TEAM1P2P3P4P計早大242513日大12025▽得点者中村4、都田2、永津2、曳地2、古谷2、永野 関東学生リーグ戦(リーグ戦)が、ついに最終局面に突入した。予選リーグを5位で終えた早大。順位決定戦初日となるこの日は、ホームである…

TEAM1P2P3P4P
早大13
日大
▽得点者
中村4、都田2、永津2、曳地2、古谷2、永野

 関東学生リーグ戦(リーグ戦)が、ついに最終局面に突入した。予選リーグを5位で終えた早大。順位決定戦初日となるこの日は、ホームである所沢アクアアリーナで8位・日大との連戦を迎え入れた。2名の選手がU20水球世界選手権2023代表に招集されており、普段とは異なる布陣で臨む試合となったが、序盤からディフェンスの連携力が光る。第1ピリオド(P)は攻撃の契機がなかなかつかめずにいるも、陣形の整った守りでロースコアに抑える。その後はカウンターアタックを軸に着々と得点を重ね、最終スコアは13-5。リードを保ち続けて落ち着いた勝利を収めた。


相手を5失点に封じたGK渡邉空(スポ2=新潟産業大付)

 立ち上がりはスローペースな展開となった。2分に日大に先制を食らうと、早大はなかなかシュートのチャンスを得点に結びつけられない。そこで5分、この流れを破ったのはポイントゲッター・中村大智(スポ3=埼玉・秀明英光)だ。高速なカウンターアタックでボールを手にすると、右サイドからゴールの水面に突き刺した。その後退水(※)を取られて相手にチャンスを与える場面もあったが、GK渡邉空(スポ2=新潟産業大付)が見事にはね返し、再び早大に攻撃のターンが訪れる。古谷典也(スポ2=東京・明大中野)がロングドリブルで自陣深くまでボールを取り込んでパスで連携したのち、最後は自らネットを揺らした。続く第2Pは2-1から再開。早大がセンターボールを取ると、早々に永野冬惺(スポ1=東京・明大中野)がシュートフェイントをかける。そこから前にいた曵地孝太郎(スポ3=埼玉・秀明英光)に素早くボールを集め、得点した。ここから早大が勢いに乗っていく。3分、古谷が右サイドからシュートを放り込むと、直後のカウンターでも都田楓我主将(スポ4=鹿児島南)がパスを散らしながら相手の退水を誘い、若干遠めの位置から華麗に決め入れる。さらには永津智也(スポ3=熊本・済々黌)も正面からゴールを奪い、2分間で3得点。GK渡邉の高速なセーブも光り、6-3と差を広げて前半を折り返した。


シュートを決める都田

 この流れを継続していきたい後半。まずは第3P開始1分、曳地からのパスを受けた中村が、鮮烈なゴールを決める。しかしここからは両校膠着(こうちゃく)状態に。早大は何度かパスミスもあり、ゴール前に至ったボールを得点に変えることができない。だが、「しっかり守って相手に流れを渡さなかった(古谷)」と振り返るように、その状況下ではディフェンスにこだわることで、日大にも得点を許さなかった。そして終盤には、永野が相手ディフェンス陣の隙間を縫ってシュートを決め、8-3でこのPを終えた。第3Pの最後のプレーで相手にペナルティーがあったため、開始直後にタイムアウトを取り、セットを組んだ状態から第4Pがスタート。そのチャンスをものにして、都田が右サイドから得点、そこに永津も続いてループシュートを決め入れた。また3分には、都田が相手のパスミスを逃すことなくインターセプト。中村、曳地とボールを回してゴールを揺らした。中村のペナルティスロー成功もあり、4得点で試合終了かと思われたが、ラスト10秒で古谷が超ロングシュートを放つと、そのボールはゴールポストへ。運も味方につけて最後はセットプレーとなり、中村がゴールを放ってゲームセットのブザーを迎えた。


パスを送る中村

 先週の試合から戦術を把握し、「しっかりと対応することができた(渡邉)」と振り返ったこの日。リーグ戦全体の課題だった、ディフェンスの組織力に手ごたえを得ることができた。来週は慶大との5位決定戦。さらにその翌週には早慶対抗大会も控えている。シーズン全試合での宿敵打破に向け、まずはリーグ戦で有終の美を飾りたいところだ。

 

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

 

※掲載が遅れてしまい、申し訳ありません。

 

(記事、写真 中村凜々子)

コメント

 

古谷典也(スポ2=東京・明大中野)

――試合全体を振り返っていかがでしたか

 今日は、得点数が10点以上、失点数が5点というところでとても理想的な試合展開だったのかなという風に感じています。チーム全員で勝ったいい試合でした。

――第1、3ピリオドはもどかしい時間もあったように見えました

 第1ピリオドも第3ピリオドも、自分達の攻撃がうまくテンポ感をつかめずにいたのですが、しっかりチームでディフェンスをして守ることができました。勝利については、ディフェンスでしっかり守って相手に流れを渡さなかったのが一番の要因かなと思います。

――何か課題はありましたか

 今回の試合かなり守れてはいたのですが、相手のパス回しに対して少しプレスが弱いところがあって、テンポよく回させてしまってボールがチャンスのところに落ちるというシーンが何度か見受けられたので、そこのボールへのプレッシャーを強化したいです。あとは、下がられた時の自分達のオフェンスというのがまだ突出した形ではないので、自分達のパターンを作っていって、思い通りの崩し方をできるようになっていければなと思います。

――最後に次戦の意気込みをお願いします

 次は慶大戦か明治戦になるということで、どちらも自分からすれば因縁の相手なのでしっかりと勝って、この学生リーグを5位で終わらせられるように頑張ります。

渡邉空(スポ2=新潟産業大付)

――公式戦のフル出場は初めてでしたか

 そうですね、大学では初めてです。試合に出たのも、先週の日大戦の後半に出たのが初めてで、難しいところもありました。ずっとセカンドキーパーでベンチにいることが多かったのですが、しっかり準備もできていたので今日は攻撃を抑えることができたかなと思います。

――緊張はありましたか

 緊張はそこまでしていなかったです。自分が今まで準備してきたことをしっかりと出して自分の価値を示すいい機会だと思っていたので、燃えている感じの方が強かったですね。

――実際にプレーしてみていかがでしたか

 先週もやった相手だったので、戦術やシューターなどは分かっていました。それにしっかりと対応することができたかなと思います。

――俯瞰でも見れる立場として、チーム面での収穫はどんなところでしたか

 自分が言うのもなんですが、シュートを十分に抑えることができ、失点を少なくすることができました。チームとしては、最後にシューターにしっかりとプレッシャーをかけてずれたシュートを打たせたり、そもそもシュートを打たせないという、チームとしてのディフェンスが機能していたので、この失点数に繋がったかなと思います。

――最後に、次戦以降に向けての意気込みをお願いします。

 再来週に最後の学生リーグがあるので、しっかりと調整して少しでも上の順位につけて、その次の週の早慶戦にいい流れで持っていけるようにしたいと思います。