香港での親善試合を欠場していたメッシ。この決断はシーズンに向けた最善策だったが、波紋を呼ぶことになった。(C)Getty…

香港での親善試合を欠場していたメッシ。この決断はシーズンに向けた最善策だったが、波紋を呼ぶことになった。(C)Getty Images

 当人の釈明も火に油を注ぐだけだったのかもしれない。

 現地時間2月19日、米メジャーリーグサッカーのインテル・マイアミに所属するアルゼンチン代表FWリオネル・メッシは、中国版のX(旧ツイッター)と言われる「ウェイボー」の公式アカウントを更新。世間を賑わせた親善試合の欠場騒動について「多くのことが真実ではない」と弁明した。

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 さしものメッシにとっても、“まさか”の大騒動だったのかもしれない。アルゼンチンが誇るスーパースターは、今年1月末からクラブが実施したプレシーズンのアジアツアーに参加。サウジアラビア、香港、日本を巡るなかでチームは6試合を消化したが、メッシは「内転筋の違和感」を理由に2月4日に香港で行なわれた同国リーグ選抜とのゲームを欠場していた。

 ただ、試合の観戦チケットが高額だったこともあって香港および中国のファンがこれに憤怒。さらに3日後に日本で開催されたヴィッセル神戸戦でメッシが30分間プレーしたため、彼に対する批判は一気に強まっていった。

 とりわけ中国国内でバッシングは凄まじく、今月9日には中国サッカー協会が3月に北京と杭州で開催予定だったアルゼンチン代表遠征の中止を決定。一方的にキャンセルとなり、世界を呆然とさせた。

 国際的な騒動に至り、メッシは18日に自身のウェイボー公式アカウントを更新。「政治的な問題や、それとは関係のない多くのことが原因で、僕がプレーを望んでいなかったとも聞いている」と切り出すと、「もしも政治的な理由なのだとしたら、キャリアをスタートさせてから何度も日本に行ったり、中国に行ったりすることはなかった」と釈明。そして、「僕は常に中国と非常に親密な関係にあり、インタビューや試合、イベント、そして多くの試合をバルセロナと代表チームの両方で行ってきた」と訴えた。

 さらに「最悪の事態に陥るリスクもあった」と内転筋の違和感に対する説明も口にしたメッシ。しかし、そんな当人の冷静な釈明も中国側の怒りを鎮めるには至らない様子だ。同国のスポーツポータルサイト『捜狐』は「明確な謝罪はなく、根本的な問題を無視し、誠意も欠けている」と断言。アルゼンチン代表FWに対し、「彼に謝罪するつもりはない。ファンを傷つけた理由をよく理解していない。それを物語るように、彼は試合を欠場した理由だけを語った」と酷評した。

 そして、「実際、多くのファンはプレーしなかったことを完全に責めたわけではなかった」と強調したうえで、次のように続けている。

「ポケットに手を入れ、ファンの歓声に応えようともしなかったメッシの傲慢な態度が怒りを買ったのだ。もしも、彼がその場で一言でも、プレーできなかった理由を説明し、観客と何らかの交流をしていれば、ブーイングされる以上の争いは起こらなかったはずだ」

 メッシとしては、誠心誠意の説明責任を果たしたと思われる。しかし、中国側の反発を収めるには、今しばらく時間がかかりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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