関東大学サッカーリーグ戦 2部 第1節早大32-01-11立大【得点】(早大)34’森 璃太、44’駒沢 直哉、80’安斎 颯馬(立大)90’高木 一史 関東リーグ開幕戦を迎えた早大。迎える相…

関東大学サッカーリーグ戦 2部 第1節
早大2-0
1-1
立大
【得点】
(早大)34’森 璃太、44’駒沢 直哉、80’安斎 颯馬
(立大)90’高木 一史

 関東リーグ開幕戦を迎えた早大。迎える相手は今季2部に昇格してきた立大だが、早大としては昨季2部降格の雪辱を果たすべく勝利を収めたい。前半開始直後立大にペースをつかまれるも、先制点を許さなかった早大は、34分に先制。勢いに乗ったまま、44分、PKを獲得し追加点を奪う。後半は互いに譲らず、試合は動かない。しかし80分、MF安斎颯馬(社3=青森山田)が3点目を決める。試合終了間際、こぼれ球から得点を許すも立大の反撃を1点に抑え、見事勝ち点3を収めた。

 


先制点を決めた森

 前半立ち上がりは立大のセットプレーからペースをつかまれるも、GKヒル袈依廉(スポ3=鹿児島城西)の好セーブにより先制点を許さない。24分、MF平野右京(人4=兵庫・滝川)からのパスに安斎が合わせ、シュートを放つ。しかし、相手DFに当たり惜しくも得点とはならなかった。それでもこれを起点に少しずつ早大ペースに持っていく。すると34分、MF平松柚佑主将(社4=山梨学院)のロングパスにFW駒沢直哉(スポ3=ツエーゲン金沢U18)が反応。そのこぼれ球を拾ったDF森璃太(スポ4=川崎フロンターレU18)が、先制点を決め幸先良いスタートを切る。続く44分、フリーキックで相手のハンドからPKを獲得。このPKを駒沢が決め、リードを2点差に広げ、前半を終える。

 


中盤で強度の高いプレーを見せた山市

 後半もボールを保持し、落ち着いたプレーを見せる早大。57分に立大にシュートを打たれるも、ヒルの好セーブで得点を許さない。61分には、MF山市秀翔(スポ2=神奈川・桐光学園) が左サイドからクロスを上げ、中でフリーの駒沢が合わせる。しかし、シュートはキーパー正面で得点とはならなかった。それでも迎えた80分、安斎がフリーキックを直接決め、点差をさらに広げる。安斎は「開幕戦で1点取れたのは、どんなかたちであれ良かった」と振り返る。90分にヒルの弾いたこぼれ球から失点するも、最小失点に抑え、3-1で白星を飾った。

 


直接フリーキックを決めた安斎。昨年は1ゴールと悔しい結果に終わっただけに、今季の得点量産に期待がかかる

 兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)が新監督となり、守備強度やハイプレスを意識してプレーしていた今節。平松主将と小倉陽太(スポ4=横浜FCユース)がチームの事情によりCBとして起用されるなど、厳しい状況だったが、昨季とは大きく変化を見せた。そんな中、初戦から幸先の良いスタートを切ることができた早大。兵藤監督は「チームとして課題がまだまだたくさんある中で、それでも勝ち切ったところはしっかりと評価したい」と語る。しかし、平松主将は集中力の部分が課題だという。「強度やプレスバック、ボールを回すことに関しても後半は少し落ちてしまったのを感じた。1部昇格、日本一をとるためには、90分間戦える集中力、戦い方をもっと積み上げていかなければならない」と振り返った。来季で創部100周年を迎えるにあたり、必ず1年で1部に昇格したい早大。この勢いを落とさずに、ここから先の試合でも白星を積み重ねていきたい。

(記事 大濵愛弓 写真 大幡拓登、熊谷桃花)

 

★Column/コラム リーグ戦第1号を決めた森。目指すは「チームを勝たせられる選手」


先制点を決めた森と喜ぶチームメート

 ア式にとっての今季のファーストゴールは前半34分に生まれた。最後方から平松主将がロングボールを供給すると、駒沢が競り合いボールがこぼれる。ここにすかさず反応したのは森。相手がクリアし切れない間にボールを拾うと、巧みなステップでエリア内に侵入し最後はまた抜きシュートを決めた。チームに開幕戦特有の硬さがあった中での貴重な1点。これがア式の今季第1号となり、結果的に3得点を奪い快勝を収めるこの試合の口火を切る得点となった。「チームを勝たせられる選手になりたい」。これは森が、3月始めのデンソーカップに参加した際、痛感したことだ。そして、チームを勝たせるために必要となってくるのが、得点やアシストといった結果。本人も「今年は結果、得点だったりアシストを個人的にこだわっている」と結果を残すことへの意欲が強い。その結果、「去年は少なかったペナルティエリアに侵入する回数を、意識してやった結果、取れたゴール」と開幕戦からチームの勝利に貢献した。加えて、普段はオーバーラップからのクロスを武器にする森だが、この日はピッチの内側に立つポジショニングも意識したという。「自分の幅を広げるという意味でも、外に張ってるだけじゃなくて、中に入ってゴール前に関わっていくというのはかなり意識した」と、サイドバックとしての新境地にも挑戦している。大学最終学年となる今季、その先にあるプロの舞台へと羽ばたくためにも結果を残すことは不可欠だ。「チームを勝たせられる選手」になる。ここから先の試合でも、ゴールやアシストといった結果を残し、チームを勝利に導く森の姿に要注目だ。

 


早大スターティングイレブン

 

早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GKヒル 袈依廉スポ3鹿児島城西
DF森 璃太スポ4川崎フロンターレU18
DF小倉 陽太スポ4横浜FCユース
→84分25増田 健昇スポ2横浜FCユース
DF◎平松 柚佑社4山梨学院
DF石川 真丸スポ3名古屋グランパスU18
MF福井 寿俊文構4東京・国学院久我山
MF14山市 秀翔スポ2神奈川・桐光学園
→76分24伊勢 航社3ガンバ大阪ユース
MF22平野 右京人4兵庫・滝川
→63分15東 廉スポ3清水エスパルスユース
MF安斎 颯馬社3青森山田
MF19松尾 倫太郎人2千葉・八千代
→76分20森山 絢太スポ2兵庫・三田学園
FW18駒沢 直哉スポ3ツエーゲン金沢U18
→87分奥田 陽琉スポ4柏レイソルU18
◎=キャプテン
監督:兵藤慎剛(平20スポ卒=長崎・国見)
関東大学サッカーリーグ戦2部 順位表
順位大学名勝点試合数得点失点得失差
順大
早大
青山学院大
立正大
日体大
駒大
亜細亜大
産能大-1
山梨学院大-2
立大−2
11関東学院大−2
12作新学院大−4
第1節終了時点
コメント

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

――開幕戦を振り返ってください

 立ち上がり受けてしまって、相手の圧力を回避できなかったあそこでやられていたらどうなったのか分からなかったので、まだまだだなという感想です。今まで2カ月取り組んできたことがすべて出せたかというとそうではないというところでは、チームとして課題がまだまだたくさんある中で、それでも勝ち切ったところはしっかりと評価したいです。でもこれで満足するようなチームではないと思います。それでも勝ちながら反省していくというところが一番良いと思うので、そんな中でしっかり勝てたというのは本当に良かったなと思います。また、昨年ア式が勝ち切れなかったというところでは、こうやって勝ち切ることで勝者のメンタリティや勝ち方を部員全員で共有できると思うので、この勝ちをしっかりとつなげていけるようにしたいです。僕の中では22試合全てが終わった後に『紺碧の空』を歌って終わるのがベストだと思いますし、それを目指しているので、全試合終わった後にみんながア式を誇れるような結果を常に目指して頑張ります。

――今もお話しにあったように立ち上がりは押し込まれる時間もありましたが、監督としてどのように受け止めていましたか

 シーズン当初から立ち上がりの悪さというのはこのチームにあったので、それは僕がまだまだ修正できていないというのはあります。けど、開幕戦なので緊張するよねというところでは、緊張を受け入れて楽しんでいくというところだし、昨日、明治の開幕戦を見させていただいて、やっぱり内容で圧倒していても勝てないというのが開幕戦だと思うので、本当にこの開幕戦に関しては勝ち点3をもぎ取った、本当にそれだけかなと思います。まだまだ改善点しかないので、これからさらに強くなっていきたいです。

――就任されてから攻撃のところに力を入れている中で、3得点というのは一つ手応えがあったのではないかなと思うのですが

 僕は常に3点を取れるチームにしたいと思っています。けど自分たちが意図したかたちから今日点を取れたかというとそうではないので、それを増やしつつ、こセットプレーだったりでさらに強みを出していけると常に3点取れるチームになるのかなと思います。ただ、強いチームは最後のところでは失点をしないので、そういったところではまだまだ隙のあるチームだなと思います。今週の反省をしっかり生かして一週間取り組んで、また良い試合ができればなと思います。

――今日は小倉選手や平松選手といった、普段MFの選手をCBとして起用されましたが、チーム事情を含めどのような起用意図がありましたか

 完全にチーム事情なところはあります。それでもチームを締めるというところでは、やっぱりあの2人がいるというのはすごく心強いですし、平松は今年キャプテンをやっていますけど、その中で声を出せるCBというのはどのチームでも重宝されると思います。その中でプレーでも声でも引っ張っていくというところを今日開幕戦で示してくれたと思うので、このまま継続していきたいなと思います。

――リーグ戦が始まったからこそ見えた課題は何かありましたか

 練習中より強度だったり応援があったりして、外の環境に流されやすいというか、相手の歓声があるとやられているのかなというメンタルになったりもします。そういうところで自分たちにしっかり矢印を向けるというのは変わらないですし、声に惑わされず自分たちのサッカーを貫き、レフェリーの判定含めその中でもレフェリーと戦うわけじゃないので、しっかりと自分たちがやりたいサッカーを最大限目指しつつ、相手を圧倒するというところにフォーカスしてトレーニングをしたいと思います。

――白星スタートとなりましたが、この勝利をきっかけに今シーズンどのような年にしていきたいですか

 やっぱり1年間あるので、ケガだったりコンディションが整わなかったりというところは絶対に出てくると思います。本当に20人、30人の体制で誰が出ても同じようなサッカーができるようにして、その中でも自分たちの色や個性を出せるような組織づくりをしたいなと常々思っています。それにチーム内の競争が激しくないと、僕は良いチームはできないと思うので、今日出ていた11人だけでなく、それを脅かす11人をさらにチーム内で作り出すところにも、力を入れていきたいなと思います。

MF平松柚佑主将(社4=山梨学院)

――リーグ開幕戦勝利、率直に振り返ってください

 内容はともあれ、勝てたというのが大きいと思います。

――今日はセンターバックでの出場でしたが、これまでに同ポジションでの出場経験はありますか

 練習で人が足りない時にやることはありましたが、試合でやるのは初めでした。チーム事情など色々あって急遽やることになったので、緊張しました。

――実際やってみての手応えはいかがですか

 良いか悪いかははっきりとは分からないですが、無失点で終えられなかったのは1つ反省かなと。チームとして90分間強度が落ちなかったか、と言われればそうでは無いですし、後ろの選手としてもっとできることがあったんじゃないかなと思います。

――3得点での勝利は、去年のア式から進化した結果を表しているようにも思います

 PKやフリーキック、特にフリーキックは安斎が決めてくれましたが、セットプレーで決められるチームは本当に強いと思います。それも大きなポジティブな要素と捉えています。

――主将としてのリーグ初戦にもなりました。どのようなことを考えてプレーしていましたか

 昨季から自分がチームを引っ張ってプレーしようということは思っていましたし、大きく変えたことはあまりないです。最上級生でキャプテンというチームの中でもトップの立場ですし、自分がぶれてしまうとチームもぶれると思っていたので、常に勝利することだけを考えてプレーしました。

――リーグ戦が始まってみて、実戦の中で見つかった課題はありますか

 やっぱり集中力の部分ですかね。前半が良かったというわけではないですが、強度やプレスバック、ボールを回すことに関しても後半は少し落ちてしまったのを感じました。1部昇格、日本一をとるためには、90分間戦える集中力、戦い方をもっと積み上げていかなければならないと思います。

――負けられない戦いが続きます。今後への意気込みを聞かせてください

 2部最高勝ち点での昇格を目指しているので、負けて良い試合なんてないですし、あと21試合全て勝ちにいきます。

MF安斎颯馬(社3=青森山田)

――今日の試合を振り返ってください

 開幕戦ということで、僕達も硬いところもありましたし、前半とかは特に相手の勢いに呑まれそうなところもありました。それでも勝つことだけを(意識して)この関東リーグ開幕に向けて取り組んできましたし、そういった意味ではこの難しい試合を勝てたのは良かったと思います。

――トップ下での先発となりましたが、どのようなことを考えていましたか

トップ下はぶっつけ本番みたいな感じだったのですが、その中で駒沢直哉(スポ3=ツエーゲン金沢U18)に当たった2個目の動きや、ボールを触れずに多少はイライラしてしまうところもありますが、そこは自分の気持ちを抑えてチームの勝利のために自分にできることをやると意識していました。

――得点シーンは見事なフリーキックでしたが、イメージ通りでしたか

 1枚目の壁の頭の上を狙いました。去年は1点しか取れなかったので、こういった開幕戦で1点取れたのはどんなかたちであれ良かったなと思います。

――3点を取ることができましたが、攻撃としての手応えもあったのではないでしょうか

 (この前の)天皇杯予選で3点を取って、この開幕戦でも3点取れたことはチームにとってポジティブな要素ではありますが、自分たちがやりたいサッカーはまだまだこんなものでは無いです。今日は自分たちがやりたいことは半分もできてなかったので、これから試合を重ねていくごとに勝ちながらどんどん自分たちの理想に近づけていけたらなと思います。

――開幕戦での勝利は今季の目標に向けて重要なものになったと思いますが、どう感じていますか

 この開幕戦の勝敗は、シーズンを通して自分たちが1部に上がれるかどうかに関わってくる試合でした。FC、天皇杯を含めて未勝利だった早稲田なので、そういった中で関東リーグ初戦で勝てたのは関東リーグだけじゃなくてチームにとしても、本当に大きなものになったのではないかと思います。

――兵動監督の体制になってハイプレスを重視していると伺いましたが、守備時になると安斎選手か2トップ気味になって追うというかたちになっていましたが、守備としての手応えはいかがでしたか

 兵動監督になって日頃の練習から守備強度というのはハイプレスに限らず、球際とかは求めているところではあります。そんな中で自分たちは攻守にわたって圧倒して勝つことを掲げています。そういった強度は試合のみならず普段の練習から積み上げられているので、もっともっと積み上げ作業を行って相手に何もさせないくらい圧倒できるようにやっていきたいと思います。

――最後に今季に向けての意気込みをお願いします

 まずは早稲田として1部昇格というのは絶対条件だと思いますし、その中で自分自身、勝たせられる選手とか、いろんな自分の夢に向かって自分の上のステージでもう一個羽ばたけるように積み上げていけたらなと思います。

DF森璃太(スポ4=川崎フロンターレU18)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

 開幕戦ということで緊張だったりとかチーム全体のピリつきとかあったなかで、内容はどうあれまず勝てたっていうことは、良かったと思います。

――立ち上がりは攻めあぐねる場面もあったと思いますが、どう感じていましたか

 立ち上がりはかなりピンチ続いて、セットプレーで切れた時に、チームとして「最初の15分はっきりやろう、ここをしのいだら絶対にチャンスが来るから」という声が出ていたので、そこまで焦りはなかったです。そこから自分たちのペースで試合を運んでいくことができたので、試合中の修正力という面では良かったと思います。

――良い時間での先制点だったと思います。いかがでしたか

 今年は結果、得点だったりアシストを個人的にこだわっていて、もともとペナルティエリアに侵入する回数が去年は少なかったのですが、今年は意識して入ってやった結果、取れたゴールかなって思います。

――右サイドバックでのプレーの感触はどうですか

自分は1番右サイドバックが感触が良いというか、本職だと思っているので、今年こうやって右サイドバックで開幕戦良いかたちでスタート切れて、自信になるかなと思います。

――今季、「チームを勝たせられる選手になりたい」と仰られてましたが、それを1つ体現できたかたちになったのではないですか

結果という面で見れば、得点というかたちでチームに貢献できたかなと思うんですけど、内容のとこだったり細かいミスだったりとか、守備の対応の悪さというのは出たので、そこの部分をもっと2部で圧倒していかなければいけないなと感じました。

――今日のポジショニングとして、外に行く時もあれば、内側とる時もあって結構代わる代わるやってた印象なんですが、意識していましたか

相手が引っ込んだ状態だったりとか、右京(平野右京、人4=兵庫・滝川)との関係性だったりとかで、いろいろ試せるというふうに兵藤さんからも言われていたので、自分の幅を広げるっていう意味でも外に張ってるだけじゃなくて、中に入ってゴール前に関わっていくっていうのはかなり意識してましたね。

――内側でのプレーの手応えみたいなものはありましたか

なかなか内側に入っでもボールを受けれる機会が少なかったのでそこのポジショニングの修正と、内側入った後の精度っていうところは次の試合からもっとこだわっていきたいです。

――白星スタートとなりました、今季改めてどのようなシーズンにしたいですか

本当に1部昇格を目指して内容はどうあれまず結果で勝ち点3を積み上げていくことがこのチームがしなきゃいけないことだと思うので、今日みたいに難しい試合が続くと思うんですけど、そこは本当に勝ちだけにこだわって意識していきたいなと思います。