあったんですけど、ファンレターなり、応援メッセージなどで応援してくれたことが頑張れた原動力の一つなので本当に感謝してます。最後は結果で皆さんに恩返ししたいので、ノーサイドの笛が鳴るまで僕たちと一緒に戦ってください!
ロック鏡鈴之介副将(法4=東京・早大学院)
――最後の練習を終えて今のお気持ちは
個人的には苦しい1年でしたが、それでもすごく意味のある1年だったなと思っています。本当にいろいろな人に支えられながら生きていることを実感しましたし、温かい人が多くて本当にこのチームに入ってよかったなと思います。
――鏡副将から見て準決勝からの5日間、チームの雰囲気はいかがでしたか
すごく良いと思います。みんなで良い準備をして、分析をして良いものができているのではないかなと思います。そこに対してみんながしっかりとアプローチしているので、すごく良い準備ができていると思います。
――5日間、どういった調整を行ってきたのですか
相手の分析と想定をして、そこにしっかりアプローチできるようにしてきました。
――「鈴さんのために戦う」とおっしゃられている選手もいらっしゃいますが、明日赤黒を着て戦う選手の皆さんにエースをお願いします。
本当にそういってもらえるのはうれしいです。ケガをしてからチームを俯瞰(ふかん)してみるようにもなって、本当にみんながスローガンである『Tough Choice』を体現してくれての今があると思います。自分のやってきたことを信じて、コーチ陣を信じてやり切る気持ちを忘れずにプレーしてほしいです。
――4年間の集大成として、決勝でどうチームに貢献したいですか
何もできないかもしれませんが、普段通り緊張している選手に温かい言葉をかけて送り出して挙げられたらなと思います。
――帝京大に向けての意気込みをお願いします!
昌彦がキャプテンになって、昌彦が1番チームの事を考えて思い悩んでいたので、昌彦のためにも勝ってほしいなって思います。4年生を中心に一体感のあるチームになってきたと思うので、全部員の想いを背負って80分間自分にできることをやりきって、助け合って結果はどうあれやり切ってほしいなと思っています。
――4年間一緒に頑張ってきた同期に対する思いを聞かせてください
下級生の時は実際にはモチベーションを失ってしまっている人もいて、なかなかうまくいかない中でも、自分にできることをずっとやってきてくれて。どんな状況でも自分にできることを100パーセントやってくれる4年生がいたから、今の決勝につながっていると本当に思いますし、「ありがとう」と伝えたいです。僕がケガした時にも受け入れて一緒に最後までやってくれたという点でも本当に感謝しています。
――応援してくれるファンの方々にメッセージをお願いします!
応援してくださる方々がいるからこそ、自分も他の選手も頑張れていると思います。最後一緒に『荒ぶる』を歌えるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!
プロップ井元正大(文4=東京・早実)
――最後の練習を終えた今のお気持ちは
出ていない部員の気持ちも背負って明日は戦っていきたいという気持ちです。
――明日の試合で井元選手が一番こだわりたい部分はどこですか
セットプレーの部分です。帝京大さんが一番自信を持っている部分とちゃんと真っ向勝負していきたいな思います。
――帝京大とのセットプレーに挑むうえで今の手応えは
この1年間今までやってきたことをグラウンドでしっかりと発揮することができれば、帝京大さんとも戦えるのかなと思います。
――これまで一緒に頑張ってきた同期に何かメッセージはありますか
僕はEからAまで経験したこともあって、いろいろな人との関わりがあります。ずっと下のチームにいた人の努力も見ていて知っているので、その人たちのためにも頑張りたいと思っています。
――決意表明でも早実出身の方々の名前を挙げられていましたが、やはり早実から一緒に頑張ってきた仲間への想いは人一倍強いですか
この部で誰よりも長く付き合ってきた仲間なので、人一倍の想いはあります。昌彦だったり、怜史だったりもそうですね。
――このチームで戦う最後の試合、どういう試合にしたいですか
やはり悔いなく終わりたいです。悔いなく終わるためには勝つしかないのかなと思っているので、絶対に勝って終わりたいです。
――決勝に向けた意気込みをお願いします!
とにかく早稲田のプライドをもって最後まで戦いたいと思います。
――最後にファンの方々に向けてメッセージをお願いします
絶対勝ちます!
プロップ平山貴喜(スポ4=北海道・函館ラサール)
――最後の練習を振り返っていかがですか
しっかりと明日に向けての良い準備ができたと思います。
――明日はどのような思いを持って臨みたいですか
僕はうまくいかない時期のほうが長かったので、この泥臭い4年間は赤黒を着れていない同期も含めた4年間だと思うので、その分の気持ちも背負って明日頑張りたいと思います
――ご自身の注目ポイントは
ゲインラインに対してしっかり仕留めるタックルとペナルティーを狙うスクラムです。
――4年間を振り返って
長かったですね(笑)。それだけではなく、すべての経験をさせてもらったと思います。うまくいかないときの方がうまくいったときより身になる経験が多かったと思います。
――明日の試合のキーとなるプレーを教えてください
FWのセットプレーと接点です。相手はおそらく日本で一番強いFWですが、そこに対して引かずに前に出たいと思っています。
――明日の意気込みとファンの方へメッセージをお願いします
4年間培ったものを全部出して『荒ぶる』を取れるように頑張ります。ファンの方に関しては、自分のような浪人したり、他にも一般で入ったりした人にとっては、下から這い上がった存在は大事だと思うので、その泥臭さ、早稲田らしさを見ていただけるとうれしいです!
ロック前田知暉(社4=東海大大阪仰星)
――今日は最後の練習でしたが、振り返っていかがですか
今週はすごくいい準備ができて明日の試合楽しみだなと思いましたし、ここで練習するのも最後なのでちょっと悲しいな、寂しいなという気持ちが半々くらいです。
――決勝進出が決まった時のお気持ちはいかがでしたか
決勝が決まった時はホッとしたというか、対抗戦(関東大学対抗戦)で明治に負けてから皆で成長して決勝までこられたと思っているので、最後までみんなでラグビーができて良かったなという思いが大きいです。
――明日にかける思いをお願いします
早稲田で優勝するためにこのチームに入って明日その挑戦する権利を得られるということで最後まで自分の力を出したいと思っていますし、どんな結果であっても悔いなく大学ラグビーを終えたいなと思っています。
――最後どんなプレーを見せたいですか
ディフェンスのタックルで大きくて強い相手にも小さい自分たちのような人間が勝てるということを証明したいなと思っていますし、そういうタックルを見せたいです。
――明日への意気込みとファンの方にメッセージをお願いします
意気込みはもう『優勝する』それしかないですし、最高の結果でこのチームを終わらせたいです。ファンの皆さんに関しては、去年、一昨年と満足に応援できないシーズンが続いていた中で、今年はそれが少し解除されて改めてその応援してくださる方の力を実感したシーズンでした。最後の最後にファンの方たちに日本一という結果で恩返ししたいなと思っています。明日も応援よろしくお願いします!
WTB松下怜央(スポ4=神奈川・関東学院六浦)
――決勝前日ですが、今どんなお気持ちですか
本当に楽しみです。僕が1年生のころにスタンドから見ていた試合に実際に出ることができるというところに誇りと感謝を込めて、楽しみだなと思います。
――帝京大戦に向けてどういった準備をしてきましたか
自分たちのやるべきこと、『Tough Choice』をこの1週間体現してきましたし、この1週間帝京大さんに攻めることができるあらゆる手を考えて、自分たちがやるべきことを常に考えてやってきました。
――4年間の集大成として、松下選手自身がどういったプレーを発揮したいですか
4年間の集大成として、やはり強みはボールキャリーなので、そこの部分で最後まで1歩でもゲインできるようなプレーをして、チームに勢いを与えられるようなプレーがしたいです。あとは、絶対にトライがしたいです!
――4年間を共にした同期に何かメッセージをお願いします
本当に長かったけど、短い感じもして。4年間一緒にラグビーの面でも私生活の面でも仲良く楽しくやってこられて、その代表として戦えることに誇りは持っていますし、出られない同期のためにも、絶対に優勝して『荒ぶる』を歌いたいです。最高の瞬間をプレゼントしたいなと思います。
――決勝に向けた意気込みをお願いします
本当にやるべきことをやって、4年間ここ上井草で培ってきた力を全部出して、勝って『荒ぶる』を歌いたいと思います!
――ファンの方へメッセージをお願いします
最後の一瞬まで戦い続けて、しっかりファンの皆さんとも一緒に戦って『荒ぶる』を歌えるようにします。応援よろしくお願いいたします!
WTB槇瑛人(スポ4=東京・国学院久我山)
――今日は最後の練習でしたがいかがでしたか
明日やるところの練習がメインでしたが、いつもと変わらず、良い雰囲気で練習出来たかなと思います。
――最後ご自身も決意表明されていましたが、改めてどのような声掛けをされましたか
早稲田で4年間やってきて、コーチ陣とか仲間とか色々指摘されたり言われたり、きつい練習もありましたが、明日の決勝があると信じて毎日頑張ってきたので、明日はその全てを出し切ろうということ、あとは早稲田のBK陣に自信を持って、日本一だと言えるように、明日思いっきりプレーしようと話しました。
――ご自身はどういったプレーを見せていきたいですか
まずは自分のボールキャリーのところで、力強いアタックと前に出るランニングは絶対にやりたいと思います。あとはハイボール蹴った時のキャッチング力。再びボールを取れるように、相手にプレッシャーをかけて相手のノックオンなどのミスを誘えるように、怖がらずに相手のいるところに目がけて飛んでいこうと思います。
――この1週間でどのような部分にフォーカスしてきましたか
対抗戦の時の帝京の試合やこれまでの帝京の試合を見て、決勝だったらどう戦うかを考えてきました。毎週試合が続いているので、あまり体に負荷がかかるような練習はしなかったのですが、そういった頭の整理の部分はすごくできたかなと思います。
――明日の警戒ポイントはどのようなところですか
帝京にはキーマンが何人かいるのですが、そのキーマンに対して気持ちよくラグビーをさせないというのが大事になってくると思います。アタックは絶対に取り切るマインドというのが大事ですが、まずはディフェンスでしっかりキーマンにプレッシャーをかけて相手の思うようにラグビーをさせない、そしてボールを再獲得することで敵陣からラグビーをスタートできるようにやっていきたいと思います。
――明日どのような思いを持って試合に臨みたいかとファンの方々にメッセージをお願いします
明日が早稲田ラグビーとして最後のゲームなので、まずはそれをしっかり噛み締めて楽しみたいと思います。あとは、4年間一緒に荒ぶるや赤黒を目指してきた同期や後輩たち、それからサポートしてもらった両親やOBの皆さんに最高の恩返しができるように良い試合をしたいと思うので、そのために全力を尽くします。ファンの皆さんに向けては、悔いが残らないように帝京に必ずリベンジするので、試合の最初から最後まで全力で応援をお願いします!
FB小泉怜史(文構4=東京・早実)
――明日決勝ですが、今の気持ちは
『荒ぶる』を取る挑戦権を得られたことで、すごく嬉しく思っています。1、2年の時に決勝に行って、それをスタンドで見る側であったのに、今回はグラウンドで自分のプレーをできるので、うれしい気持ちでいっぱいです。
――前回の京産大戦から帝京大戦に向けて、どのような点を意識していましたか。
京産大戦では自分たちがやりたいことをできておらず、特にエリアマネジメントができていませんでした。まずはエリアマネジメントのところをチームで共有して、後で細かなところは短い期間の中でコミュニケーションをとりながら十分にできているかなと思います。
――エリアマネジメントについては小泉選手がカギを握ると思うのですが、意識していることはありますか
やっぱり自分のキックで、敵陣でプレーしたいというのがあるので、自分のキックというのと、あとはチームで決めたエリアごとの攻め方をチームで遂行できたらと思います。
――4年間の集大成として、どういうプレーを見せていきたいですか。
4年間上井草でやってきたことを出したいという思いと、最後勝敗が分かれるのは、昌彦が言っている1000分の1のこだわりであったり、『Tough Choice』というところで、こぼれ球の反応やリアクションのスピード、抜けた後のサポートが重要になるので、そこをプレーで示せればと思います。
――ここまで一緒に頑張ってきた同期に対してメッセージをお願いします!
同期がいなければここまで決勝まで来られていないですし、出場できない同期のためにも『荒ぶる』を取って終わりたいなと思います。
――決勝に向けての意気込みをお願いします
最後の試合ということで、自分に悔いがないように、自分の判断が正しいと思えるように思い切りのいいプレーを見せて、必ず勝ちたいと思います。
――最後にファンの方にメッセージをお願いします!
ぜひ早大が勝てるように応援していただいて、僕たちはその応援をきいて、一緒に『荒ぶる』を歌えればいいなと思います。