パロマ瑞穂ラグビー場にて同大との招待試合に臨んだ早大。多くの観客が見守る中、早大のキックオフで試合は開始した。前半2分に早大がトライを挙げ、幸先の良いスタートを切ると、終盤にも立て続けに3トライを獲得。同大を一気に突き放し、22ー0で試合…

 パロマ瑞穂ラグビー場にて同大との招待試合に臨んだ早大。多くの観客が見守る中、早大のキックオフで試合は開始した。前半2分に早大がトライを挙げ、幸先の良いスタートを切ると、終盤にも立て続けに3トライを獲得。同大を一気に突き放し、22ー0で試合を折り返した。後半に入ってLO細川大斗(社4=東京・早実)が最初のトライを決め、29ー0と点差を広げる。その後、同大に初得点を許したものの、早大が終了間際にも追加点。最終スコアは36-14でノーサイドを迎えた。

 早大は、キックオフ直後から鋭いアタックで確実にフェーズを重ねていく。SO伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)のゲインなど、ハーフライン付近から22メートルライン付近まで一気に攻め上がると、CTB守屋大誠(政経3=東京・早実)がディフェンスを突破。左大外にいるWTB磯崎錬太郎(商4=徳島・城東)へロングパスがつながり、先制点を挙げた。その後も早大のマイボールの時間が続き、何度も敵陣奥深くまで攻め入る。29分までなかなかチャンスをものにできなかったが、敵陣右奥深くのラインアウトからモールで押し込み追加点を奪うと、早大は一気に流れを引き寄せていく。36分にはハーフライン付近から、FL田中勇成(教2=東京・早実)が同大のタックルを交わして前に出ると、反応して走り込んだSH宮尾昌典(スポ3=京都成章)がゴールポスト手前まで駆け上がり、インゴールへ。さらに、41分にも敵陣22メートルライン付近のマイボールラインアウトからモールで押し込むと、残り5メートル付近で佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が飛び出しトライ。前半は終盤の猛攻により、22ー0とリードをつけて終えた。


ロングパスを受け取りインゴールへと走るWTB磯崎

 後半に入ると両チームともにミスが目立ち、互いに流れをつかみ切れない。得点が動いたのは11分、同大ラインアウトのミスからだった。自陣10メートルライン付近でこぼれたボールを佐藤が逃さず拾い、スピードに乗って敵陣22メートルライン付近まで一気に走り込む。ここから守屋、伊藤、CTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台)へとつながり、最後は細川が押し込んだ。早大は29ー0と突き放したものの、今度は15分に同大が初得点を挙げる。ここから苦しい展開になったが、早大もリザーブ陣が奮闘し、最後まで粘り続けた。終了間際の42分、敵陣左22メートルライン付近でHO安恒直人(スポ3=福岡)のゲインからPR川﨑太雅(スポ4=東福岡)、LO若松泰佑(文構3=東京・早実)がつないで同大ディフェンスを引き寄せると、そこからテンポ良く大外に展開。最後は右サイドのギャップを突き、WTB杉野駿太(政経3=東京・早大学院)が余裕を持ってインゴールにボールを置いた。このまま試合は終了し、早大は36ー14で勝利を収めた。


相手のタックルにも屈せず力強くゲインするHO佐藤

 終盤、流れを奪われた時間帯はあったものの、早大は試合を通して自分たちのペースを崩さず、最後まで落ち着いたプレーで勝利を収めた。春シーズンも残すは関東大学春季大会の帝京大戦のみ。伊藤主将は今試合を振り返って「チームとして良い方向にまとまってきている」と話し、早大は最終戦に向けて弾みをつけた。春シーズンで得たもの全てを武器に、次戦では「最大のチャレンジ」(伊藤)を見せてくれるはずだ。

(記事 濵嶋彩加、写真 川上璃々)

コメント

大田尾竜彦監督(平 16 人卒=佐賀工)

――今日の試合にはどのようなテーマで挑んだのでしょうか

 今結構いろんなものがかたちになってきたという感覚があって、それをもっと一つの結果として示していけるようにしようと話しました。

――そのテーマを踏まえ試合を振り返っていかがでしたか

 やろうとしていたこと、やってきたことはしっかり体現できてますし、間違っていないと思います。ちょっとしたことで自分たちのラグビーレベルは何段階も上がっていくので、その辺を期待したいと思います。

――セットプレーに関してはいかがですか

 モールで2つトライを取れたのはポジティブに考えられますし、スクラムに関しても亀山(亀山昇太郎、スポ3=茨城・茗溪学園)がいない中でも池田(池田裕哉、スポ3=東京・明大中野)がしっかり組めていたので合格点だと思います。

――次戦の帝京戦に向けて意気込みをお願いします

 とにかく勝ちにこだわって、これまでやってきた全てを出し切れるようにします。チャレンジ精神でとにかく勝ちにいきます。

SO伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 良い場面は作れてきていますが、ミスもあってまだまだ足りないところがあります。ですが、チームとして良い方向にまとまってきているという実感はあります。

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしょうか

 要所要所でミスが少しあったので、帝京戦に向けてもう一度プレーの質を見直していきたいです。

――キックでのゲームメイクについてはいかがですか

 FWを前に出せたシーンは良かったのですが、ミスが何度かありました。帝京戦に向けてしっかり修正してキック精度を上げていきます。

――今日の試合の収穫点を教えてください

 いろんな形でアタックできたのは良かったかなと思います。そこを次もっと進化させていけたらと思います。

――次戦は帝京戦となります。どのような戦いを繰り広げたいか意気込みをお願いします

 とにかく早稲田らしくシャープに攻めて先に先に仕掛けていけたら良い課題が見つかって春シーズンを終えることができると思います。勝ちにこだわりながら最大のチャレンジをするために、1週間厳しくやっていきたいなと思います。

SH宮尾昌典(スポ3=京都成章)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 自分達の時間帯じゃない時があって、その時間帯で連続して2本トライを取られたのは、まだまだ甘い所かなと感じました。

――前回試合の流通経大戦から意識して取り組んだことはありますか

 これまで7試合戦ってきて、チームとしてやりたいことがかたちになりつつあります。その中で、みんなの考えていることをしっかり体現することを意識して挑みました。トライをとり切るとか、1つのプレーにこだわってやり切るというところも意識しました。

――トライを決めたシーンもありましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがでしょうか

 1回後ろでアタックされてノックオンしてしまったので、ハンドリングエラーはなくしていきたいです。トライやキックは、状況に応じた良いプレーができたのではないかなと思います。

――試合を通して得た収穫点、課題点はありますか

 相手の時間帯になったときに、自分たちがどう守ってどう対処していくか。相手の流れに飲み込まれないという点で、もっとマインドを切り替えてやるべきだと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 今季、春シーズン最後の試合になります。早稲田らしく、激しく、愚直に頑張りたいと思います。

LO細川大斗(社4=東京・早実)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 個人としては、ゲインラインバトルで前に出るということを監督から期待されて試合に出ているにも関わらず、そこで自分の任務が遂行できなかったので、反省しています。

――逆に個人として良かった点はありますか

 自分はサポートプレーを重点的にやってきたと思うので、今日は岡﨑(岡﨑颯馬、スポ4=長崎北陽台)のプレーをサポートしてトライにつなげられたのが良かったです。そういったプレーは今後も続けていきたいと思います。

――チームとしてのテーマはありましたか

 今週一週間はモールを重点的に取り組んできて、今日は2トライ取れましたし、やってきたことが出たかなと思っているので、そこはすごく成果だと感じています。

――次戦に向けての修正点と、意気込みを教えてください

 帝京大学は体が大きい相手で、前に出ることが難しいと思うのですが、そこで自分が体を張って、チームに勢いをつけられるように頑張りたいと思います。

 

招待試合早大スコア同大前半後半得点前半後半22141436合計14【得点】▽トライ 磯崎、佐藤(2T)、宮尾、細川、杉野 ▽ゴール 伊藤(2G)吉岡(1G)※得点者は早大のみ記載
同大戦早大メンバー
背番号名前学部学年出身校
門脇 浩志スポ3神奈川・桐蔭学園
佐藤 健次スポ3神奈川・桐蔭学園
池田 裕哉スポ3東京・明大中野
細川 大斗社4東京・早実
池本 大喜文構4東京・早実
粟飯原 謙スポ2神奈川・桐蔭学園
田中 勇成教2東京・早実
村田 陣悟スポ4京都成章
宮尾 昌典スポ3京都成章
10◎伊藤 大祐スポ4神奈川・桐蔭学園
11磯崎 錬太郎商4徳島・城東
12守屋 大誠政経3東京・早実
13岡本 大輝スポ4東京・本郷
14細矢 聖樹スポ3国学院栃木
15京山 秀勇人4福岡・東筑
リザーブ
16安恒 直人スポ3福岡
17山口 湧太郎スポ2神奈川・桐蔭学園
18川﨑 太雅スポ4東福岡
19若松 泰佑文構3東京・早実
20鈴木 風詩社3国学院栃木
21永嶋 仁社4東福岡
22島本 陽太スポ4神奈川・桐蔭学園
23吉岡 麟太朗スポ3東京・本郷
24岡本 大輝スポ4東京・本郷
25金子 礼人法2福岡・西南学院
26杉野 駿太政経3東京・早大学院
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦監督(平16人卒)