関東大学サッカーリーグ戦 2部 第5節早大32-01-00亜細亜大【得点】(早大)16’駒沢 直哉 23’松尾 倫太郎 67’安斎 颯馬(亜細亜大)なし 関東大学サッカーリーグの開幕からここまで2勝1分1…

関東大学サッカーリーグ戦 2部 第5節
早大2-0
1-0
亜細亜大
【得点】
(早大)16’駒沢 直哉 23’松尾 倫太郎 67’安斎 颯馬
(亜細亜大)なし

 関東大学サッカーリーグの開幕からここまで2勝1分1敗できているア式蹴球部(ア式)。前節、前々節と勝利から遠のいてしまっているなか迎えた今節は亜細亜大と対戦した。早大としては1部復帰のためにも、何があっても白星が必要となる一戦であった。試合の序盤はピンチを招く場面もあったが、16分、FW駒沢直哉(スポ3=ツエーゲン金沢U18)がクロスに頭で合わせ先制に成功する。得点を機にペースを完全につかみ、続く23分にはMF松尾倫太郎(人2=千葉・八千代)が見事なボレーを決め、亜細亜大を突き放す。さらに67分にはPKを獲得し追加点を奪い、終わってみれば3-0と快勝。リーグ戦3試合ぶりの勝ち点3を収めた。

 


リーグ戦自身初ゴールを決めた松尾。ここからの得点量産に期待がかかる

 前半立ち上がりは硬さが残り相手に押し込まれる場面もあったが、GKヒル袈依廉(スポ3=鹿児島城西)の好セーブにより難を逃れた。10分、DF森璃太(スポ4=川崎フロンターレU18)の見事な縦への突破からのクロスにMF小倉陽太(スポ4=横浜FCユース)が合わせるも惜しくもクロスバーの上へ。それでも早大はこのシュートを起点に徐々にペースをつかんでいく。そして16分、「(森選手の)いいボールが来てくれたので自分はもう入れるだけでした」と復帰戦となる駒沢が、再び縦突破した森からのクロスに頭で合わせ、先制点を奪取した。その勢いのまま、23分には「安斎(安斎颯馬、社3=青森山田)がいいフリックをしてくれたので触って足を振るだけでした」と安斎のフリックに反応した松尾が豪快に右足を振りぬき、追加点を亜細亜大ゴールに突き刺した。早大はこの後も流れを渡さずチャンスを演出し続け、27分にはMF植村洋斗副将(スポ4=神奈川・日大藤沢)が良い位置で得たフリーキックを、安斎が直接ゴールを狙うもこれはキーパー正面に。さらに43分には、植村のアウトサイドパスに反応した松尾がゴールネットを揺らすがこれは惜しくもオフサイド。早大は流れをつかんだまま前半を終えた。

 


先制点をお膳立てした森

 後半も試合は早大ペースで進んでいく。64分には森が角度のないところから右足を振りぬき、相手ゴールを脅かしたがクロスバーに嫌われた。それでも67分、安斎がペナルティエリア内で倒されPKを獲得すると、自らゴール左隅に沈め亜細亜大を突き放す。その後も攻撃の手を緩めないア式。87分には、森のクロスからFW奥田陽琉(スポ4=柏レイソルU18)がラストパスを送る。これを受けた安斎が見事なシュートを放つが、惜しくもポストに阻まれた。この後も終始試合を支配した早大は3-0とクリーンシートを達成。亜細亜大に快勝し勝ち点3を手にした。

 


復帰戦で貴重な先制点を決めた駒沢

 終始試合を支配し続けた早大。兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)は、得点がゼロで終わってしまった前節の反省から、試合前に「より大胆にやろう」と話していたという。選手たちはその言葉通り最後まで点を取りに行くアグレッシブな姿勢を見せた。 また、今節はけがから復帰しグラウンドに戻ってきた選手たちの活躍が目立った。先制弾を決め、「(得点王を目指すため)どんどん巻き上げていこうと思います」と話す駒沢や、「チームとしても自分としてもちゃんとコンディションをつくれた」と振り返ったDF中谷颯辰(基理4=静岡学園)など、けがから復帰した選手たちが八面六臂の活躍を見せた。兵藤監督も「やっとけが人がいない状況ができて、競争が始まった」と言うように、選手のけがからの復帰により、「強い早稲田」が戻ってきたように感じた。ここから日体大、立正大、駒大と2部でも上位につけているチームとの戦いが続く。この連戦は、兵藤監督が「ここが前期のヤマになるだろうと思っていた」と言うように、優勝するうえで間違いなく重要なものになるだろう。今日の素晴らしい流れのままに白星を積み重ねていきたい。

(記事 関端健斗 写真 髙田凜太郎、板東萌)

 

★Column/コラム   ディフェンスの要の復帰


ビルドアップに参加する中谷

 大学生活ラストイヤーを迎える男、中谷颯辰。今季はセンターバックの一角としての活躍が期待されていたが、開幕前の天皇杯予選で負傷し戦線を離脱してしまう。しかしその後は順調に回復し、今節ようやくピッチに帰ってきた。今季初スタメンとなった中谷だが、試合全体を通して安定したパフォーマンスを披露。高校時代から培われた足元の技術を生かしたビルドアップ、また競り合いでも相手に負けない強さを見せ、チームの3戦ぶり、そして無失点での勝利に大きく貢献した。実際、練習の段階ではコンディションが上がり切っていないと感じた部分もあったそうだ。それでも「メンタル面も整理でき、今日の試合では自分としてもちゃんとコンディションをつくれた」と久しぶりの実戦ということを感じさせないプレーを発揮した。「連敗はできないので、守備がまず締めて後ろから支えていこうというのは、自分の中でディフェンダーとして意識していた」という中谷。最高学年となった今季、昨季までと比べチームに対する「声」を発する機会が多くなったように見受けられる。本人もシーズン開始前の早関定期戦の際に、「リーダーシップだったりこれまで経験してきたものを発信しながらチームを盛り上げていかないといけないという責任感が自分の中に出てきた」と話している。今節も、センターバックのコンビを組んだ平松主将とともに、最終ラインからチームを鼓舞する「声」が発せられるシーンが随所で見られた。ア式はここからリーグ上位のチームとの連戦が始まる。1部昇格へ向けて、一つの山場となることは間違いない。「今日のように無失点というところにこだわって、攻撃の部分でもビルドアップで自分が関わりながら、前への勢いをつくって勝ち点3を取る」と意気込む中谷。ディフェンダーとして相手の攻撃を抑えることはもちろん、持ち味のビルドアップ、そしてチームを支える「声」で、ここからの厳しい戦いでもア式を勝利に導いていく。 

 


早大スターティングイレブン

 

早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GKヒル 袈依廉スポ3鹿児島城西
DF29佐々木 奈琉社2新潟・帝京長岡
→65分30藤本 隼斗スポ4柏レイソルU18  
DF◎平松 柚佑 社4山梨学院
DF中谷 颯辰基理4静岡学園
DF森 璃太スポ4川崎フロンターレU18
MF福井 寿俊文構4東京・国学院久我山
→65分11小松 寛太教4東京・早実
MF小倉 陽太スポ4横浜FCユース
→84分24伊勢 航社3ガンバ大阪ユース
MF安斎 颯馬社3青森山田
MF10植村 洋斗スポ4神奈川・日大藤沢
MF19松尾 倫太郎人2千葉・八千代
→77分15東 廉スポ3清水エスパルスユース
FW18駒沢 直哉スポ3ツエーゲン金沢U18
→77分奥田 陽琉スポ4柏レイソルU18
◎=キャプテン
監督:兵藤慎剛(平20スポ卒=長崎・国見)
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関東大学サッカーリーグ戦2部 順位表
順位大学名勝点試合数得点失点得失差
日体大11
立正大11
早大10
駒大10
青学大
山梨学院大
産能大-1
順大
関東学院大
10立大10−5
11作新学院大11−8
12亜細亜大11−8
第1節終了時点
コメント

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

――今日の試合を振り返ってください

 相変わらず立ち上がりのところの課題は残りつつも、何とかゼロ(無失点)で耐えることができ、自分たちで跳ね返せたというところは評価できると思います。やはり90分を通して、今日の目的は勝つというところだったので、それを達成できたのは良かったのかなと思います。

――前節敗れた中で、間の空いた2週間はどのようなことを取り組まれていましたか

 今年は攻撃に特化したチームにしたいというところで、(前節は得点が)ゼロで終わっていたので、より点を取るためにどういったことができるのか、より大胆にやろうよというところを重点的にやってきました。今日は6点くらいは取りたかったんですけど、3点を最低限取れたというところ。それでもやはり、(ピッチの)中のやっている選手たちの気持ちや声の部分で、まだまだ(点を取りに)行くという姿勢が見えたので、そういったところはすごく良くなってきているのかなと思いますし、この試合を最低限のベースにさらに積み上げていければなと思います。

――得点を取るチャンスが多くあった中で、FW陣に得点が生まれたというのは一つチームとして大きな点だと思いますが

 そうですね。流れの中からなかなか得点が取れていなかった中で、1、2点目は流れから取れたので良かったと思います。それ以外にもチャンスなどをつくって、惜しいシーンも多く、それを決めるかどうかが勝敗を左右してくると思います。決め切るというところを、トレーニングからやっていきたいと思います。

――けが人が戻ってきたことで、チーム内の競争もより活性化されると思いますが

 やっとけが人がいない状況というのができて、競争が始まったなという感じです。ベンチ入りできるかどうかというところも迷うようになってきているので、チームにとっては良いことだなと思いつつも、まだまだ足りない部分も全体的に多いので、底上げもしつつ結果を出せるチームにしていきたいと思います。

――無失点で終われたところも手応えを感じられている部分のように感じますが

 そんなに守備に関して(練習から)ガンガンやったという感じではないですけど、ディフェンス陣はゼロに抑えたいという気持ちは当然あります。振り返りの部分ではディフェンスのところを多めにしていて、それをピッチ上でしっかり表現できるように促しはしますけど、特別ディフェンスだけのトレーニングをというのは、今年に関してはあまり積み上げるつもりはないです。あくまでも攻撃を。5-1でいい、最悪4-3でもいいという感じです。けど、限りなくゼロに近づけたいというのは言いながら、常に3点取れるチームでいたいというのが、今年のモットーなので、そこはブレずにいきます。

――けが人が戻ってきた中で、MFが本職の平松柚佑主将(社4=山梨学院)をセンターバックで起用し続ける意図は何かありますか

 やはり後ろから声で引っ張れるところです。後ろの声というのはサッカーにおいてすごく大切で、その声があるかどうかで迷いがないプレーができたり、チームを引き締められたり、そういったところで(平松は)存在感があるので、そのままセンターバックで使っています。ただ、競争が激しくなってくると、一個前に上げたりだとか、一個前もメンバーは充実しているので、そうなってくると平松が出られない可能性も出てきます。そういったことはこちらとしても喜ばしいことではあります。ただ今の平松の役割を誰ができるのかというと、平松にしかできない部分も当然あるので、そういった役割ができるメンバーが増えてくるとまた良いチームになっていくのかなと思います。

――ここから日体大、立正大、駒大と2部でも上位につけているチームとの戦いが続きます。前半戦の山場ともなるこの試合、どのように乗り切っていきたいですか

 リーグ戦の予定が決まった時に、ここが前期のヤマになるだろうなと元々思っていたので、ここからの3試合、日体大から始まるところはしっかりと勝ち切らないといけないと思いますし、そのための準備をしっかりと積み上げていきたいと思います。

DF中谷颯辰(基理4=静岡学園)

――久しぶりの実戦となりましたが、どのようなことを考えて試合に臨まれましたか

 やはり前節負けたというところで、連敗はできないですし、その上で守備がまず締めて後ろから支えていこうというのは、自分の中でディフェンダーとして意識していたことかなと思います。

――終始押し込む展開となりましたが、押し込めた要因は何かありますか

 一個一個の競り合いのところで後ろが弾けて、それに対してセカンドボールを回収できたところもありましたし、前から(プレスに)行けてそこで取れてショートカウンターというのができたのも、押し込めた要因かなと思います。また、チャレンジしたプレー、サイドの選手が仕掛けたりする怖いプレーを前の試合よりできたというのが、相手にとって脅威になったのかなと思います。ただ、もっと点は取れたと思いますし、1部を目指していく中ではこういった試合でもっともっとクオリティーを上げて、点を取っていかないとなと思います。

――後ろからのビルドアップもかなりかたちになってきたと思いますが

 ビルドアップを特別に決まったかたちでやるというのはないですけど、できるだけ相手のコートでプレーするというところでは、自分の特徴を出せたビルドアップもできました。チームとしてもスムーズに横に揺さぶりながら縦パスというのもあったので、狙ったかたちがあるわけではないですけど、良いかたちはいくつか出せたかなと思います。

――無失点での勝利というのは一つ手応えを感じているところではありますか

 やはりポジティブですし、さっきも言ったように1部を目指していく、日本一を目指していくという中では、ゼロに抑えるというところは必要になってくるので、前回2失点をしたというところからゼロに抑えられたというところは、自分としてもチームとしても良かったと思います。

――けが明けでしたが、ご自身のプレーの感触はいかがですか

 練習の段階ではまだコンディションが上がり切っていないかなという感じでしたけど、メンタル面とかも整理できて、今日の試合ではチームとしても自分としてもちゃんとコンディションをつくれた部分はあるかなと思います。

――次節、日体大戦への意気込みをお願いします

 日体大は今2部で上位にいて、優勝争いという部分でも大きくかかわってくる相手だと思います。まずは今日のように無失点というところをディフェンスとしてはこだわっていって、攻撃の部分でもビルドアップで自分が関わりながら、前への勢いをつくって勝ち点3を取れればなと思います。

FW駒沢直哉(スポ3=ツエーゲン金沢U18)

――今の率直な気持ちを教えてください

引き分け、敗戦と続いている中でまた勢いに乗れて良かったなと思います。

――前節敗れた中、この2週間でどのようなことを意識して取り組んでいましたか

チームとしては、昇格のためにもう一度勢いに乗らないとなと思っていました。個人としては開幕戦でけがをしちゃって3試合出れなくて、その中で引き分け、負けと続いて自分も悔しくて、自分が(試合に)出たいなという気持ちが強くて悶々としていたっていうのがあったので、今日一つ結果を残せて良かったです。

――ご自身の得点シーンを振り返ってみていかがでしたか

璃太君(森璃太、スポ4=川崎フロンターレU18)の長所が出て、右利きなのに左へのクロスもあげられるのでどんどん飛び込んできてと試合前に言われていたので、本当に良いボールが来てくれたので自分はもう入れるだけでした。

――けが明けでしたがご自身のプレーの感触は

まだまだですね。もっとできると思うし、自分自身得点王を目指しているので、この(試合に出れなかった)3節がもったいないので、どんどん巻き上げていこうと思っています。

――ここ最近得点が少なかった中、3ゴールでの得点での勝利は一つ自信になる部分もありますか

もちろんポジティブに考えていますし、もっとやれるとも思っています。ここからリーグ上位のチームと戦うことになっていて、ここが昇格への正念場だと思うのでそこでもチームは3得点というのを目標に掲げているのでこだわってやっていきたいと思います。

――次節、日体大戦への意気込みをお願いします

絶対勝利という中で、この2週間積み上げてきたことが1個発揮できたのでまた1週空きますけど、そこでもう1度自分たちのやってきたことをぶつけて良い結果になればなと思います。

MF松尾倫太郎(人2=千葉・八千代)

――今の率直な感想を教えてください

 とてもうれしいです。

――前節敗れた中、この2週間どのようなことを取り組んでいましたか

 僕は前節、スタートから外れたので、とりあえずポジションを取り返すということのみにフォーカスしてやってきました。

――得点シーンを振り返ってください

MF安斎颯馬(社3=青森山田)がいいフリックをしてくれたので触って足を振るだけでした。

――ここ最近得点が少なかった中、3ゴールでの勝利は一つ自信になる部分もありますか

あります。やはりFW駒沢直哉(スポ3=ツエーゲン金沢U18)が戻ってきてくれたのも大きいです。

――次節・日体大戦への意気込みをお願いします

勝ちたいです。